katsura's note

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手を合わせる

2009年11月10日 | Weblog
実家に戻ってくるといつも、真っ先に仏間に向かい、父に帰省の報告をするのが習慣化しています。

仏間にはお仏壇の他にお葬式で使った大きな写真が父の存在感を感じさせられます。

お線香をあげ、手を合わせて、福岡に不在だった間の報告をするのですが、自然と父の言葉や口癖が聞こえてくるようです。

今回はオランダ行きを報告。きっと父も喜んだに違いないと思います。

そうそう、今回のオランダ行き、実は私にとっては偶然が重なったかのように思えることがあります。

それは時期や場所もそう。

私が母のお腹にいた頃、父はまだサラリーマンでロサンゼルス赴任を言い渡されて、母がすごく動揺した(英語の壁もありますし…)そうです。

ちょうどその頃、祖父が脳卒中で倒れ、長男だった父は年の離れた兄弟もいたので赴任を断り、茨城の赴任先から逆に九州に戻してもらったので、私は帰国子女にならなかったと言う経緯があります。

私の中高時代はやたらとアメリカかぶれしていて、英語が好きだったのもあり、留学してみたいと思っていた程だったので、その頃は父が赴任を断らず、帰国子女だったら良かったのに…なんて思ったこともありました(私の場合、海外赴任中に子供ができたら、子供は帰国子女になりますね)。

短大に入り、留学の夢を忘れられず、父に何度も何度もお願いしたけれどその度に却下。偏頭痛で入院する程のことも経験している私故、発作が起きたときかけつけられないと言うのが大きな理由だったようです。

そんな折、父が言っていたのが「何かあった時すぐにかけつけられんやろうが!誰か俺の代わりにかけつけてくれるような信頼できる知った人がおる国やったら分かるけどな。」と。そして、「オランダやったらいいぞ、あそこなら俺の代わりにアメリカにいった山口がおるけん、山口の家から学校通えばいい。どうだ、オランダにせんか?」と付け加えるのです。

私が行きたい国はアメリカやイギリス等の英語圏なのに、オランダなんて全然違うやん!…と思っていた私。

されど、そのオランダに夫の赴任が決まるなんて本当に不思議です。

また、九州人にとって長崎にあるハウステンボスのおかげか、とてもオランダは身近な感じがするし、私が長いことアルバイトした喫茶店もオランダをモチーフにしたお店で、食器も異国情緒あふれるものが多く、VOC(オランダ東インド会社)のロゴも何気なくよく目にしていたものです。

これまで、父が海外に行くことを反対するからこそ、その反動で海外に行けるようになってからは羽のはえた鳥のように海外を旅行させてもらった私。されど、オランダは飛行機のトランジットで何度も使っていたけれど、地に足をつけたことはなし。なので、ある意味先入観なく、新鮮な気持ちで行けそうな気がします。

思えば、父に対する反発がなかったら、ここまで(いろいろなところに出向く)バイタリティーはなかっただろうなと思うと、父が娘可愛さになまはんかに迎合して賛成することよりもずっと多くのことを学ばせてもらった気がします。
(どうやって相手を説得する/納得させるかということを一番最初に教わったのは家の中だったんだなと実感。しかも社会人になる前にね…)

仏壇の前に座り、手を合わせることで、実際に父と向き合っている自分を通して、いろいろ感慨深げに考え込んでしまいました。

父の存在はいつになっても大きなものです。

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