絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2016年11月20日(日)絵本レベルアップコース・高科正信先生の授業内容

2016-11-21 18:21:34 | 絵本研究科
絵本レベルアップコースは児童文学作家の高科正信先生です。
本日のテーマは「あそぶ絵本」です。こちらは2回に渡って学んでいきます。
1回目の今日は、「あそぶ絵本」の「言葉」について見ていきましょう。

まず始めに、長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』を読み聞かせしていただきました。
言葉は「でました」の繰り返しのみです。

続いて同じく長さんの『ごろごろにゃーん』です。
こちらも「ごろごろにゃーん」の繰り返しです。

絵本はめくるもの。戻りながら進むことが出来ます。
言葉の繰り返しやリズムが子どもは大好きです。

子どもは、お気に入りの絵本の言葉を一字一句覚えていて、
全部知っているはずなのに何度も読んでとせがむのはなぜか。

大好きな両親やおじいちゃん、おばあちゃんの膝の上で読んでもらう時間。
言葉の心地良い響き。丸ごと許容される安心感。その全て入っているのが絵本です。



<紹介された絵本>
『ふりむけばねこ』作・絵 井上洋介 架空社
『まがればまがりみち』作 井上洋介 福音館書店
『きゅうりさんあぶないよ』作絵 スズキコージ 福音館書店
『はんぶんタヌキ』作 長新太 こぐま社
『これはのみのぴこ』作 谷川俊太郎/絵 和田誠 サンリード
『おだんごぱん』ロシア民話/訳 瀬田貞二/絵 井上洋介(普及版こどものとも)
『そんなことってある?』分 奥田継夫/絵 西村繁男 サンリード


『これはのみのぴこ』は、句読点がないので、息継ぎせずに読み聞かせするのが正解です。
読むのが大変そうな大人を見て子どもが面白がります。
このような言葉を積み上げることを、積み上げ歌と言います。
マザーグースからヒントを得て、谷川俊太郎さんが作られました。
昔、マザーグースの翻訳は北原白秋お一人がされていたそうです。
口語体で、段々時代にそぐわなくなってきたため、谷川俊太郎さんに依頼が来て
そこでマザーグースの積み上げ歌を知ったそうです。
最近では、tuperatuperaさんと谷川さんのお二人での新刊『これはすいへいせん』が出ています。

実は大人も繰り返しが好きです。
例えばテレビの「遠山の金さん」や「男はつらいよ」シリーズが人気です。
流れはわかっているのに何度も見てしまう。
大人も繰り返しは安心するのですね。



後半に、言葉遊びをしました。
◎アナグラム
名前を全部ひらがなにして、入れ替えて別の言葉にします。
(例)明石家さんま→あかしやさんま→あまやかしさん
皆さんも自分の名前でやってみました。意外と難しいです。

◎アクロスティック
各行の始めの文字をつなげるとある語になるような詩。日本では「折り句」とも言います。
(例)新聞のテレビ欄に文字の頭がタテに並んで言葉になっている時があります。
これは平安時代の伊勢物語の中の恋歌などに使われています。

◎回文
これはご存知の方も多いですね。下から読んでも意味の通じる言葉になっています。
(例)ちんぱんじぃからかいじんぱんち←これを考えた方すごいですね!
以上です。
たくさんの言葉を知っておくことがポイントです。日本語ならではの面白いところです。
このように言葉のリズムを使えるようになると、絵本の文章にも活かせます。

次回12/4は「あそぶ絵本」の「絵」についてです。
よろしくお願いします。

高科先生の課題の締切は11月末に先生のご自宅へ郵送することになっています。
課題は大変かもしれませんが、やった分、自分にも返ってきますので、出来るだけ仕上げるように励んで下さい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年11月20日(日)絵本ゆっくりコース・WAKKUN先生の授業内容

2016-11-21 17:32:59 | 絵本ゆっくり塾
WAKKUN先生の3回目は、90×90センチの和紙に、墨で絵を描きました。

描く前に少しお話です。
先生が最近観られたお薦めの映画『シーモアさんと大人のための人生入門』です。
これはものを作る人皆にぜひ観てほしい、と話されていました。



そして、まずはWAKKUN先生がお手本で描いて見せて下さいました。
瞬く間に一枚の作品が出来上がりました。
これは「ウレシパモシリ」といってアイヌ語で、「互いに助け合う世界」の意味です。
地球上にいる皆、何もかもが、お互いに育て合い生きている。という素敵な言葉です。



生徒さん達も描いていきます。
最初の一筆を下ろすまでが、なかなか勇気が入ります。
でも、描き始めると意外とすいすい描けるのが不思議です。
1メートル近い大きな紙に絵を描くこと、墨で描くことも、何年ぶりでしょう。



完成したら発表します。



日々感じたことを、絵と言葉で思い思いに表現されていました。
自然をテーマに描かれた方も多かったです。空を見てホッとしたり、海の波音に癒されたりしますね。
特に自然は人の心と会話していることが多いようです。

また、自分がそこに行けば安らげる、元気になれる、そういう場所は沢山作っておくと良いそうです。
先生は、近くの神戸にある山がその場所だそうです。

生徒さん達の作品です。






皆さんが日頃感じていることを垣間見ることが出来て、胸がいっぱいになりました。

先生は、
まず自分の気持ちを見つけることが始まり。そこからどうしていくか考える。
先生ご自身も、自分の中で腑に落ちたこと、確かなことを頼りに表現されているのだそうです。
今日の授業は、一番最初の一番大切なところです。
ここをきっかけに表現を広げていきましょう。

次回は12/11に、細長い紙に墨で絵を描きます。
お楽しみに!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年11月19日(土)イラストじっくりコース・安齋肇先生の授業内容

2016-11-21 16:14:49 | イラストじっくり塾
本日は、安齋肇先生の二回目です。
前回の課題「自分の部屋に飾りたい絵」の講評です。

絵を見せる時に、見る人の心をゆさぶることができるか。喜ばせられるか。
それは相手を思って行動を起こすことと同じ。それが出来ればきっと何にでも対応できるはず。
今回は、服装などの演出も含めて、自由にプレゼンテーションして頂きました。

最初の方は手刺繍の作品を披露。一同「おぉーっ」と感嘆の声がわき起こりました。
安齋先生も「すごいね!」とびっくり。
刺繍以外にもいろんな手法で制作されていたので、そこで急遽、どの作品が良いか皆の多数決をとる場面もありました。



その後も、渾身の作品が続きました。




小さい作品を色や模様を変化させて描かれている方もいました。
数をどんどん描いていくと良いよ、と安齋先生。
100位描くと何かが見えてくるとのこと。基準が出来て、善し悪しがわかってくるのだそうです。




・模写について。
…その作家の◎◎まで写し取ること。なぜ実物はちがうのか。なぜ説得力があるのか。

・絵は完成させておくと良い。
…もっとこうしたかったと思うなら完成させておく。完成させて前へ進んで行ける。

・美しいと思う形やシルエットについて。
…見て覚えておき、描きたい時に描けるようにしておく。

・色の再現は難しい。
…実際の色の方が絶対に美しいはず。勝てない。でも、自分なりに見た何かを入れて描く。

・どうやって相手に伝わるかを描く。
…伝わらないと意味がない。見た人がわかるように描く。

また、自分の殻を破るには…というお話も大変興味深かったです。
次々出てくるお話に、笑ったり、深く頷いたり、じっくり考えてみたいと思ったり
2時間は瞬く間に過ぎていきました。

生徒さん作品です。人物をデフォルメしたもの、リトグラフ、コラージュ、絵本の模写などとっても見応えありました!




安齋先生の最後の3/11に完成作品を発表することを見据えて、
次回1/28は、その前段階の、作品をプレゼンテーションして下さい。
テーマは「自分の描きたい絵」です。
よろしくお願いします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年11月19日(土)デッサン基礎クラス・タケウマ先生の授業内容

2016-11-21 15:42:48 | デッサンクラス
二回目のデッサン基礎クラスは
前回に引き続き「人物」を、今回は「色」を使って描きました。

色を使うことにあまり慣れていない場合は、最初は見たままの色を塗ると良いです。
そしてあまり混色しないことです。

塗り分け方法は、二つあります。
・色を輪郭線で描く(もしくはクロスハッチで)
・面で描く



ポイントは、正確性は求めず、構造は理解できているようにとのことです。
さぁ、実際に描いていきます。

今回も生徒さん同士でモデルになり合います。
最初は一人10分。
描く10分はあっという間ですが、モデルの10分はなかなか長いです。足がプルプルしてくることもあります。





その後、今日まだ出番のなかった色を組み合わせて描く、
そして自分の好きな色の組み合わせで描くということを、色数を3本に絞ってやりました。
こちらは5分で仕上げます。早いです。

2,3色で描くと意外と描けることに気が付くのではないでしょうか。
実際と違う色に置き換えて描いても良い絵になります。
好きな色合わせで描いても良くない場合もありますし、
逆に意外と良いこともあります。

自分が良いなと思う好みの色合わせを覚えておくと良いですね。


こちらは、タケウマ先生の画材です。
ペン、クレパス、色鉛筆、どれも使いやすそうです。
授業中には生徒さんにも貸し出しして下さいます。
こうやってどんどん使える画材、手法を増やしていけそうですね。



次回11/26は神戸王子動物園へ動物を描きに行きます。
課題は、人物の絵を1点と、動物の形を予め予習しておいて下さい。(動物の絵を2点)




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする