風の声

想いつくまま

ゴルフ場の今昔

2024年02月21日 | 日記

あるゴルフ場のこと。
数年前に経営不振で民事再生した。実際には会員から預かっていたお金を払い戻すことが出来なくなることを見込んでの、苦肉の策での民事再生だったようだ。

結局、会員の預けていたお金は7割がカットされてしまった。その挙句、今度は太陽光の電力会社に売り飛ばすから「同意してくれ」という。しかも、残った預り金の半額で応じろと一方的に通告してきた。

「体のいいサギみたいな話しだ」と、会員は憤る。

そりやそうだ。ゴルフを楽しみたいから会員権を買っていたのであって、投資していたわけじゃない。そのプレーする権利を奪い、何十年も高額を預けさせておいて、購入時の7分の1程度で勝手に売り飛ばされるのだから、ひどい話だ。

会員たちが、「サギだ」と怒るのもわからないでもない。

聞けば、民事再生したにもかかわらず、経営者らは居座ったままその後もちゃっかり報酬を取っていたというのだから、これまたデタラメな話だ。

無計画に乱開発した日本全国のゴルフ場。狭い国土の日本なのに、バブル後には世界でアメリカに次いでゴルフ場の多い国になった。バブル期には会員権が5億円を超すゴルフ場もあったほどだ。

笑い話がある。アメリカから来た友人とプレーしていると、「ここはいくら?」と尋ねられた日本人が、「5億2千万だ」と答えると、「それは安いね!」というアメリカ人。そのアメリカ人はゴルフ場の値段だと思ったらしく、会員権の値段だと知り「クレイジー!」だと驚いた。

それぐらいゴルフブームに沸いていた日本では、カネ儲けのひとつとしてゴルフ場経営があったし、投機目的で会員権を買いあさった小金持ちらもいた。

だが、投機のカネ儲け目当てで会員権を買ったのはほんの一部で、ほとんどの会員は休日のプレーを安く楽しむために会員権を買っているゴルフ好きたちだ。

ゴルフブームが去り、プレーヤーの高齢化もあって、多くのゴルフ場が民事再生で何とか経営をしのいだり、閉鎖の憂き目にあっている。かつては全国に2500もあったゴルフ場も2200くらいに減っているようだ。

そういえば、近くにあるゴルフ場を1億円で売り出す話がきたのは数年前のこと。閉鎖してしまい跡地に太陽光パネルが並んだゴルフ場もあるし、草に覆れてしまったゴルフ場の跡地もある。まさに、夏草や兵どもが夢の跡の状態だ。

バブルに浮かれ踊ったこの国の経済は30年もの時間を失った。それを象徴するかのようなゴルフ場の衰退とはいえ、会員のプレーを奪い身勝手にゴルフ場を売り飛ばす経営者のやり口は、ひどすぎる。

もっとも、そんな体たらくな経営者だから、こんな幕引きになるのだが。


BOSS料理はエビとベーコンのカルボナーラ😋 
そして海鮮フライ😋 













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