8日月曜日の山陽新聞の特集欄で「地域再生Ⅱ 求心力を生かす」で、とても読み応えのある記事が登場しました。地域活性化のテーマでJ2岐阜と商店街の記事でした。どちらも当ブログでよく出てくる話題です。特にスポーツと商店街は「第4の極」と呼んでいる重要なパーツです。岡山では目立ちませんが。岐阜さんの植林Tシャツの話題はそのうちに紹介しようとおもっていました。以下、抜粋して紹介
「Jクラブ存続へ結束 岐阜県」(岐阜新聞社より)
10月の日曜日に県内高校で、J2岐阜が続ける植樹活動。苗木を植える生徒に、きさくに選手が声をかける。県や県森林公社等と協力し、オリジナルTシャツを販売。代金の一部を植樹に充てる独自の取り組み。「県民のシンボルになりたい。地域の皆さんと一緒に育っていきたい」と今西社長は地域とのつながりを強調。
J2岐阜は昨シーズンに存続危機を迎えた。累積赤字が約3億円を数え、債務超過になった。Jリーグからの融資5千万円の返済期限も迫っていました。「このままでは、秋頃に資金が底をつく」と今西社長は窮状を公表し、大々的に集客キャンペーンを実施。選手全員が街に出て、チラシを配布。最も力を入れたのは地域貢献活動。すぐ隣の愛知県にJ1名古屋と中日ドラゴンズがあり、ファン・サポーターが岐阜にも多い。岐阜のサッカーを応援してもらうためにどうするかが、J2岐阜の原点。
昨シーズンでJリーグ全36クラブの中で最も多い186回、計1,489時間の地域貢献活動を実施。(ちなみにワースト5をぜひ知りたいものです)。サッカー教室やトークショー、町の小さな祭りにも選手を派遣。
スタジアムの空気が変わり始めたのは夏頃。若者から高齢者まで幅広い世代が来場するようになり、会場に一体感が生まれてきました。観客動員の伸びに押されるように、スポンサー企業も徐々に増加。ついにJリーグからの借入金を完済しました。「FC岐阜の存続には地域の支えが必要。スポーツを通じ、地域主体のまちづくりを進めていければうれしい」と今西社長のコメント。J2岐阜は今年、3年以内にJ1へ昇格する目標を立てたそうです。'12年にはぎふ国体があり、スポーツ文化の振興が大いに期待できるようです。
この記事を読んで思うに、いくら観客動員が多くてもスポンサー収入が思うように増えないクラブがあるとしたら、それは地域に根が張れていないからではないでしょうか。と個人的に思います。不景気だからというのは言い訳かもしれません。
つまり、見てくれが良くても根が張れていない木は、ちょっとした事で簡単に倒れてしまうと当ブログでよく言う表現に相当するかもしれません。岐阜さんは幹は太くないが、着実に根が張れている木だから、スポンサーが増えて、借金が返せて、木が倒れなかったという事ですか。
そして、本当に何度も言う話ですが、選手が街に出る社会貢献活動は、J2の専売特許ではありません。実はJ1も全然やっています。幼稚園で絵本を朗読するJ1川崎など、メジャークラブの有名選手も全然やっている事なのです。そういう中で、J2でそれほどチームも選手もそれほど知名度がないのに、後回しにするクラブを目にします。
J's GOAL該当ページ:http://www.jsgoal.jp/official/00108000/00108380.html
「『シンボル』を原動力に 求められる意識改革」(共同通信社)
地域に根を下ろした商店街やプロスポーツは、コミュニティーの中核的な役割を果たす「シンボル」になり得る。今、全国の商店街は減少が続き、商店街の消失は経済面だけではなく、住民の交流など暮らしを支える「場」の崩壊につながる。商店街の活性化にはリーダーが必要で、経営などソフト面の拡充が必要とされています。
国内のプロスポーツチームは、40都道府県で90を超える。うち、サッカーチームは本拠地を各地に分散させ、地域密着の方針で進める。日本経済研究所の傍士専務理事は、サッカーチームの存在が「地域力を向上する新たな手段」と分析し、Jリーグチームが特定の市町村に本拠地を決めると、住民とチーム両方に「地域クラブ」の意識が芽生え、支援しようとする求心力が育つと指摘。
商店街やスポーツの支援は、ハコモノ頼りだった従来型の発想から転換が必要で、地域を自立した成長に導けるかどうか。国も地方も意識改革が求められているとしています。
記事では直接スポーツと商店街がつながっている表現はされていませんが、実は密接につながっています。当ブログでかなり昔から「第4の極」として、重要視しています。協賛店制度も今までよく取り上げてきました。まあ、こちらをご覧ください。
協賛店制度関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090705
J2岐阜に関しての記事を紹介しました。今回の山陽新聞さんの記事はメッセージ性があるのかなと思ってみたり。気のせいかもしれませんが。J2岐阜と商店街という2つのキーワードが同居した記事というのは本当に目を張りました。当ブログを読んだのかなともちょっと思ったり。読んでいるかも。
実は今西氏は当時吉備国大におられたこともあって、当ブログのかなり以前('05年頃)に、岡山に役員として来ていただきたい人材として紹介していました。今は・・・岐阜さんが離さないでしょうねぇ・・・意識改革の話が出ていましたが、国や地方だけでなく、本当に意識改革、価値観の洗い直しが必要な存在は、もっと違うところ、近くにおられるのかもしれません。
FC岐阜地域貢献活動関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100828