定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

曖昧な年齢を描く

2020年06月29日 19時06分00秒 | 日記
はちどり(2018 韓・米)

パラサイトと並んで傑作との評価を持つ。舞台は1994年、ソウルのソンス大橋が崩落した年、韓国は高度成長の途上にいた。中学2年の主人公ウニはいつもイエローのベネトンのデイバッグを背負っている。3人兄妹の姉はジャンスポのリュック、兄はソウル大学合格に望みが繋げるような高校に入るよう、父親から常にプレッシャーをかけられている。
両親は餅(トック?)屋。母は兄の自死ののち、抜け殻のように。父は母の目を盗んで浮気。姉は家庭の空虚さを感じつつ遊びまくり、兄は勉強ストレスのはけ口とばかり主人公に暴力を振るう。
中2ウニは恋愛のほかに、一通りの悪さもする。別の中学の親友と漢文塾(書道塾?)にも通う。
そんな時、塾教師としてやってきたミステリアスな女性(ソウル大生)と出会い、人生の道標を学ぶことになるのだが...。
1994年は、韓国にとって混沌とした年。北の金日成が没した年でもある。
韓国映画界は女性監督たちの台頭らしい。本作もアラフォーであるキム・ボラ監督の私小説的な色を持つ。
人生最初の試練といえる高校受験に直面しているわけではなく、高2のように進路選択を迫られてはいない中学2年生。ふわふわと揺れているばかりでない微妙な年齢を、キメ細く描いているところ、印象的な作品である。
(クドクドと長い日記、反省)