ちょこちゃんの冬
今年は断熱工事をしたので、コンテナ内はストーブが効くようになった。
おかげで、早朝30分間、毎夕3時間、石油ストーブをつけるようになった。昨年は、ストーブが効かないので、燃料の無駄と気付き、屋内気温-3℃の中、暖房なしで越冬した。それを思うと、今は極楽、極楽。
さて、病気がちのちょこちゃんを中庭から室内に入れたのが、たしか12月1日。
ウサギは暑さには弱いものの寒さには強いとのことだったので、囲炉裏茶屋でも屋外倉庫で飼い、こちらに来てからも中庭で放し飼いにしていた。昨年は、-10℃でもぴんぴんしていた。
けれども、夏の暑さにちょこちゃんはやられてしまった。
今から思えば、中庭がいくら風の通りのいいところとはいえ、コンテナの鉄の照り返しと日陰なしは、老体に応えたのだろう、何も食べなくなってしまった。そこで、昼間は玄関デッキの最も風通しのよい所に小屋を置き、夜はコンテナ内に入れて獣から守ることにした。毎日、朝と夜に大きな籠を移動させるのはしんどかった。
おまけに、一度体調を壊すと、10日間は毎日下の病院へ点滴をしに連れて行かねばならない。仕事からいったん帰宅してから、ちょこを連れて再度下に降りる。二度目の帰宅は深夜になる。餌はみじん切りにしたものをすり鉢でさらに細かくする。それを注射器で口に流し込んで強制給餌。そういったことを6月以降何度も繰り返してきた。12月も中旬まで体調不良で、このままチョコちゃんは、新年を迎えずに死んでしまうのかもしれないと思っていた。
樫田の冬は厳しい。今冬の最低気温は-11度。今も零下が続いている。
老体保護のため、屋内で冬を過ごしたちょこちゃんは、うさぎ小屋の扉を開けてやると、大急ぎでストーブのところへ走ってきて、しばらく毛づくろいをした後、いきなりコテンと横になってくつろぐのが常であった。
今、菜の花が咲き始め、ちょこちゃんは春を迎えようとしている。
初め、死んだのかと思ってびっくりした。完璧にストーブの前が自分の場所と決め込んでいるようで、ウサギ小屋に私が近づくと、金網を鼻でガチャガチャ突付きまくり、出してくれとせがむようになった。扉を開けると、ストーブの前に直行する。