カズさんの旅たび

 ~歴史、文化、芸術、美食紀行。。

中国・上海

2013-02-23 | 中国
「蘇州駅」から午後3時21分発の電車に乗り、午後4時6分に上海駅に到着し、ホテル「上海美麗園全套房酒店公寓(Central View Suites)」(静安区陕西北路)にチェックインした後、黄浦江沿いを散策する。

こちらは対岸の上海市中心部の黄浦区「外灘(バンド)」を眺めた様子で、新古典主義建築の幅広の建物にドームを配した「旧香港上海銀行ビル」(上海浦東発展銀行)や、右隣の8階建てに時計塔が聳える「江海関」(上海海関)などのビルが美しくライトアップされている。
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外灘(バンド)の夜景は、3年ぶりとなる。上海へは、3年前の11月18日から3泊4日で訪れている。。

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その3年前の11月18日(金)は、昼に上海に到着し、外灘にある「和平飯店」(フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツ)にチェックインした後に「阿一鮑魚」(あいちほうぎょ)に向かった。その日は、フカヒレと鮑をメインとした298~1880元(当時レート:1元13.4578円)までの7種のコースから、388元のコースフカヒレの姿煮、ブロッコリー炒め、炒飯、スープ、鮑の姿煮)を注文した。ちなみにメインの鮑の姿煮は、佛跳牆(ぶっちょうしょう)との選択だったが、鮑の姿煮にした。


大変お得なコースであり、料理も美味しかったが、別メニューの北海道産の干蚫の値段を見て大変驚いたものである。

食後は、黄浦区豫園街道に位置する「豫園」のライトアップに浸り、北京ダックで有名なレストラン「全聚徳」で遅めの夕食を頂くなど贅沢三昧の上海初日を終えた。


2日目は、人民広場の南側に位置する「上海博物館」を訪れ、中国古代青銅館(「牛形犠尊」BC6世紀)や、中国古代彫刻館で、「菩薩石像」唐時代(618~907)、「釈迦牟尼仏坐像」北斉時代(550~557年)などを見学し、途中退館し、フォーシーズンズホテル上海で、広東料理「四季軒」の点心ランチを頂いた。
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そして3日目は「豫園」を再び訪れ、夜は、上海商城劇院で、上海雑技団を鑑賞した。
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鑑賞後の夕食は、成隆行蟹王府(九江路店)で、上海蟹を頂き、最終日には、南京西路にある「避風糖(展覧館店)」で、飲茶を頂き、帰国している。
(2005.11.18~21)

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その3年ぶりの上海での夕食は「138蟹宴館」で、上海蟹のコースを頂くことにしている。こちらは、最高級ブランドの陽澄湖産の上海蟹(大閘蟹)をコースで頂けることから期待に胸を躍らせやってきた。屋号の138とは、コースメニューの値段のことで、138蟹宴館(138元)と蟹シェフ看板料理(300元)がある。


300元コースは、前菜の盛り合わせ、蟹爪肉の蒸し物アスパラと蟹足肉の炒め物蟹身と蟹みそ炒め、春雨と蟹白子添え、蟹油の野菜炒め、蟹とフカヒレスープ、上海蟹、蟹みそ焼きそば、蟹ワンタン、特性生生姜の梨和え、季節のフルーツと言った豪華な内容。ちなみに、138元コースとの大きな違いは「蟹みそ豆腐」か「蟹とフカヒレスープ」かの違いと「蟹油の野菜炒め」が有るか無いかだった。


上海蟹(大閘蟹)は、何度も食べているが、蟹づくしのコースは初めてだった。蟹のやや淡泊で上品な旨味が、他の様々な素材とも喧嘩せず調和され、どれも大変美味しかった。

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さて、昨夜は、蘇州駅から上海市内に戻り「138蟹宴館」で上海蟹のコースを堪能したが、今朝は、胃もたれもなく爽やかな目覚めとなった。そして、午前8時過ぎに、ホテルのブッフェ形式の朝食を頂き、部屋に戻りカーテンを開け外を眺めたところ。日差しは差し込んでいるものの空はガスっている。
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チェックアウト後、上海軌道(地下鉄)で移動し「静安寺」に到着した。寺院は近代的な超高層ビルの谷間にあり、アンバランスな印象を与える。3世紀の三国時代に由来する古刹で、何度か寺名が変わり、北宋の1008年から現在の「静安寺」となった。河口付近にあったが、洪水を避け、南宋時代の1216年に現在の場所に移転ている。


19世紀後半からは周囲の都市化が進み、20世紀に入ると繁栄する上海西地区の中心地となった。文化革命時は、徹底的な破壊に遭い廃墟となるが、1980年代に再建されて以降、密教真言の道場となっている。こちらは、大雄宝殿に安置される降魔の印を結ぶ釈迦牟尼仏坐像で、前立として、マントを羽織った黄金の三尊像が奉られている。


お昼はフカヒレで有名な「翁家魚翅」で食事した。上海の中心的な繁華街の一つ「淮海路」(わいかいろ)沿いにある。昼のコースは、4種類(A360元、B280元、C250元、D238元)があるが、A~Cは4人からのコースのため、Dの選択となった。料理は、上海料理、四川料理、広東料理のコラボで、最初に、蟹粉迷你魚翅(上海蟹みそ入りふかひれスープ)焼味三宝(東坡肉など3種)泡椒傳嘴蛙面豉醤蒸魚云(ハクレン)湯津白、白飯、甜品、水果であった。泡椒傳嘴蛙とは、カエルの肉で、汗だくになるほどの辛さがあったが、癖になる旨味と食感があり紹興酒との相性も抜群で、忘れられない味となった。


食後、上海虹橋国際空港に向かい、午後3時45分発、羽田空港行きJAL610便で帰国した。
(2008.11.24~25)

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そして、1年が過ぎた11月下旬の土曜日、JAL791便(羽田空港 午前9時45分発、上海浦東国際空港 午前12時20分着)で、3度目の上海にやってきた。

上海浦東国際空港から、上海トランスラピッド(リニアモーターカー)で、龍陽路駅に向かい、上海軌道(地下鉄)に乗り換える。人民広場駅で下車し、東に延びる上海最大の繁華街、南京路沿いを東に向け歩いているところ。ちなみにこちらの南京路の終点が外灘(バンド)になる。
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コロニアル建築群の建物を左側に見ながら、新世界商城と書かれた建物を通り過ぎた南京路沿いの右側にあるのが、今夜の宿泊ホテル「ロイヤル・メリディアン(世茂皇家艾美酒店)」になる。


ホテルにチェックインした後、ホテルのプールで一汗かいて、人民広場などを散策した後、上海蟹を食べに出かけた。今夜のレストランは「凌瀧閣」で、ホテルから約10キロメートル西の「古北地区」と呼ばれる日本人も多く住むエリアにある。


全個室のレストランで、落ち着いて食事をすることができる。この日は、上海蟹にフカヒレが付加されるコース(288元)を注文した。最初の前菜の盛り合わせは4品ある。中央の胡瓜の皮を丸めた(酸辣黄瓜皮)は、酸味と硬めの食感が素晴らしい。赤い長方形は、蟹ミソが入った豚肉のにこごりでビールとの愛称が良い。他に、青菜を筍で包んだ品と、剥き川海老が添えられている。


次に、蟹肉入りフカヒレの上海風醤油煮込み。トッピングとして酢とパクチーが添えられており、お好みで加える。ちなみに、もう一つコースでは、筍入り海鮮と燕の巣となる。

そして、蟹味噌と剥き川エビの炒めと料理が続く。濃厚な蟹味噌とぷりぷりした海老とのハーモニーが大変素晴らしい一品である。


次は、蟹味噌入り蟹肉の揚げ物で、蟹爪が姿を表しているが、中身は蟹味噌とあっさりとした身の部分が合わさり、噛み締めた際に沸き立つ芳醇さが楽しめる一品。


そして、メインの上海蟹の姿蒸しとなる。茹で上がりが提供される。上海蟹は、小細工せずに、茹で上がりをショウガ醤油と一緒に頂くのが王道である。


こちらはオスで、黄色い白子と味噌部分が美味しい。1年ぶりの旬の上海蟹に満足した。ちなみに、オスの旬の時期は11月下旬で、メスの旬は9~10月とされている。


こちらのお店では、スタッフが丁寧に蟹の身を取り出して並べてくれる。ここまでのサービスは、他のお店ではなかった。コース後半は、蟹味噌タンタン麺に、旬の野菜の炒め物、蟹味噌小籠包鯉の形をしたマンゴープリンで終了した。上海蟹は、海の蟹とは異なり、やや蛋白な味であり、蟹づくしのコースで頂いても飽きが来ないのがよい。


食後、午後8時過ぎに、「怡徳保健会所 古北店(Yide Massage)」でマッサージをしてもらい一日を終えた。

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朝食後、上海軌道(地下鉄)に乗り陝西南路駅で下車、「復興公園」の観光に向かった。復興公園は、人民広場から約2キロメートルほど南にあり、高級料理店やブティックが並ぶ上海の中心的な繁華街の一つ「淮海路」(わいかいろ)の南側に位置している。
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この「淮海路」を中心とする一帯は、上海フランス租界(1849年から1946年まで)だったエリアで、復興公園は、1909年に建設された。中央には、フランスの様式を取り入れた大きな花壇があり、落ち着いた雰囲気の噴水と池、遊歩道、ガーデンがある。


日中は、お年寄りたちが集まり踊る姿なども見られるが、レストランバーや欧米系の観光客に人気のクラブ、カラオケ店などもあることから深夜まで賑わっている。

復興公園散策後は、淮海路の裏手の新楽路沿いのマッサージ店「ドラゴンフライ」でマッサージをしてもらう。リゾートを思わせるオリエンタルな内装が特徴の人気の高級マッサージ店である。

午後7時から坂東玉三郎主演の昆劇を鑑賞することにしており、少し早い午後5時過ぎに「圓苑酒家 静安店」で夕食を頂くことにした。レストランは、旧フランス租界エリアにあり、1930年代の上海の伝統的な家庭料理を現代風にアレンジして提供する上海料理店として評判が高い。お勧めは、豚肉を醤油と砂糖でじっくり煮込んだ「紅焼肉(ホンシャオロウ)」で、上海では圓苑酒家が最も美味しいと言われている。


濃い目の醤油にやや甘めの味付けが特徴で、豚の角煮は、形が崩れていないのに、口に含むとトロトロで驚くほど柔らかい。ゼラチン部分のやや弾力のある触感など絶品な一品。また付け合わせの煮玉子が、豚のうま味が染み込みこちらも大変美味しい。

こちらは、渡り蟹(青蟹)の紹興酒漬けで、紹興酒に、数日間、生きたまま漬け込んだ一品。。魯迅も好んで食べた逸品で、紹興酒の旨みが凝縮された濃厚な味噌は絶品で、ビールに大変あう。以前、成隆行蟹王府(九江路店)でも頼んだが、その際はもっと小さいサイズだった。


味噌部分を頂くのだが、サイズが大きいので、手足の身にも挑戦したが生のため、身が筋張っている。。殻が硬く、ぬめぬめしており、取り出すのは難しいので、少しで諦めた。他に、上げ春巻き、モチ米入りナツメなどを頼んだ。

食後、坂東玉三郎主演の昆劇「牡丹亭」の公演が行われる「蘭心大戯院」にやってきた。劇場は、茂名南路と長楽路の角にあり、愛美劇団を母体(1866年設立)に、1931年に現在の地に建てられた歴史ある建物。茶色のタイルに白タイルの縁取りと、2階の装飾的な欄干のある3つの半円形アーチ窓が特徴で、上海市の優秀歴史建築にも指定されている。劇場の向かい側には、花園飯店(オークラ ガーデンホテル上海)がある。


劇場を入ったロビーの坂東玉三郎専用カウンターには、多くの祝スタンド花が飾られていた。ちなみに、壁面に描かれた絵画は、ヤッシャ・ハイフェッツで、彼は、ロシア領(現リトアニア領ヴィリニュス)生まれで、後にアメリカ国籍を取得した、20世紀を代表するヴァイオリニストである。

さて、坂東玉三郎は、若いころから、京劇の名優・梅葆玖氏とも交流があったが、2007年から、京劇より古い昆劇での演技を目指し、昆劇院の名誉院長の張継青さんらに師事し、芸を磨き女形として「牡丹亭」を演じる夢を実現したという。牡丹亭は、明代の劇作家、湯顕祖が1598年に著した昆劇の代表作で、全55幕ある長編。玉三郎は主人公「杜麗娘」を演じている。今回の公演は、これまでの京都、北京、蘇州などでの公演を経て、昆劇の本場、上海での初公演の舞台となる。


ストーリーは次の通り。南安太守、杜宝の一人娘、杜麗娘が、花園でうたた寝したところ、夢の中で麗しい若者・柳夢梅が表れて恋に落ち牡丹亭の傍らでちぎりを交わす。夢煩いで衰弱した杜麗娘は、自分の姿絵を残し、花園の梅の木の下に埋めてくれと言い残して亡くなる。

一方、柳夢梅は、科挙試験受験のため、都の臨安(杭州)に向かう途中に、病にかかり、梅花庵(杜麗娘の供養庵)で養生する。柳春卿は、そこで、見つけた杜麗娘の美しい姿絵に魅せられ、その後毎晩姿を現す様になった杜麗娘を愛するようになる。杜麗娘は柳夢梅に、自分はこの世の者ではないことを打ち明け、再生の手助けを頼み、甦った杜麗娘と柳夢梅は結ばれる。

玉三郎の優雅で流れるような踊りと、オペラを思わせる様な美しいデユエットが素晴らしい。

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翌日、午前中は、「菁菁(じんじん)保健会所」でマッサージをしてもらう。静安寺から南西に1.5キロメートル離れた華山路と長楽路が交差する場所のビルの3階にある。入口には2周年祭と書かれた案内板が置かれているとおり、まだ店内は新しく清潔な感じ。個室に分かれているので、気遣いなくマッサージを受けられる。


料金も、足マッサージと全身マッサージが2時間で100元ほどと大変リーズナブル。足は、施術後、漢方薬を含んだ蒸気を足に当てる温浴療法が行われ、足が大変軽くなる。着替えもお茶のサービスもあった。

その後、昼食はレストラン「避風糖(錦江店)」で頂いた。長楽路を東に2キロメートルほど行った通り沿いで、上海軌道(地下鉄)「陜西南路駅」の近くにある。香港料理チェーンで、日本のファミレスの店舗と良く似た雰囲気である。以前、上海商城劇院近くの、避風糖(展覧館店)を訪れたが、ここ数年で店舗数が大幅に増えたらしい。


単品の値段が大変お得で、点心を中心に数品を注文した。どの料理も、チェーン店とは思えないほど美味しく、十分満足することができた。


その後、外灘(バンド)などを散策し、夕食は、昨年も訪れた淮海路沿いにある「翁家魚翅」にやってきた。


今夜は、魚翅スープや、鮑料理を頼んだ。付け合わせの鶏足がグロテスクだが、旨味が染み込んだ皮とコラーゲンが大変美味しい。
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そして、昨年食べて気に入った辛味タレの蛙肉を味わい、最後に今回2回目となる上海蟹の姿蒸しを頂いて終えた。単品での注文だと、昼のコースより分量も多く、より深く味わえた。


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翌朝、午前6時の朝食後、人民広場駅から上海軌道(地下鉄)に乗り(龍陽駅経由)、上海トランスラピッド(リニアモーターカー)で、上海浦東国際空港に到着、その後、午前8時50分発のJAL796便で帰国した。3泊4日の短い滞在だったが、マッサージで疲れも癒され、恒例となった上海蟹を今年も味わうことができて良かった。
(2009.11.21~24)
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