気儘に書きたい

受験勉強よりもイラストを書くのが好きだった高校生の頃---、無心に絵を描く喜びをもう一度味わえたらいいのだが。

下関、中ノ関、上関

2012-11-16 23:18:06 | 風景画
 先月、上関にツーリングに行った。原発の建設を巡って揉めている場所だが、過疎に悩む島の復興に原発は寄与するだろうが、その代償に瀬戸内の美しい自然環境が破壊されるかもしれない。穏やかで清澄な海が、鏡のように島々を映しだす光景に心を奪われ、絵に描いた。

 ところで、門司の隣の下関の名前だが、幼い頃より「しものせき」と頭に入っていたので、「下」と「関」の間に「の」がなくても気にならなかった。「上関」も「の」がなくても「かみのせき」と読む。何かつながりがあるのではと気になっていたら、司馬遼太郎の「菜の花の沖」の三巻を読んで合点がいった。江戸時代、長州毛利家が直轄地の「中ノ関(現在の防府あたり)」を長府毛利家の「下関」のように発展させようと画策して、中ノ関付近の海図とともに「泰平の御代にとざさぬ中の関 ここに集まる黄金白銀」と刷り込んだ扇子を諸国諸港の船頭たちに配ったという。近代的な寄港誘致の宣伝方法が江戸時代になされたことに驚いた。
 さらに「関」には「関所」「水門」の意味があるので、長州藩の東から順に「上関」「中ノ関(防府)」「下関」が生まれたことに私は気づかされた。


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