ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

朝鮮戦争勃発から60年

2010年06月21日 23時32分42秒 | Weblog
朝鮮戦争勃発からこの25日で60年を迎える。日本のセンセーショナルなメディアはいまの朝鮮半島の危機をさも戦争勃発の危機のように報じるがとんでもないことだ。韓国市民は極めて冷静であり、戦争の悲劇を痛いほど知っているから、とてもそうした風評がおきることすらない。

韓国の社会学関係の学者に「日本では戦争の危機だと騒いでいる人がいるが」と質問したら、一笑にふされた。「怖いのは地震の方だ」と回答が返ってきた。今年に入り震度3クラスの地震が京畿道であり、地震になれない市民の驚きぶりには相当こちらも驚いた。

朝鮮戦争60年にかかわり犠牲者の遺骨の発掘についての広報がテレビで流れているが、戦争の危機をあおる報道など私が知る限り、朝鮮日報のような保守紙が哨戒艦沈没事件で北への対応の強化を論説している以外にない。

むしろ日本の週刊誌がひどい。テレビはあまり見ないから知らないが、核攻撃を受ける危険性など書く週刊誌まであらわれる始末だ。さすがに大手紙はそうした報道はしないものの、センセーショナルな報道で不安感をかりたてられる読者もいるに違いない。実に罪つくりなことだ。

1950年6月25日の戦争勃発は、韓国政府の避難勧告のごたごたで漢江河岸で逃げ惑う市民は多く犠牲になった。解放後の朝鮮半島の左右対立、北では戦争反対していた勢力も賛同した経緯がある。そして60年。

去る15日は南北共同宣言から10年目である。あの歴史的成果をソウル市内のグランドヒルトンホテルで開かれた学術会議で特別講演した姜万吉高麗大名誉教授は数千年同族として歴史を刻んだ民族が朝鮮戦争で半世紀敵対した関係から再び同族として会った6・15宣言の歴史的意義永遠に記憶されるとその意義を見出す発表をした。さらにベトナム、ドイツの統一ではない韓半島式統一の視点となったとの意義を見出す見解も示した。

同じ会議ではムン・チョンミン延世大学教授は6・15宣言を冷戦構造を越えて新たなパラダイスを設定した歴史的出来事だとしたほか、チョン・ヒョンベク成均館大学教授は6・15宣言がもらたした南北間の交流の多様性をあげた。

こうした学者の論など日本に紹介されるわけではなく、軽薄な週刊誌が「暇つぶし」の話題に戦争の危機をあおる品のなさに本当になさなく思う。冷静に朝鮮半島の動きをみて、平和憲法をもつ日本が何ができるかを考えねばならないし、行動の道を探らねばならない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする