ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

在日コリアンは被疑者の時だけ本名を呼ぶのか

2010年01月27日 23時43分48秒 | Weblog
J-NEで加筆したものです。

〈V・辛坊治郎「在日韓国朝鮮人が犯罪起した時に通名で報道する朝日新聞・毎日新聞はおかしい」〉いうメールが流れてきた。それもテレビ画面で説明するすがたをつけて送られて来たから、多分間違いない事実だろう。

 ただここでそれでも真偽をほどを確認していない。つまりこのメールが正しいものかどうかは正確にいえないが、グーグルの検索で送られて来たものだ。そのことをまずお断りしておくが。

 しかし、この方は本当に在日コリアンが本名を名乗り生きられる社会と思っているのか。社会の実相を表面的しか見られていないようだ。通名で生きることを強いられ、犯罪被疑者になれば急に本名にせよとはどういうことなのか。

 本名で名乗る社会を補償しようという取り組みが大阪の在日朝鮮人教育のスタートにあったその位相ー視点とはマ逆のところにある。先生方の歴史にこころ寄せてきた方ならそういう視点にはたたれないとは思うが。

 また犯罪報道の匿名性についての検討も必要だ。微罪での犯罪報道でどれだけその人間にダメージを与えているのか。被害者の人権問題とは別にこれは論じねばならない

 この高名なジャーナリストはテレビという最大の武器で活躍しているが、テレビという魔物が怖いのだ。同じようなこと、常識をいい続けたら飽きられてくる。

 しかし、なさけない。本当になさけない。

 朝日、毎日と産経、読売の報道が2分されるから、後者の本名を説をとったというわけだろうが、産経、読売はどうした社内的な検討を加えてきたのか。前者についてもどうようだが。根拠を説明してほしい。そのことをこの方は説明されたかはテレビをラジオでしか聞かない私にはわからないが。

 なお、通名派の朝日、毎日については私が説明した内容で多分意を尽くしているだろう。メデイアの欄が新聞紙面であるからいずれは説明されるだろう。
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被疑者になったときだけ本名報道を推進していいのか

2010年01月26日 03時33分45秒 | Weblog
〈V・辛坊治郎「在日韓国朝鮮人が犯罪起した時に通名で報道する朝日新聞・毎日新聞はおかしい」〉いうメールが流れてきた。

 真偽のほどを確認していない。つまりこのメールが正しいものかどうかは正確にいえないが、グーグルの検索で送られて来たものだ。そのことをまずお断りしておくが。

 しかし、この方は本当に在日コリアンが本名を名乗り生きられる社会と思っているのか。社会の実相を表面的しか見られていないようだ。通名で生きることを強いられ、犯罪被疑者になれば急に本名にせよとはどういうことなのか。

 また犯罪報道の匿名性についての検討も必要だ。微罪での犯罪報道でどれだけその人間にダメージを与えているのか。被害者の人権問題とは別にこれは論じねばならない

 この高名なジャーナリストはテレビという最大の武器で活躍しているが、テレビという魔物が怖いのだ。同じようなこと、常識をいい続けたら飽きられてくる。

 しかし、なさけない。本当になさけない。
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名護市長選結果をマイナスに読み取るメデイア

2010年01月25日 01時28分57秒 | Weblog
 名護市長選は予想どおり移設反対の稲嶺進さんが勝った。読売のネットで見たが、これで移設先が新たな県外候補地も拒否されているなか、地元からもノーをつきつけられた鳩山政権は窮地に立ったーとの論調を書いていた。どういう考えなのか、理解に苦しむ。地元沖縄の民意は知事の県外移設希望の表明にも加え、名護市もそうであり、沖縄の民意ははっきりしたと書かないのか。どこを向いて書いているのかよくわからない。メディアは権力に添うのではなく、民衆に添うべきだ。ただ頭一歩出さねばならないが、沖縄の声をこうも軽視するのは首をかしげる。25日午前1時の報道は「24日の沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の移設受け入れに反対する稲嶺進氏が当選したことで、新たな移設先の選定は極めて厳しい情勢となった。」「、新たな枠組み作りに相当の期間と作業を要するのは確実で、米政府の鳩山政権への不満は一段と高まりそうだ。」とある。産経も25日午前0時40分の報道は「ただ辺野古以外に地元や米国と合意が可能な代替案はなかなか見つかりそうにない。「5月までの結論」は再び先送りされる可能性があり、鳩山由紀夫首相の責任問題に発展しかねない情勢だ」と鳩山首相の責任論までヒートアップさせている。
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鳩山さんと小沢さん

2010年01月23日 16時09分42秒 | Weblog
 ハト派である鳩山さんはもたもたして頼りなく見える。ところがタカ派の人は大衆をひきつける力をもつ。ここのとこが実に危険なのだ。

▼渦中の人小沢さんはどう見てもハト派ではないが、どんどん突き進む政治手腕は大衆をひきつけてきたから、反目ともいえる議員でも渋々?従う。

▼危機の時代にはそういう「もたもた派」よりタカ派的な政治家が人気を博す。鳩山さんでは「もたもた」して気が休まらないが、「ドンドン」派の小沢さんは民主党では頼りになるのだろう。

▼検察をよく知る人によれば、秘書、現職議員が逮捕された段階で「小沢さんも逮捕する意志を示している」というのだが、巷間言われる金銭スキャンダルが本当なのかはわからない。ただ、ハト派とタカ派のコンビにひびが入る。厳密に言えば、小沢さんは同じタカ派でも、政治地図を変える―自民解体策でタカ派なのだが、その力が着実に弱まるだろう。

▼ここで鳩山さんにハト派が一層輝くわけだが、危機の時代に戦争をストップしたり、外交交渉でタカ派ができなかった成果を挙げることだ。その試金石が沖縄の普天間米軍基地問題であり、朝鮮半島情勢だ。さてハト派が成果を生むか。
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 金曜インタビュー 韓国の作家李浩哲(イホチョル)さんに聞く 下

2010年01月22日 11時57分29秒 | Weblog
 詩人高銀さんとともに韓国文学者で有名な李浩哲さんのインタビュー(です。

   ――先生は若いときから文学に親しまれたのですか。
李浩哲さん そうです。中学1、2年の時は解放直後です。本などありませんでしたが、新潮社の世界文学全集をすべて読みました。次いでロシア文学に親しみました。

   ――最も影響されている作家は誰でしょうか。
李浩哲さん チエホフですね。それからゴーリキーです。ドストエフスキーもいい。思想関係では最近はヴィドゲンシュタインを読んでいます。日本関連では『世界』と『中央公論』を30年間読んできました。国際問題の編集をしていましたから。毎日、朝日新聞も読んできました。ですから丸山真男、加藤周一、上原専禄、坂本義和、森嶋通夫など日本の論者はよく知っていますよ。ソウルで集会があり、加藤周一、坂本義和、森嶋通夫各氏と出会いましたよ。加藤周一さんは亡くなりましたか。朝日新聞の夕刊に連載を書いておられましたね。残念なことです。

   ――表現者は詩の場合もあれば、評論もある。小説もある。先生はなぜ小説を選ばれたのですか。
李浩哲さん 運命ですよ。書けるという自身がなぜかありました。日本語教育をやられた時代ですが、私は姉に朝鮮語を教えてもらいました。ですから朝鮮語の読み書きができないということはなく、解放後も不自由なくできました。

   ――先生は朝鮮戦争で国連軍につかまり自ら意図せず南に来られた、越南されたわけですね。
李浩哲さん 1950年12月9日ですよ。釜山に船に乗せられて来ましたよ。でっかいトラックの荷台に乗せられて慶尚南道を連行されるのですが、道すがら出会う人はポカーンと私たちを見ています。北では見たことがない光景でした。
 南に来たときは、避難してきただけで1週間くらいで帰れると思っていました。それが60年たちましたよ。北の体制で5年間生きたのですが、現実を生きたことは作家として大きい。運命かもしれませんが、人間は運命を切り開かないといけない。運命として諦めてはならない。

   ―― 日本の作家についてはどうでしょうか。
李浩哲さん 安岡章太郎さんが高齢ですが、老いてもいい作品を書いていますね。明治以降でいいますと、夏目漱石、徳田秋声、横光利一、川端康成ですね。翻訳はたくさんしました。谷崎潤一郎、大江健三郎など多くいます。日本に来ると金時鐘さんと会いますね。今回お会いして顔色もよく元気でした。私より3歳先輩です。
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ハト派とタカ派

2010年01月19日 00時45分25秒 | Weblog
 ハト派とタカ派についての正直な感想。

 ハト派である鳩山さんはもたもたして頼りなく見える。ところがタカ派の人は大衆をひきつける力をもつ。ここのとこが実に危険なのだ。

 橋下さんはどう見てもハト派ではないが、どんどん突き進む政治手腕は大衆をひきつけている。危機の時代にはそういう「もたもた派」よりタカ派的な政治家が人気を博す。小泉さんもそうだった。

 「もたもた派」がそれでは大衆にアピールするのは、危機のの時代に戦争をストップしたり、外交交渉でタカ派ができなかった成果を挙げることだ。

 その試金石が沖縄の普天間米軍基地問題であり、朝鮮半島情勢だ。それだけに期待するのが。だから私は世論調査のように支持率の下落はそうない。政権交代で簡単にダメの烙印を押すわけにはゆかない。
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日曜新聞読書欄簡単レビュー

2010年01月17日 11時24分56秒 | Weblog
本日は琉球新報、毎日、日経、産経の4紙からとりあげる。沖縄の新聞の読書欄は随分紹介してから日がたつ。今日は11日日曜日の琉球新報の2冊をまずとりあげる。屋嘉比収『沖縄戦、米軍占領史を学びなおすー記憶をいかに継承するか』(世織書房、3990円)は、評者崔真碩が冒頭に書いているように、「非体験者としての位置を自覚しながら、沖縄戦の当事者性をいかに獲得していくことができるか」がテーマ。その方法を評者は「非体験者である戦後世代は、体験者にはなりえないが、体験者との共同作業を積み重ねることで当事者性を獲得することが可能だと。・・・体験者と地道に共同作業し続けてきた歩みからくるものだろう。記憶を『継承』することを『学びなおす』ことと翻訳する著者の態度にある」。核心の書評は「ガマの中に著者の立ち位置があるのではないか」との指摘だ。その立ち位置は植民地支配の問題、戦争犯罪の問題での歴史の事実に謙虚である中で学ばれるものであり、あらゆる継承問題の中心にある。この本はそういう意味では沖縄戦の記憶の継承だけではない広がりをもつ。

 北村毅『死者たちの戦後誌』(お茶の水書房)は、戦後の沖縄と日本の関係史を戦死者をめぐり論じた本だ。本書の中心は摩文仁を各県の慰霊塔が立ち並ぶ丘の姿に平和の礎を対象化して、靖国思想に抗する「沖縄のこころ」を打ち出すところにある。その展開はかならずや「国家のために」の思想が打ち砕かれ「平和のために」が位置をえていく姿を浮き彫りにしていくものと思われる。評者川満昭広。
 

 デイヴィド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』上・下(文芸春秋、各1995円)ー毎日ーは、アメリカ史では「忘れられた戦争」ともいわれる朝鮮戦争の指導者を描いた作品だ。第2次世界大戦は国民一致団結で戦われた戦争だった史、ベトナム戦争は国を二分した戦争だった。しかし朝鮮戦争は引き分ける戦争だったと、評者の白石隆はまとめる。そしてこの本で描かれる指導者のバラバラな実態である。ワシントンと東京では戦争目的も一致していなかった。だから中国の介入を姉居た鴨緑江までの北上作戦を犯してしまった。「ママの子」であるD・マッカーサーは手柄を自分をものとするし、「愛すべきファシスト」と呼んだ部下や、参謀長なども丁寧に描かれている。著者はジョンソン時代のベトナム戦争を描いた『ベスト&プライテスト』3巻の著者。

 朝鮮半島関連ではアンドレイ・ランコフ『民衆の北朝鮮』(花伝社、2520円)ー産経ーがある。著者はソ連時代に北朝鮮に留学したロシア人。20歳代だった著者は北朝鮮でみたものはソ連の旧規格だったという。大同江畔の彫刻、『労働新聞』、食堂のサラダにかけるマヨネーズの量までも。評者古田博司は「スナック菓子、車のデザイン、ビルの構造まで日本の規格である韓国と、これは一対を成す光景だろう」と書く。この評者は中国の歴史、文化にも詳しい著名な人だが、ここまで書くと朝鮮史の独自性を軽視した戦前の悪しき歴史観を底流に流れるのではないかと心配になる。それはともかく、統一後の朝鮮半島についてもこの書は書いている。本書とは関係ないが、現在情勢を付記。韓国が北崩壊後の対応を発表したことに北は激しくいま反発している。当然のことだ。その国がなくなることを想定している姿は体勢の違いを維持したまま統一するこれまでの南北の政治的合意とは異なるからだ。そうした現状認識を踏まえながら本書を読むことで朝鮮認識が厚みを増すだろう。

以前読んだことがある田川建三『批判的主体の形成』増補改定版が出た。洋泉者MC新書で、1780円。この本の特徴は厳しい批判精神だ。教団批判はいうの及ばず、学園紛争の総括などすさまじい内容だ。今回増補されたものは書評を読む限り分からないが、聖書を個人訳を続ける著者の主体の形成が生半可なものでないことがわかる。評者が紹介している「祈り」について引用する。「祈りとは神の不在を知りつつ、乗り越え不可能な現実をそれでも乗り越えたいとの意識表明であり、イエスの基盤は『辺境』ガラリア地方の抵抗意識だ」。弱者、強者の観点を乗り越えるとも説く。

 強烈な姜尚中批判をしているのが、東大の社会学者上野千鶴子だ。というのは姜批判のための本の紹介ではなく、彼の本3冊をあげた毎日の「この人・この3冊」のコナーである。3冊としてあげているのは、『オリエンタリズムの彼方へ』(岩波現代文庫、1155円)、『ナショナリズムの克服』(集英社新書、735円)、『悩む力』(714円、集英社新書)で、代表作を『オリエンタリズムの彼方』をあげる。最後に政治学者としての姜理論をまだ見せてもらっていないと書く。「名画の解説や紅白に出ている場合じゃないですって」と手厳しい。

 外山滋比古『忘却の整理学』(筑摩書房、1200円)ー日経ーは、ベストセラー『思考の整理学』続編。「忘れることの力」がテーマ。記憶ならコンピューターにかなわない。創造的な思考こそ人間的だと。試験では忘れたところが個性的なのだと説く。忘却が創造的行為なのだ。知的ダイエットして、すっきりした頭で物事を考えると効率がいいというわけだ。

 同じく日経では太田康夫『金融消滅』(日本経済新聞出版社、1900円)は、リーマン・ショック後に起きた再規制の意味を見いだす。ルール無視を改めて消費者やマクロ経済を考慮して新たな規制が必要というのが本書の主張(評者のまとめより)。昨年の9月のピッツバーグで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議はその転換点になったのだが、本書は金融規制をめぐる議論に一石を投じる。
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韓国の作家李浩哲(イ・ホチョル)さんに聞く 上

2010年01月15日 10時33分15秒 | Weblog
 韓国の作家で世界10ヶ国で紹介された『南のひと北のひと』(新潮社)などの作品で知られる李浩哲(イ・ホチョル)さんが来日した。大阪を中心として次回作の資料を収集することが大きな目的。最近作や近況など聞いた。

 -先生は今年で作家生活55年になられます。1955年の『脱郷』で朝鮮戦争の混乱する中で生きた人々の生活を描いたものでデビューされた。主たるテーマは南北問題ですね。
李先生 1955年から書き始めて今年で55年になります。おっしゃるとおり南北問題が主なテーマです。『南のひと北のひと』は新潮社から1999年に出し、昨年には『板門店』を作品社から出版しました。いずれも南北問題がテーマです。

 -『南のひと北のひと』は多くの国で出されましたが、日本ではいま手に入れるには古本市場しかありませんが。
李先生 日本、スペイン、フランス、ドイツ、ロシア、ポーランド、中国、メキシコ、ハンガリー、アメリカと10ヶ国ですね。昨年にはブラジルで「板門店」が出て、読書会に招かれて訪問しました。

 -先生は1932年北の元山で生まれ育たれ高校時代ですか、朝鮮戦争で人民軍として動員されたのですが国連軍の捕虜になる。それで越南された。1950年6月に朝鮮戦争が始まったのですが、その年の12月でした。以降、こうした招かざる離散を生きる中で作家活動がはじまる。
李先生 そうです。そうした中で小説を書いてきました。最近は韓国以外で住む同胞たちの生きてきた姿、過去を素材として、いまソウルに住む人が自分たちの未来をどうみていくのかを10作くらいの連作として書きたいと思っています。短編1作は発表しましたが、在日韓国人の姿も2-3作書きたいと思い、今回来日して資料を求めに来たわけです。

―連作の構成はどうなんでしょうか。
李先生 発表は1作は世に出ていますが、サハリン、中国の同胞についてすでに書いています。日本の同胞の生き方についての手記などないかと思い今回の来日になったわけです。ただ在日1世が直接書いた手記は意外と少ないものです。探すのに苦労しましたが、いくつかは入手しました。

 
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ストレートすぎまへんか

2010年01月13日 00時52分06秒 | Weblog
 こんなあつかましいことが公然と……。図書館から出てきたカップルのことだ。

 仕事が一段落して図書館に。時刻は夕暮れ。

 自動ドアーがあいたかと思うと、10代のカップルが出てきた。女性が前を歩き、その後を体をぴったりと寄せて青年が。カップルが1つの体のように重なり、ムカデ競争の2人組み版のように歩いてきた。

 ところが青年の両手が女性の両脇後方から伸びて、分厚いコートのうえから乳房をもむようなしぐさですれ違っていった。耳元でささやいている。「何か、食べへん」。

 何でも食べてくれ。こっちは、朝7時前から出て、大学で講義をして、午後4時前に印刷会社で20日納品の本の最終校正をして、へとへとや。お好きなように、何でも食べてください!

 ひと目もはばからず、たいしたもんや。

 とてもやが、私はそういうことはようしやん。だいたい恥ずかしくて、手をつなぐこともできひんのに、すごい進化や。

 若い人はたいしたもんや。ストレートな愛情表現ができて。

 カップルの残像がちらつき、なかなかお目当ての本がみつからない。図書館を出たときにはすっかり日が落ちて、冷たい雨がボソボソと落ちていた。
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中沢新一さんの数学研究

2010年01月09日 10時34分28秒 | Weblog
 中沢新一さんが語ったことで驚いたのは、思想的危機を乗り切るため京都学派の田邊元と格闘、数学を大学院レベルまでは達するほど学んだということだ。

 一神教と多神教の掛け橋が彼の大きなテーマらしいが、私は最初、中沢さんは軽く観ていた。本当にチベット佛教がわかっているのかとか、テーマがサブカルチャー的と感じたわけだが、サブカルチャーわからずして現代がわからない。

 世界共同体を説く柄谷行人さんの普遍性志向は、意外と重なるのかもしれない。ただ柄谷さんはマルクス主義について論及するが、中沢さんはウエートが軽い。宗教学者だからか。学者の家系らしいが、かなわんとも思う。

 かなわんと思うところが「燈篭の尾」なんとやらである。

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勉強不足

2010年01月07日 10時11分31秒 | Weblog
  中沢新一、東浩紀さんらの鼎談を読んだ。

 NHK出版の『思想地図』vo4の想像力 に収録されたものだ。唯物論からの新たな提起としての東さんが指摘する動物化などの概念や、認知心理学の論及をあげている。

 中沢さんは人間の行動は外的な要因により決定されている、とパブロフの条件反射などあげる。再評価する。

 西洋哲学のイデアと反イデアの葛藤が現代思想にもあるという証しなのだが、佛教も実に物理的、科学的発想で迫るから、唯物論的解読は、結局、人間中心主義からの脱却を志向することになる。

 中沢さんが言っているが、ドゥルーズはガタリと出会うことで危機を脱したという。その意味ではガタリが大きな存在ということか。ドゥルーズが河出新社文庫にあるとは知らなかった。勉強不足だ。

 勉強不足ということでは、若い修行僧とのわが身との対比だ。

 成田山の若い修行僧のことを最近知った。少年時代に寺に入り、大学で仏教を学び、卒業後長大な経典を毎日読み修行しているという。経典読経のお勤めでその意味がわかるのに10年かかるという。心身とも解るということを意味するが、それは心が体現した物理的存在になるということなのか。4年間勉強しただけで何もわからないはずだと、私の俗人ぶりに恥ずかしくなった。
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今年の目標は引くこと

2010年01月05日 10時47分10秒 | Weblog
 年末から偏頭痛がとれない。歳かもしれない。

 だいたい無茶な生活をしてきたから。その報いだろう。

 印刷代を稼ぐために本を持ち歩き、それがほぼ終われば遅れている2本の翻訳と単行本の編集を早朝からストーブの横でやる。これは30代くらいならいいが。

 ペースを落とすには絶好の機会だ。

 「としを考えろ」「年末は何回忘年会に出かけたか」と家族は指摘するが、グーの音も出ない。

 年々歳々人同ジカラズ というが、本人の肉体が同じではないことを自覚しないのが何よりも滑稽だ。

 今年の目標は、引くこと。借金を少しは引き負担をへらすこと、韓韓辞典を引くこと、自己負担の本づくりから身を徐々に引くこと……。



 

 
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ジャーナリスト・ネットでの年末の挨拶

2010年01月03日 19時12分48秒 | Weblog


ジャーナリスト・ネット・川瀬俊治


 政権交代が実現した今年もあと数時間で2010年に突入します。ジャーナリスト・ネットは今年で発信5年目を刻み、現代史の一面を映し出してきました。11月には開設以来100万人のアクセスを記録した年でもあります。ご愛読、アクセスを感謝いたします。
 民主党を中心とする連立政権誕生で一段と現実味が帯びてきたのは、在日外国人参政権問題であり、また民主党が2007年まで8回参議院で上程してきた日本軍性奴隷問題解決をめぐる特別法制定の動きです。後者は具体化の動きはまだみられませんが、法的解決をめぐる地方からの後押しは相次ぎ、地方議会での同解決を目指す意見書決議が相次いでいます。

  しかし、こうした時代の潮流は、一方で民族差別排外主義が顕著になる状況も生んでいます。本ネットの記事で、鄭容順さんの24日J-NETの記事に対するコメント欄でも見られました。在日コリアンが日本で生きる権利を排除、罵倒する意見が寄せられました。看過できるものではありません。民族差別排外主義で外国人の人権擁護、権益問題や、あるいは戦後積み残した日本軍性奴隷問題、遺骨返還問題、朝鮮民主主義人民共和国への国交正常化問題が解決するものではありません。こうしたコメントに対するわれわれの立場はすでに緊急声明「民族差別排外主義を糾す」を出しましたが、民族差別排外主義が生まれてくる「根っこ」を探りながら、問題点の解決を求める言論を今後も発信したいと思います。

 2008年のリーマンショック以降、格差社会はらに深刻化してきました。この時代こそ労働運動が活路を開く使命をもっていますが、本ネットはその鼓動をあまりにも伝えてこなかった反省があります。またネットとして総力取材して記事を生みだす努力も積み残しました。労働現場、市民運動の現場からの声、レポートを送ると同時に、総力取材した記事を送ることを2010年の大きな課題として、年末の挨拶としたいと思います。

2009年12月31日
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