2月21日付の産経新聞社説です。
【主張】麻原裁判 これ以上の長期化許すな
要約すると、
・麻原被告に対する裁判は控訴審が一切開けない状態にある。
・その原因は、弁護側が心神喪失を主張しているから。弁護側のこうしたやり方は、裁判を引き延ばすための作戦であると言わざるを得ない。
・弁護側はもっと裁判に協力すべきだ。
なんだか違和感のある社説。
「何がおかしいの?」と言われそうだが、産経の社説の背後には、「あんな極悪非道な奴は早く死刑にしてしまえ!」という意識があるように思える。
近代民主主義国家においては、どのような犯罪を犯したものであっても、偏頗なき裁判所によって公正な刑事裁判を受ける権利がある。
その際には、検察側と弁護側が対等な立場に立って全力で戦い、その戦いを見た裁判官の心証により刑罰が確定するという構成になっている。
ここで、被告人の弁護側に求められる態度は、検察や世論に配慮して早く刑を確定させることではなく、被告人の立場に立って全力で防御すること、であるはず。
それをしないと裁判の公正さが担保されなくなり、近代裁判制度自体の土台がぐらつくことになりかねない。
素人考えからすれば、「なんであの弁護士たちは麻原なんかを弁護するんだろう」と思うかもしれない。しかし、もし彼らが弁護を引き受けず、誰も弁護人にならなければ裁判自体が成立しなくなってしまう。心情的には、誰も麻原を弁護したいなどとは思わないだろう。それを引き受けた弁護団は「日本の裁判制度を守る」という意識があったに違いないと想像する。
そうであれば、弁護する以上はきっちり全力を挙げて弁護するのは当然のこと。
もしここで弁護側が手を抜いたりすると、後から信者たちから「公正な裁判ではなかった。麻原は国に殺された」という声が必ず出てくるはず。そうなったら日本の裁判制度に汚点を残すことになるとともに、社会の混乱を招く可能性もある。
その意味からも、全力で弁護している弁護側に責められるべき点はないと思うのだが。むしろ、検察の攻めと裁判官の訴訟指揮の問題ではないかとも思える。
ちなみに、同じような事件を中国で起こした場合は、速攻で死刑になるでしょうね。
【主張】麻原裁判 これ以上の長期化許すな
要約すると、
・麻原被告に対する裁判は控訴審が一切開けない状態にある。
・その原因は、弁護側が心神喪失を主張しているから。弁護側のこうしたやり方は、裁判を引き延ばすための作戦であると言わざるを得ない。
・弁護側はもっと裁判に協力すべきだ。
なんだか違和感のある社説。
「何がおかしいの?」と言われそうだが、産経の社説の背後には、「あんな極悪非道な奴は早く死刑にしてしまえ!」という意識があるように思える。
近代民主主義国家においては、どのような犯罪を犯したものであっても、偏頗なき裁判所によって公正な刑事裁判を受ける権利がある。
その際には、検察側と弁護側が対等な立場に立って全力で戦い、その戦いを見た裁判官の心証により刑罰が確定するという構成になっている。
ここで、被告人の弁護側に求められる態度は、検察や世論に配慮して早く刑を確定させることではなく、被告人の立場に立って全力で防御すること、であるはず。
それをしないと裁判の公正さが担保されなくなり、近代裁判制度自体の土台がぐらつくことになりかねない。
素人考えからすれば、「なんであの弁護士たちは麻原なんかを弁護するんだろう」と思うかもしれない。しかし、もし彼らが弁護を引き受けず、誰も弁護人にならなければ裁判自体が成立しなくなってしまう。心情的には、誰も麻原を弁護したいなどとは思わないだろう。それを引き受けた弁護団は「日本の裁判制度を守る」という意識があったに違いないと想像する。
そうであれば、弁護する以上はきっちり全力を挙げて弁護するのは当然のこと。
もしここで弁護側が手を抜いたりすると、後から信者たちから「公正な裁判ではなかった。麻原は国に殺された」という声が必ず出てくるはず。そうなったら日本の裁判制度に汚点を残すことになるとともに、社会の混乱を招く可能性もある。
その意味からも、全力で弁護している弁護側に責められるべき点はないと思うのだが。むしろ、検察の攻めと裁判官の訴訟指揮の問題ではないかとも思える。
ちなみに、同じような事件を中国で起こした場合は、速攻で死刑になるでしょうね。