あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

黒崎博監督の「セカンドヴァージン」を見て

2012-11-10 09:21:28 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.342

最初の結婚に破れてからは猛烈なキャリアウーマンとなったヒロインが、ある日突然年下のイケメンにメロメロになりいろいろ苦労するが、それでも我が人生に悔いなしと総括する、昔からよくあったお話。

主人公の鈴木京香はだいぶ肥って興ざめだが、仕事と恋の二兎を追う熟女を体当たりで熱演している。が、お相手のなんとかいう男子の魅力と存在感が皆無なので、せっかくマレーシアまで海外ロケを敢行したというのに一世一代のラブロマンスが空回りして、むなしく「セカンドヴァージン」なるいっときの流行語だけが残った。

おまけに倖田来未の主題歌も酷いものであり、深田恭子選手の立ち居振る舞いも、到底演技と呼べる代物ではない。ゆいいつ賞賛に値するのは笠松則通のキャメラが捕えた異国の美しい風物であろう。

もともとこれはNHKの連続ドラマを映画にしたということだが、思うにその続編ではなく、その総集編を映画にしたほうが良かったのではないだろうか。観終わってこれほどあほらしい気持ちになる映画も珍しい。



豚の如く醜く肥りし人たちが現れ出る度テレビ消すなり 蝶人

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