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育成・下部組織について61

2023-09-27 00:01:33 | サッカー(J3以下・外国・他カテゴリ)

 リスペクトコラムです。
 最近、FOOT×BRAINからのリスペクト記事がまた増えてきました。今年サッカー女子W杯があり、開催前の心配をよそに部類の強さを発揮して、世界を驚かせたなでしこジャパン。そのW杯の後にFOOT×BRAINで、女子サッカーの特集がありました。この日のブレインは、元なでしこジャパン(2011W杯優勝、準決勝で2得点)メンバーで、WEリーグ新潟所属の川澄奈穂美さんでした。2014-23シーズンをアメリカでプレーし、日本人初の100試合以上に出場した存在。そんな川澄さんと、なでしこジャパンの強化につながる、アメリカの女子サッカー事情でした。
   
【FOOT×BRAIN×女子W杯ベスト8×原石の育成】
 海外組は23人中9選手(熊谷・清水・南・長谷川・杉田・林・長野・遠藤・浜野)。女子サッカー界に新たな育成の波が。そのキーワードは「アメリカ」。アメリカ代表はW杯ベスト16だったが、過去2大会で2連覇した元女王。リーグ戦観客動員数(2021-22)はアメリカが世界1位で約5,000人。
     
〔アメリカ留学×高校生世代〕
〔アメリカの大学サッカー〕
 アメリカには世界が注目。W杯に出場した国のうち、実に18か国の選手が所属。なぜ世界中からそこまで集まるのか。その要因の1つが大学サッカー。現在フロリダ州立大4年でプレーする、U-17日本代表経験がある岩井蘭選手。
岩井(岩):アメリカのサッカーのシステムとして、(高卒で)クラブチームという選択肢は無い。大学で競争して競り上がった人達がプロになるという育成としての4年間がハッキリしている。アメリカでは大学を経由してプロになるのが主流になっている。そこで生まれた独自の育成システムが、女子サッカーを活性化させている。大体、代表選手になる人他達は、ドラフトの門をくぐって、そこで生活をスタートさせるのが大体のアメリカのクラブへの道すじになる。

 その育成システムとは「大卒ドラフト」。大学に所属していれば国籍を問わず、クラブが指名・契約できる制度。その結果、大学リーグとは思えない驚きの現象が生まれている。

岩:自分達がいるチーム(大学)から3~4人、次のW杯のメンバーに選ばれている。U-23のアメリカ代表だったり、スウェーデン、ポルトガル、イングランドなど、ほとんどの選手が自分の国で代表選手をやっている選手が集まってきている。毎日が刺激的であり、こんな環境で世界中の選手達とプレーできて、アメリカに来て良かったと感じる日が多い。

 実際今回のW杯では、各国の代表にアメリカの大学に所属する20人が選出。そのレベルの高さからアメリカの大学サッカーはまさに世界のスター育成機関になっている。
   
〔世界の若きスター×アメリカ留学〕
 若くして世界のプレーヤーと戦えるアメリカへのサッカー留学。実は今その波が日本にも押し寄せている。神奈川県のとある施設に、全国から10代を中心とした若く才能あふれる世代が集結。そこに名門サンタクララ大学(2021年全米サッカー選手権優勝)の監督が登場。はるばる日本人選手をスカウトしに来日。この日のトライアウトに参加したのは高校のサッカー部や、WEリーグ日テレベレーザの下部組織など約30名の選手。それだけの選手がアメリカへのサッカー留学を希望する理由は、「フィジカルの強さ」「ジムなどの施設も整っている」「サッカーも勉強もできる。セカンドキャリアを考えたらアメリカの方が良い」など。
 
 ミーティング後、選手達はウォーミングアップを行い、トライアウトへ参加。即席チームで実戦形式のトライアウト。チームを作り、3試合ずつ行うゲーム形式でのテスト。そこでのプレーが評価となる。ではアメリカのチームは日本人選手をスカウトして求めるものは、「スキルが高く、ボールの扱いが上手い選手を探している。ボールを丁寧に扱う選手は大学で重宝される。そして日本人選手のサッカーへの情熱が素晴らしい」と。
     
 スカウトの目に留まったのは日体大3年生/元日テレ・メニーナの原田えな選手。テクニック、スタミナ、判断力の高さを見せつけた。トライアウトが終了し、監督は「直接連絡を取りたいと思った選手は3人。1人は事前に知っていたが、興味深い選手がさらに2人見つかった。我々は守備力ではなく、攻撃力を勝負としている。攻撃こそ最高の防御と考えている。日本人選手は戦術理解度が高いので、我々の哲学の実現の手助けをしてくれる」とコメント。
 「アメリカ代表にならない日本人を育成するメリットは?」という問いに「私たちはメキシコ、アメリカ、カナダの代表を輩出している。各国の代表で活躍できるように、持ち味を活かして育成している。国など関係なく、日本人選手の育成の手助けをしたい」と回答。国境を超えた充実した育成が、日本の女子サッカーを更に強くするかもしれない。
    
 1972年に、男女の育成格差を無くすための制度「タイトルナイン」が成立。男子同様に充実した設備や奨学金制度が女子サッカー選手にも適用され、練習環境が整った。そのため最近ではWEリーグから欧州へ行く選手も増えたが、アメリカの大学を経由してステップアップするケース(黒崎優香選手)も。アメリカの大学が世界のトップを目指す選択肢の一つになっている。

 という内容でした。W杯選手で海外組は23人中9選手という事ですが、男子A代表と比べたら全然少ない。個人的には欧州へ行くが多いので、もっとアメリカに行って欲しい。なでしこジャパンの黄金時代、澤さんや宮間さんが行ったのはアメリカだからと思っています。今回の情報ではWEリーグを経由せず、高校卒業後そのまま大学サッカーに行っている事例がありますが、これってバスケと同じ構図になってきています。これが不思議と男子ではそういう傾向はほとんど聞かない。
 女子サッカーはアメリカの大学、そのままプロクラブにドラフトで入団するのが、世界のトレンドとして認知され、世界のスター育成機関になっているとありました。今、強くなるためにはそうするしかないのかな。「サッカーも勉強もできる。セカンドキャリアを考えたらアメリカの方が良い」という声も面白い。
 「タイトルナイン」という制度が出ました。番組で川澄さんが「アメリカはまず環境を整えてから強くする」というコメントがありましたが、ドイツでも「ゴールデンプラン」という国の施策がありました。やはり何か環境改善で国策が要るのかもしれません。日本でもここ最近、スポーツ庁を中心に政策を取られていますが、先進国をリスペクトした新しい政策が必要なのかもしれません。
#がんばろう日本

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