鉄火場のアライグマ

株式投資がメイン、の予定だったのですが、いつのまにかマンション購入記、のつもりが建売住宅購入記になってしまいました・・・

トンデモな話2(長文)

2007年11月25日 | Weblog
(この文にはかなり主観が入っていますので念のため)

時間が空いてしまいましたが、前回の「トンデモな話」の第二弾です。



■地球温暖化対策推進スクラム

 現在、国や学者やマスコミや各種団体が「温暖化防止」を訴えている理由は、セクター毎に分けて考える必要がある。

(1)国:
主にヨーロッパ諸国が強力に主張している。その背景としては、
①産業政策上の戦略として自分たちの国に有利
②元々環境保護運動が可能なヨーロッパ諸国の国民に受け入れられやすいという背景
③ヨーロッパ諸国においては炭素排出量を抑制するのが比較的容易

 これらの理由は並列のものではなく、①が主要な理由である。②と③は、①を実現するに際して障害が少ないことを確認する意味しかない。

では産業政策とは?
①アメリカに対する牽制
・EUの最大のライバルは、言うまでもなく米国。
・米国は世界一の資源浪費大国。
・その米国に、炭素排出量の削減という名の省エネや各種対策を求めることにより、産業競争力を削ぐことが可能(このことが、米国が京都議定書を批准しない理由

②金儲け
・ヨーロッパが中心になって実施している「排出権取引」においては、取引の管理や様々な金融商品を発売し、結果的にヨーロッパの企業が儲かるシステムになっている。

③容易に炭素排出削減が可能
 これまでヨーロッパでは(特に東欧や英国では)石炭を燃料とした発電等も多く、これを天然ガスに転換するだけで大幅な炭素排出量の削減が可能。また、産業、民生分野の省エネも日本ほどは進んでおらず、先進的な省エネ技術を取り入れることによってさらに炭素排出量を削減することが出来る。


(2)マスコミ
 マスコミのほとんど(特にテレビ関係)がアホなのはご存知のとおりで、世間にウケれば何でもOK。地球温暖化は良いネタを提供してくれるテーマであるとともに、説明を省くための便利な枕言葉もある。
 夏が暑いのも熱帯夜も、台風の上陸が多いのも、魚の漁獲高が減ったのも、野菜の値段が高いのも、マスコミの解説ではすべて「地球温暖化の影響で・・・」の一言で済んでしまう。
 これらの事象の原因がすべて地球温暖化に起因するものなのか、実は誰も分からない、というか検証のしようがない。
 でも、マスコミ的には非常に便利なネタであるという事実は変わらない。

 ところで、冬に雪が多くなったり、農作物の冷害が起きたり、冷夏になったときには、たぶん「地球温暖化」のことは全く忘れたコメントが出ることは容易に想像出来る。何しろ、アホは忘れやすいから。


(3)学者:
 温暖化対策に関する研究は、大義名分がある(と思われていることから)研究費がつきやすい。これは、研究費の出所が国であっても企業であっても同じこと。つまり、、、温暖化に関連する研究を行うことにより自分の研究室の予算が増える。

 また、研究結果が社会に直接影響を及ぼすわけではなく、また、研究結果の検証も難しいことから、研究者にとっては、金は入るしうるさいことを言われないし崇高なことをやっていると思われて尊敬される、、、ということでこんなに良い研究テーマはない。


(4)団体:
 世界中には様々な環境保護団体がある。これらの団体は、地球の環境を守ることを至上命題として活動している。が、団体ゆえに活動規模が大きくなればなるほど「組織の論理」により動くことになる。
・彼らにとっては、「地球温暖化の防止」は活動の大義名分になるとともに、活動領域、すなわち予算規模の拡大による団体の勢力拡張の手段となる。
・地球温暖化対策に向けた活動のため、として企業等に寄付を要求し、企業としても「地球温暖化」という反対しにくい理由で迫られては寄付を断りにくい。

 また、地球環境をビジネスにしている会社にとっては、地球温暖化はビジネスが成り立つための前提条件であり、CDMなどの訳の分からないビジネスで利益を上げる彼らにとっては非常にありがたいことでもある。


■温暖化対策の負の側面
 このように、一度大きな流れとなった「地球温暖化」対策は、もう誰にも止められない状況になってしまっている。地球温暖化対策に反論しようものなら、人類の敵扱いだ。

 さらに言うと、温暖化対策がもたらす負の側面も無視できなくなっている。
最近、食料品の値上げが話題になっているが、これは、近年の原油高もさることながら、欧米におけるバイオ燃料市場の拡大が一因となっている。

 温暖化対策上、石油燃料をバイオ燃料に変えることにより、その分だけ炭素排出量を削減することが出来ることになっている。なぜなら、石油を燃やすことは大気上に炭素を排出することになるが、バイオ燃料(穀物をアルコール発酵させて作る)の場合、穀物自体の炭素は大気中の炭酸ガスを吸収し固定化したものだから、バイオ燃料を使っても、大気から植物が取り込んだ炭素を大気に戻したことになる、という理屈らしい。

 ただし、バイオ燃料を作るためにはかなりのエネルギーを使うことになり(作物の育成にはトラクターも使うし化学肥料も使うし、穀物をアルコールにするためには様々なエネルギーを使う)、炭素排出が0というのは言い過ぎのような気がする。

 話が横道にそれたが、地球温暖化防止のための対策としてバイオ燃料が注目され、その結果バイオ燃料の原料となる穀物(特にトウモロコシなど)の価格が上昇し、それを見た他の作物を作っている農家がトウモロコシを栽培するようになり、その結果大豆や小麦などの穀物の供給が減り、トウモロコシを含む様々な穀物の価格が上昇し、その結果、発展途上国は食料の調達に苦しむ。という流れになっている。
 
 原因がはっきりせず漠然とした地球温暖化のための対策により、現実に、今、生きている人々の生活が脅かされるという結果になっている。

 これは果たして正しいことなのだろうか???


■無理な要求を突きつけられている日本
 日本は、石油ショック以降省エネを進めてきて世界最先端の省エネ国となった努力が裏目に出て、削減の余地が少ない状況の中でさらに炭素排出量を削減(1990年度対比でマイナス6%)するというとんでもない目標を課され、それが難しい場合には数千億の違約金を払わされるという負債を背負っている。

 これは本当に正しい方向なのだろうか??????


■さいごに
 ところで最後に一言述べると、エネルギーの無駄遣いがよくないのは当たり前のことで、無駄なエネルギーの利用を控えるともに、エネルギー利用の高効率化(省エネ)を進めることには何の異論もない。

 しかし、地球温暖化防止というよく分からない理由のために、莫大な労力と費用をかける意味があるのか?その労力が結果に見合うものであるのか?副作用(農作物の高騰など)は仕方がないことなのか?という点については(少なくとも私は)疑問だらけである。

 仮に、現在行われている温暖化対策を進めたとしても、その結果地球温暖化が止まるかというとそういうことではなく、将来の気温の上昇や海面の上昇が数パーセント減る、というレベル(算定の根拠と過程を全面的に認めたとしても)でしか改善されないそうだ。そのために、今行われているような行為を容認出来るのか。はっきり言ってリソース(人と資金と資源)の無駄遣いであると思うのだが。