ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

2009年6月アクセスNo1記事「丹波マンガン記念館閉館はニュースでないのか」

2010年06月30日 07時54分19秒 | Weblog
 この20日に京都で会合を開き再館を決めた丹波マンガン記念館関連の記事だ。


 京都市右京区京北(旧京北町)の丹波マンガン記念館が31日、20年の歴史を閉じた。この日は閉館式だっったが、テレビ取材を見かけることなく、多くのメディアは沈黙した。そこには歴史意識が色濃く映し出された。

 丹波マンガン記念館の閉館は入場者の減少が最大の理由。年間のメンテナンスは何100万とかかるから、赤字が積み重なったきた。これ以上継続することは無理だろう。閉館もやむなしかもしれない。

 しかし、朝鮮人強制連行の現場を在日朝鮮人が保存して博物館として立ち上げたのは、日本ではこの記念館が唯一だ。それだけに日本人の側の反応がどうだったのかが問われるところだろう。行政は一切の補助もしなかったし、歴史の現場に学ぶための重要な施設として公教育の現場で位置付けられることもなかった。

 そういう意味では李龍植館長が31日の挨拶で「レジスタンスだ」と言った思いがよくわかった。強固な岩盤を砕かないと日本の戦争責任や植民地支配の歴史の反省が表面化しない社会。それへの抵抗の20年だったのだ。

 31日の閉館式には300人くらいの参加者があっただろうか。しかしテレビクルーの取材などメディアの取材はみられなかった。毎日新聞の写真記者がシャッターを押して懸命に取材していたのが目立った程度だ。

 丹波マンガン記念館の閉館はメデイアにとりニュースではないのだ。その日の夕方のテレビニュースにかける値打ちもないということなのか。そういう判断だからテレビの取材が出なかったのではないか。閉館のニュースはそんなにも軽いものなのか。

 ニュースは社会意識を映し出す鏡だ。朝鮮人強制連行問題や植民地支配問題を問うことは社会の意識の底に沈殿してしまったようだ。李館長が31日午後の最後の挨拶で流した涙は何だったのか。日本社会への悲しみの涙ではあってはならない。

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メディア・ウオッチング 世論調査の怪 辺野古回帰を追認する菅首相、メディア

2010年06月29日 08時26分28秒 | Weblog

世論調査の怪 という原稿で韓国の統一地方選挙前の動向を書いたが、結果との相違の正体を探ると、どうも昼間での調査方法が、自宅で対応した有権者が保守層応援の比較的高齢者が多く、「ハンナラ党優勢」との結果が出たというのが真相のようだった。前回書いた内容も一部正しいが、今回の昼間調査の読み違えはかなりこの部分が大きく左右していると思う。


日本の世論調査では世論調査員を3年ほどした経験がある。通信社の世論調査だが、対面調査であったので、調査を受ける人の反応がわかり、また電話の向こうで適当に答えるのとは違う部分―つまり正確な解答を得る部分に近づく特徴をもっていた。ただスピード感に欠ける。電話調査はすぐできる。ところがこの対面調査は選挙人名簿からの抽出、質問項目用紙の印刷、世論調査員の派遣など、いま知りたい項目から時間がたつと大分ずれてくる恐れがある。


ただ質問はいつも平均的で、たとえば「菅首相の普天間移転で鳩山前首相の方針踏襲をどう思うか」など出てこない。つまり「島ぐるみ闘争」と化した沖縄の辺野古回帰反対に味方するような世論を形成する指向性はもたない。これが世論調査の限界だろう。つまり日本の世論として問うのに適当だと考える設問を柱にして実行されるのだ。沖縄問題で私がいまあげた質問をすると社民党に味方していることになり、一方に偏するとなる。結論から言うと、辺野古回帰はおかしいと鳩山前首相時代に出た世論調査動向はもう世論化されないのだ。


 慰霊の日の23日に「だんまり」ともいえる日米合意を遵守だけ語った菅首相の政治的判断はそうした背景もあるのかもしれない。また27日の日米首脳会談でもそうだった。これでは沖縄の意志切捨てではないのか。大変な欲求不満が残る。沖縄差別を追認していいのかという思いが現政権批判として当然出てくる。前政権の日米合意を追認する現政権。沖縄の現状は何も変わっていないのではないか。メディアはこの隘路を開く報道をしないといけない。辺野古回帰の不義をふれることがない世論調査で「忘却」に手をかしていいものだろうか。


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6・23沖縄・慰霊の日を「国民の慰霊の日」に

2010年06月28日 23時24分27秒 | Weblog
 日米韓3国の軍事同盟化は沖縄の米軍基地を必要としていると考えるなら、それは時代に逆行しているのではないか。

 東アジア共同体という構想を語った前首相の鳩山さんは、そこから普天間基地の県外移設の発言を産み出したことは言うまでもない。しかし民主党内からこの東アジア共同体構想がいま聞かれないのは、虎の尾を踏むもとになるからだ。

 新たな時代を感じさせた前政権は、残念ながら指導力が不足した。普天間基地移設特別委員とか、首相肝煎りの組織を設けて動くべきだったが、「守旧派」が動かなかった。そこまで危険を犯さなくても、というわけである。

 考えてみたら、金権体質で非難をあびた小沢さんも、県外移設に熱心だった。この路線が否定されたのが現政権とみるべきだーというのが私の見方だ。

 日米合意をめぐる議論は国会で一度たりとも行なわれていない。今回の選挙での主要なテーマにもなっていない。沖縄の願いはどう反映されるのか。誠に残念な限りだ。

 オバマさんとの28日の会談で菅さんは沖縄の負担軽減で合意できたとの報道にふれたが、まず取り組むべきは沖縄戦の慰霊の日を国民の慰霊の日にして休日にすべきだ。原点から取り組みを図るべきだ。
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日曜新聞読書欄簡単レビュー

2010年06月27日 10時28分39秒 | Weblog
朝日に人間の底を見た人にかかわる本が紹介されていた。底とは経済的な、また悲しみという感情の底の意味だ。まず前者から。佐野章二『ビッグイシューの挑戦』(講談社、1500円)は、『ビッグイシュー』日本版を立ち上げた人がこの本の著者なのだ。創刊当時は仲間から「絶対に失敗する」と反対された。なぜなら日本にチャリティー文化がなく、フリーペーパーが巷にあふれているからだ。ところがどうだ。発刊から7年、紆余曲折しながら黒字化を成し遂げた。評者中島岳志により紹介されているのは、若い女性が販売員に人生相談することだ。おじさんの言葉は若い女性の心に響くのだ。それはホームレスになるなかで、ホープレスにもなった人生の底から立ち上がろうとする人の言葉は彼女たちを励ますからだ。この本は路上販売員の彼らから購入でき、400円が収入として入るという。人間が経済的底から立ち上がるのは、立ち上がろうとする人の意欲を社会的にどう具現化するのか。そこに『ビッグイシュー』があらわれた。300円の本が一冊売って160円販売者に入る。言うはやすく、行なう難しで、これが大変だ。しかし、努力を重ねて自力で経済的苦境から立ち上がっていけるのだ。

後者の人間の悲しみの底とは妻を亡くした文芸評論家川本三郎の著『いまも、君を想う』(新潮社、1260円)だ。3年間の闘病生活ののち、妻川本敬子さんがガンで58歳で亡くなった。喪失の重みを川本は書く。「端然とした文章」こそ文学者川本のこの本の特徴かもしれない。しかし人間は喪失から発見する逆説的存在なのだ。生前の妻を知らなかった自分を知る。それは他界した故人をいっそう強く想う、関心が注がれるからだ。自身の体験に照らしてもそのことは顕著だ。なぜ生前できなかったのか、なぜ気付くことがなかったのか。これまで気付かなかった妻の姿に出合う。ところが悔いに傾斜すると、悲しみはどんどん閉ざされる。それでは逆に閉ざされない悲しみとは何なのか。故人が自身の中で活動することだ。評者平松洋子は「毎朝ひとり、川本さんは土鍋でごはんを炊くようになった。うまくたけるとほっとする」と書いている。(文中敬称略 ,第1次入力)
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コラム「風」「韓国併合」100年

2010年06月26日 07時59分07秒 | Weblog
 2010年は「韓国併合」100年にあたる。いま、日本社会の朝鮮に対する排斥は草の根のネット右翼、極右勢力の対等などで不気味に脈動しているのだが、克服の大きなカギは歴史認識に関わることだろう。

▼以下、友人が話した例を出そう。ある若者に「アメリカと戦争していた」と尋ねると、「本当?」と言い、「戦争に負けて全面降伏した」と言うと、驚いて「ええ、本当のこと?」と返答が返ってきたという。これは実に極端な例で、ごくごく一部の若者の反応なのだが、しかし、普遍化できることでもある。

▼つまり「知らないということは過去のあったことでもなかったこと」になるのだ。「なかった」という意識では、根も葉もない情報に大きく左右されて、「南京虐殺などなかった」「日本は朝鮮でいいことをした」といった言説に流されてそれが世論化しがちだ。するとここからが問題だ。政治の世界は「世論政治」だから、手をつけようどしなくなる。政権奪取前の民主党は日本軍「慰安婦」問題に法案提出は7回、2008年までしていたが、与党となってからは、具体的な動きが聞こえてこない。

▼さらにこれに変数が加わる。沖縄問題のように米軍普天間基地移設でアメリカの意向が強いと、それに従うという悪循循環だ。体制政治でコンクリートされる危険性にあるのだ。日本軍「慰安婦」問題はアメリカ、ヨーロッパ、韓国、フィリピンでの真相究明や法的措置への議会決議が逆に追い風になってはいるが。

▼そこで「韓国併合」100年にかかわる朝鮮への植民地支配に焦点化すると、植民地支配にかかわる被害者朝鮮人への補償問題は戦後の冷戦激化で根本的に解決のメスを入れることなく推移したが、この遠因はアメリカの極東政策と密接に結びついた結果なのだ。

▼スパンが長く考える植民地問題の清算は、最近の研究の学問的成果では世界的に責任を取らない体制が欧米でのコンセンサスだった(6月13日の高麗学会参加で教授を受けた)。日本の対応も例外なくこの世界的趨勢上にあり、朝鮮支配問題はアジア・太平洋戦争に限定され、さらには1939年以降の強制連行時に限定されたりした。それも「強制ではない」との攻撃が顕著だ。こうした歴史の無形化は当然若者の「そんなことあったの?」という意識を生み、現在の体制に都合のいい意識が大手をふり闊歩することになる。

▼地道にも歴史の発掘をして情報を発信することの重要性を知る。それは歴史研究だけに限らず、メディア、文学でも引き受けねばならない課題だろう。歴史的反省は現在のいびつさを撃ち変えていくものになる。現状回復の課題はフラットな関係にする原点だ。15年戦争時に極限されずに植民地支配の端を開いた1875年の江華島事件以降の歴史を検証することが求められる。


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サッカー 韓国の応援ぶり

2010年06月24日 23時30分21秒 | Weblog
韓国が決勝トーナメントに進んだ。アルゼンチン戦での大敗のとき、友人とソウル・インサドンのテジコギ(豚肉の焼肉)料理の店で応援していたが、とにかく応援ぶりが桁違いだった。

サポーターは赤いシャツを着て、女性は牛の角のようなアクセサリーをつけるのが流行で、角部分が光るのだ。また郵便局に行ったら、職員が応援の赤いシャツを着ているではないか。恐れ入った。ソウル市役所前広場には赤いシャツを着たサポーターが何万人も集まっていた。

極めつけは友人の弁だ。「今日はサッカーの試合があるから地下鉄は特別ダイヤだ。遅くまで飲める」。本当かいなーと思ったが、テジコギのあとはカウンターバーのようなところで友人5人とまた一杯。しかしソウルの中心街から離れた友人宅には、タクシーで帰ると相当経済的負担だから、12時半まわるころになると私はソワソワ。友人らは一行に時間を気にしない。「特別ダイヤだ」と暢気なものだ。

疑り深いのはいいのか、悪いのか。本当に予選リーグの2試合目で特別ダイヤが組まれるのか。どうも解せない。そこで、「もう帰ろうか」と友人たちの重い腰をあげるように私は実力行使。階段下りて地下鉄に乗ろうとすると、「最後の電車だ」と酔い客が叫んでいるではないか。

全力疾走で電車に乗り、「やれやれ」とため息と安堵の吐息が出たが、途中の駅でストップ。目的の駅まで行かない。ここがダイヤの最終電車の最後の駅なのだ。特別ダイヤなど勝手に決め込んだだけだった。時間は1時半近い。

ところがソウルはこの時間も路線バスが走っているから、友人はバス停に入るバスに「○●に行くか」と運転手に聞いているではないか。バスの電子掲示板を見ると「本日は終了」と掲示されているのに、これがおかまいなしだ。本当に弱ったお方だ。さすがに私も腹をたて「もうバスはない。タクシーで帰ろう」と無理やりタクシーの座席に彼をねじ込んだ。

日本は明日3時半ゴールだ。特別電車は無論ない。ただスポーツカフェーが特別営業しているようだ。眠ずに応援はできそうにもない。瞼がどうももたない。
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『丹波マンガン記念館の7300日』(李龍植著)韓国版刊行

2010年06月24日 20時24分15秒 | Weblog
李龍植さん著の『丹波マンガン記念館の7300日』(解放出飯社)の韓国版が韓国の出版社「論衡」からこのほど刊行された。翻訳はペ・ジウンさん。定価は10000ウオン。
 丹波マンガン記念館は1989年5月の開館から20年の歴史を刻んできたが、昨年5月末に膨大な経費が毎年かかるものの、来館者が減少しており、改善が見込めないとして閉館した。しかし記念館を残そうという声が強く、このたび「丹波マンガン記念館再建委員会」組織し、再建運動を推し進めていくことになった。6月27日午後3時から『丹波マンガン記念館を再建するための有志の集い』が龍谷大学3号館101号室で開かれる。
韓国版は日韓関係の本を出版している「論衡」が企画し、韓国の市民運動グループKIN(地球村同胞連帯)の運営委員ベ・ジウンさんが翻訳を担当し刊行した。韓国の新聞でも今後書評として取上げられるという。「論衡」は2003年に設立され、これまで110点ほどの出版物を刊行、日韓関係の本のほか、沖縄問題も積極的に刊行している。
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朝鮮戦争勃発から60年

2010年06月21日 23時32分42秒 | Weblog
朝鮮戦争勃発からこの25日で60年を迎える。日本のセンセーショナルなメディアはいまの朝鮮半島の危機をさも戦争勃発の危機のように報じるがとんでもないことだ。韓国市民は極めて冷静であり、戦争の悲劇を痛いほど知っているから、とてもそうした風評がおきることすらない。

韓国の社会学関係の学者に「日本では戦争の危機だと騒いでいる人がいるが」と質問したら、一笑にふされた。「怖いのは地震の方だ」と回答が返ってきた。今年に入り震度3クラスの地震が京畿道であり、地震になれない市民の驚きぶりには相当こちらも驚いた。

朝鮮戦争60年にかかわり犠牲者の遺骨の発掘についての広報がテレビで流れているが、戦争の危機をあおる報道など私が知る限り、朝鮮日報のような保守紙が哨戒艦沈没事件で北への対応の強化を論説している以外にない。

むしろ日本の週刊誌がひどい。テレビはあまり見ないから知らないが、核攻撃を受ける危険性など書く週刊誌まであらわれる始末だ。さすがに大手紙はそうした報道はしないものの、センセーショナルな報道で不安感をかりたてられる読者もいるに違いない。実に罪つくりなことだ。

1950年6月25日の戦争勃発は、韓国政府の避難勧告のごたごたで漢江河岸で逃げ惑う市民は多く犠牲になった。解放後の朝鮮半島の左右対立、北では戦争反対していた勢力も賛同した経緯がある。そして60年。

去る15日は南北共同宣言から10年目である。あの歴史的成果をソウル市内のグランドヒルトンホテルで開かれた学術会議で特別講演した姜万吉高麗大名誉教授は数千年同族として歴史を刻んだ民族が朝鮮戦争で半世紀敵対した関係から再び同族として会った6・15宣言の歴史的意義永遠に記憶されるとその意義を見出す発表をした。さらにベトナム、ドイツの統一ではない韓半島式統一の視点となったとの意義を見出す見解も示した。

同じ会議ではムン・チョンミン延世大学教授は6・15宣言を冷戦構造を越えて新たなパラダイスを設定した歴史的出来事だとしたほか、チョン・ヒョンベク成均館大学教授は6・15宣言がもらたした南北間の交流の多様性をあげた。

こうした学者の論など日本に紹介されるわけではなく、軽薄な週刊誌が「暇つぶし」の話題に戦争の危機をあおる品のなさに本当になさなく思う。冷静に朝鮮半島の動きをみて、平和憲法をもつ日本が何ができるかを考えねばならないし、行動の道を探らねばならない。


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世論調査の怪

2010年06月17日 06時48分39秒 | Weblog
 韓国の統一地方選では世論調査では政権与党の優勢が伝えられていたが、フタをあけると野党が票を伸ばし、ソウル市長選では即日開票で深夜段階では野党候補の元首相韓さんが勝利とみられたほど。しかし、この世論調査の怪は意外と深遠だ。

 韓国人に聞くと「世論調査に本当のことを言わない」というのだ。本当のことを言えるほど政局を信頼できないという分析だ。うがちすぎた見方だが、意外と有権者の主権者ぶりを発揮しているのかもしれない。

 菅首相の誕生で世論調査は60パーセントをこえる支持を示した。しかし世論調査で「菅首相は沖縄米軍普天間基地日米合意を踏襲したがどうか」と問うただろうか。おそらく問うてはいないだろう。そういう設問をぶつけてそれでも支持率が高ったら、これは本当に沖縄の民意切捨てではないのかとがっくりする。鳩山前首相のときは断罪した世論が新首相になると変わる醜態は見せたくないものだ。ということはそういう設問は除かれる。

 世論調査は本当に信じていいものか。韓国有権者の反応はともかく、設問に答える必要なしとする意思を示すことも大事かもしれない。設問は巨大メディアが考えるもので、民衆の側が、沖縄の民意に沿うた設問をぶつけ、それが大きな影響力をもつ時代が来てもいいはずだ。


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日曜新聞読書欄簡単レビュー

2010年06月13日 09時00分06秒 | Weblog
アメリカ論の本がバーバラ・エーレンライク『ポジティブ病の国、アメリカ』(河出書房新社、1890円)ー朝日ーだ。ポジティブな思考がアメリカのイデオロギーにもなっていることを明らかにした本だが、歴史的にさかのぼると、元来悲観主義の極致とも言われるカルヴァン主義に支配されていたというから、建国時代と大きく変貌したわけだ。ポジティ心理学という学問、ポジティヴ思考を売り込むセミナー、本など一大産業にまで発展している。ところがこのポジティヴ思考は経営の行きすぎや経済の破綻を覆い隠すことにも貢献しているというのだから驚きだ。宗教者までが「神はポジティヴ」なのだと説く。ネガティヴになる考え方、生き方を180度変えるという意味でのポジティヴかどうかは本書の評者(久保文明)からではわからない。さて日本はどうなのか。

 門田隆将『この命、義に捧ぐ』(集英社、1600円)ー読売、朝日ー は、簡潔に読売の書評がまとめている。読売記者による紹介だが、門田隆将が第2次世界大戦敗戦時に、中国東北部の指令官だったが、ソ連軍と戦いながら4万人の在留邦人の北京退却に成功。中国・国府軍蒋介石の意志は敗軍の将を丁重に扱い、全員の帰国を許した。4年後に門田は台湾に密航、国府軍の軍事顧問となり台湾軍を助ける立役者になった。以上が読売の紹介文だが、引揚者を親にもつ紹介文を書いたこの記者はこのノンフィクション書いた著者がこれまで日台にとっては都合が悪い門田の活躍の封印を解き厳密な取材でよみがえらせたことに大きな意味を見いだしている。

 松本健一『わたしが国家について語るなら』(ポプラ社、1300円)ー読売ーがおもしろそうだ。国の漢字が城壁に囲まれた領土の意味をもくい、その城壁が低くなり、情報、お金、商品、人の動きが自由に行き交うグロバリゼーションの時代まで著者は論じる。素朴な直線に敷かれた国境線の国々のこと、目に見えない法律や制度デザインされたいまの国々について語る。評者野家啓一は子どもだけに読ませてくにはもったいないと書く。未来の子どもたちに松本は「何か卓越したもの」を説いた勝海舟の言葉を伝える。


 毎日新聞では神野直彦『「分かち合い」の経済学』(岩波新書、756円)を取り上げている。評者は中村達也。「オムソリー」というスエーデン語。これは「悲しみの分かち合い」「優しさの分かち合い」を意味する。「奪い合い」の日本社会にはまぎゃくのところにある。再配分のパラドックスでこの「オムソリー」の意味するものを解説する。貧困者に限定して現金を給付している国では格差が大きく、貧困が拡大すると説く。貧困者に限定した現金給付の少ないスエーデン、デンマークなどでは格差と貧困がはるかに少ない。貧困者限定の現金給付(「垂直的再配分」)、と所得の多寡に関わらず広く提供する方式(「水平的再分配」)の違いを検証する。「分かち合い」により社会サービスをくまなく給付することの方が垂直的再配分より少ない財政負担で済むという。そこらの具体的な論究は本書にあたるしかない。「小さな政府」を選んだ日本の突出した財政収支の赤字計上について根本的に考えるには絶好の書といえるかもしれない。

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招かざる珍客

2010年06月09日 19時54分00秒 | Weblog
夜中1時半ごろ、左指をチクと棘でさすような痛みが2度走った。中指である。「やられた」と発したのは、何本も足があるゲジゲジのような多足類の虫にやられたと直感したからである。

すぐ起き上がり、そろりと布団をめくると、案の定その虫の姿を見つけた。絨毯の裏に逃げ込んだ。さてどうするか。新聞紙を硬く棒状に丸めて絨毯からたたきつけて、少し弱っただろうと判断して絨毯をめくると、ゆっくりとした動作で動き始めた。これを殺虫剤をかけながらビニールの袋に追い込み、捕獲に成功。これを屋外に出して、住居から離れた地に放った。

問題はそれからだ。さされた指が痛みだした。しかし我慢できない程度ではない。消炎剤を塗り込んで応急処置をした。翌朝は朝7時に起きて、午後4時半まで仕事がある。寝ないというわけにはいかない。「とにかく寝よう」と電気を消し、なんとか4時間は眠れた。

しかし指が腫れるわけでもなく、熱が出るわけでもなかった。あまりにも怖がられすぎるのだ、このゲジゲジは。本当に可愛そうだ。見かけで嫌われるから。ゲジゲジからすればたまったもんではない。ましてや危害は少ない。人によっては、さされたところが腫れる人もいるから、事後の手当ては大事かもしれないが、私はどうもなかった。

ゲジゲジがよく出る環境にあり、変に怯えていた。ここの住人の共通した意識だが、さされてたいしたことがないことがわかった。「安ずるよりさされるがやさし」というのはあまりにも乱暴だが、とにかく私は別にどうもなかった。これは私だけなのか。


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6・2韓国地方統一選挙で与党惨敗をどう見る

2010年06月04日 10時17分12秒 | Weblog
 今年4月3日の済州島での4・3事件慰霊祭に参加したとき、韓国の政党代表が勢ぞろいしていたのには少しびっくりしたが、6月2日の統一地方選の支持もあったのが主な理由。そして哨戒艦「天安」艦沈没事件での政府の発表で、「これは政権与党に有利」とみていたのだが、ところが票をあけると、ハンナラ党の惨敗。「北風」は野党に吹いたのには驚くと同時に、韓国有権者の抜群のバランス感覚、平和主義に改めて納得した。

 ソウル市長選ではハンナラ党がとり、京畿道知事もそうだった。京畿道はずっと保守党が強いがその結果になった。しかし公選制の教育長選挙では京畿道教育長は現政権の初代大統領府教育科学文化首席を務めたチョン・ジンゴン候補が進歩陣営のキム・サンゴン候補に敗れるなど野党が善戦。広域団体首長では仁川、光州、大田、慶北、慶南など野党が勝利、李明博政権の強行路線に「ノー」をつきつけたかっこうだ。戦争回避は当然のことで、今後選挙の審判を受けてどうした舵取りをするのか。もし小競り合いでも衝突が恒常化すると韓国経済への影響ははかりしれない。そういう「反実利主義」をとる政権ではないが、これまでの南北関係の舵取りへの痛烈な批判となった。

 しかし、南北統一問題は本当にすんなりとは進まない。太陽政策への批判は、新政権では「非核・解放・3000ドル」構想を掲げて政権に突入。この原則を変えていない。政権では昨年まで水面下での交渉をしてきたが、朝鮮共和国は核を放棄する気がないのか、交渉は完全に失敗というか、成果なく決裂。それが11月の西海での衝突があり、今回の沈没事件へとエスカレート。

 事件での政府発表に疑義をもつ人もおり、強硬論は市民権を得れるはずはない。政府の「北の行為」との発表で、私は選挙に有利とみていたが、日本から見ていてはよくわからない。「北風」は与党ではなく、「戦争をおこいてはならない」と訴える野党に吹いた。その結果が与党の惨敗であった。

 以下「ハンギョレ」3日の社説から一部抜粋する。

「今回の選挙は歴代のどの選挙でも見つけることができないほど与党に有利な環境で進んだ。天安艦事件はすべての選挙争点を吸い込むブラックホールだったといえる。4大河川事業、世宗市、無償給食など、与党に不利な争点は全て姿を消したり後まわしに押されてしまった。選管委の不公正判定是非も過去のどの時より荒い対応だった。ハンナラ党の選挙の成績表がより一層みじめに思える理由である」。
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加齢か! 腰痛

2010年06月04日 08時39分46秒 | Weblog
  友人に勧められ整形外科で治療を受けた。腰痛の治療である。

 朝7時半から診療しているこの医院はすでに10人近い患者が来ていた。

 先生は長く座ればダメだ、時々座る位置を替えて座りなさいと言われた。

 だいたい10分間隔でそういうことをしないと腰痛をおこすことに気がついた。
 
 どうでなしでも落ち着きがないのに、困ったものだ。

 先生に「いままでは2、3日に治ったのに」と言うと、笑っておられた。これからはそうはいかないという表情だった。加齢には勝てないということか。

 しかし腰が悪いと歩くのも苦労する。本を持ち歩いたり、資料をいっぱいカバンに詰め込むもとはもうできない。 
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鳩山首相、辞意固める

2010年06月02日 10時06分53秒 | Weblog
 鳩山首相が民主党幹部に辞意する意向を伝えた。昨日は小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長と2度にわたって会談し、3日になり、普天間問題をめぐる混乱などから辞任を固めた。7月の参議院選挙を控えぎりぎりの選択といえる。
 
 しかし鳩山首相はアメリカの極東戦略に呑まれて、独自の視点を産み出せなかったのは誠に残念だ。沖縄の辺野古回帰はそれであり、以降は韓国哨戒艦「天安」沈没をめぐり突出して朝鮮民主主義人民共和国の対する国連への提起をすすめるなど、糸が切れたように日米韓安保体制の強化を主張したのはそのあらわれだろう。

 今後後任がどうなるのかよりも、。首相のたらい回しは批判してきた民主党はどう弁明するのか。窮地に追い込まれているともいえるが、民主党への政権交代については自民回帰を求める声は大きくはないだろう。第3の勢力がどうなるのか。また社民党は福島党首がスジを通したことで支持率が増えたが、これが参議院選挙に連なるのかーなど焦点が浮上している。

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