kaeruのつぶやき

日々のつぶやきにお付き合い下さい

「がん」を読む ー23ー 遺伝子の変異とは ①

2019-03-10 18:04:51 | 「がん」を読む

夜になると接続不調になるかもしれません、鬼の居ぬ間に……と言いますが接続ができる間に、この図を、

    

3月3日の「つぶやき」で紹介済みで「第2章で述べられ」るとも言っています。その部分に当たるのですが、どうして細胞の増殖が止まることなくすすみ「がんになる」のかが理解できる図です。

それではお約束の通りp45付近に戻ります。

私たちの体内では2万種ほどの遺伝子の情報に基づいて約5万〜10万種類のタンパク質がつくられています。そのうち細胞の増殖に関われタンパク質は数百種類しかありません。タンパク質のなかでも選び抜かれた精鋭部隊だとこの本のなか(p44)で述べられています。

    

上の図はその「精鋭部隊」の働きぶりとそのなかの「裏切り者の存在(とkaeruは思います)」を示しています。

 

《 部隊のうちA、B、C、Dが、ある細胞のなかにいるとしましょう(図1-10、①)Aは、細胞の外から「増殖しなさい」という刺激が来たときにそれを受け取る係です。刺激が来ると、AはBに「刺激が来たよ」と伝えます。そして、BはCに、CはDに刺激が来たことを伝えます。最後に、Dが核内で分裂に必要な遺伝子のスイッチを入れ、細胞は分裂をスタートします。

このとき、精鋭部隊のメンバーは、次のメンバーのチロシンをリン酸化することを、リレーのバトンのように使って増殖シグナルを伝えます。正常な細胞では、この精鋭部隊のチロシンリン酸化反応の活性を幾重にも抑えるメカニズムが働いていて、Aが増殖刺激を受け取ったときにだけ、増殖のスイッチがオンになり、刺激がなくなれば、すぐにオフになるようになっています。つまり、ヒトを含む真核生物は、チロシンリン酸化という、ほかではほとんど起こらない反応を増殖シグナルの伝達専用に割り当てており、それによって増殖の厳密なコントロールを可能にしているのです》

 

この厳密なコントロールのもとでもそこをかいくぐり増殖するのが「がん」ですが、それはどうしてなのか?

それは「うそつき」がいるからです。

①の「正常な場合」には「うそつき」はいません。

②のBがウソをつくのです、Aから「増殖の信号」が来ていないのに、Cに「増殖の信号」を発信するのです。そのためCDをリン酸化して細胞分裂を促します。

 

 

それではなぜBはウソつくのでしょう、第2章のはじめ「少し詳しくみてみましょう」と書かれていたのはそのことでした。

そこの部分は明日にします、そろそろ接続が不安定に……、ネットもアタマも。


「がん」を読む ー22ー DNAの回る二重螺旋

2019-03-07 20:26:31 | 「がん」を読む

   第2章の最初の数行でもたついています。要は細胞、遺伝子、DNAなど「がん」を読み進めるうえで必要な基礎知識にまったく欠けていることが行を追ってわかってくるのです。

それで中学理科とか高校生物とか見始めたら、この映像が目にとまりました。何だと思いますか?

   

DNAの立体構造」という説明がつています。

出所は、高等学校理科 生物基礎/遺伝情報とDNA

全文を以下に記しますがこれは第2章のこの部分の基礎知識と言えるでしょう。

私たちの細胞の核には DNA が収納されています DNA は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基が並んだ高分子です。DNAの塩基配列が転写されてm RNA (メッセンジャーRNA)がつくられ、さらにm RNAの塩基配列が翻訳されてタンパク質がつくられます。これをセントラルドグマといいます。


「がん」を読む ー21ー がん罹患の背景

2019-03-06 21:00:31 | 「がん」を読む

第2章は、「前の章で、がんは、がん遺伝子やがん抑制遺伝子に変異が起こることで発生することを述べました。これをもう少し詳しくみていきましょう」

と書き出し、
   「私たちの細胞の核には DNA が収納されています DNA は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基が並んだ高分子です。DNAの塩基配列が転写されてm RNA (メッセンジャーRNA)がつくられ、さらにm RNAの塩基配列が翻訳されてタンパク質がつくられます。これをセントラルドグマといいます。
   遺伝子の DNA は、塩基3個ごとに1個のアミノ酸を指定しています。3個の塩基の並び方 (これをコドンといい、64通りあります)。20種類のアミノ酸のうちのどれかと対応しているのです。翻訳の際には、この指定に従って選ばれたアミノ酸が順番につながっていき、タンパク質がつくられます」

と続いています。

   この「」内を読みながら、細胞とかDNAとか、タンパク質やアミノ酸、目にし耳にしていますががんとの関係でどういう関係 ?という感じです。ましてや塩基、高分子などという言葉が出てくると、またまた「がんを理解するって大変だなぁ」と、気持ちが引けてくるのです。でもね、がんが国民病と言われるのなら、がんを理解するのも「国民的課題」でしょうし、一国民の我が身の課題でしょう。

   ましてやがん患者としての娘の父親であり、我が身としてもがん発症年代者でもあるのですから、引いて済む話ではないのでした。そこで基礎的な知識に目を通しつつボンクラ頭に「これががんだ」というものを染み込ませていかねばならないでしょう。ということで、中学生向きと高校生用の基礎知識めいたものを参考にはっておきます。

中学校理科第2分野/細胞と体の仕組み

高校理科 高等学校生物1 細胞の構造とはたらき

ひと通り目を通してみると、がんの罹患過程の背景について見えてくるような気がします。


「がん」を読む ー20ー がんは遺伝子の病気とは?(3)

2019-03-05 22:58:13 | 「がん」を読む

p53遺伝子のナゾ

p53といっても 53頁のことではありませんが、この本

の53頁を開きますと、

「p53タンパク質」の図解がありました、偶々のことですがこの本を書店などで立読みする時に頭に浮かべて下さい。なお以前にも「つぶやき」ましたがこの一冊を立読みに止まらず手元に、とおすすめしたいと思います。

   話をp53遺伝子に戻しますと、これをナゾと称したのは現在では代表的な(ゲートキーパー・門番遺伝子と呼ばれるほど)がん抑制遺伝子なのですが、発見された当初はがん遺伝子と見なされました。

   それは1979年です。サルに感染してがんを発生させるウイルスがつくるタンパク質(LargeTタンパク質)ががんを引き起こす主役だと考えられていたのですが、このタンパク質にくっついていたのがp53タンパク質でした。こういう発見のされ方から当時は「コイツはがん遺伝子だ」と思われてしまったのです。p53タンパク質は正常な細胞ではほとんど見られないのに、がん細胞では多く見られます、そんなこともあって研究者は「p53遺伝子はがん遺伝子」とレッテルを貼ってしまいました。

   ところが1987年、ラットのDNA研究からp53遺伝子はがん遺伝子ではなく、がん抑制遺伝子ではないかと考えるようになりました。さらに、決定的な証拠が1990年にリ・フラウメニ症候群という遺伝性がんの家系から得られたのです。この家系の人は、小児期から30代という若さで、乳がん、骨肉腫、脳腫瘍、白血病などさまざまながんを発生します。この人たちの生殖細胞系列にp53遺伝子の変異が見つかったのでした。

【ここまでp52(これは本の52頁)の内容で、 53頁は紹介した写真の部分です。】

がん抑制遺伝子の機能としての大きく3つに分けられます。① 傷ついたDNAをもつ細胞を増殖させない、② DNAの傷ついた箇所を修復する、③ 細胞にアポトーシス(細胞死)させる。

p53遺伝子は、③の機能を発揮するがん抑制遺伝子の代表的遺伝子です。

本にこんな例が記されています。

「アポトーシスとは、たとえばオタマジャクシがカエルになるときに尻尾がなくなるように、不要になった細胞が予定されたプログラムに従って死んで脱落するしくみです。p53は、変異を起こした細胞にアポトーシスを起こさせて排除します」。我が身のことながら、オタマジャクシ期に尻尾を形づくっていた細胞群が無くなる=死んで脱落していくとき、p53遺伝子のお世話になっていたのでした。

   先ほどp53遺伝子は正常な細胞には見られない、と「つぶやき」ましたが、それはp53は細胞の危機に応じて登場するしくみになっているからです。その仕組みの概要が54頁に記載され55頁に図解されています、人間(オタマジャクシも)の身体の仕組みの巧妙さを肝に銘じなければ、と感じさせられます。


「がん」を読む ー19ー がんは遺伝子の病気とは?(2)

2019-03-04 21:25:30 | 「がん」を読む

捨てる神あれば救う神あり、のことわざに即して言えば、

がんに変える遺伝子あれば、がんを抑える遺伝子あり、です。

 神さまの場合捨てる方はすぐ現れますが、救う方はなかなか出てきません。

がんの場合もこの本ではこう書かれています。

 

p47 「がん抑制遺伝子の発見は、がん遺伝子とは違って一筋縄ではいきませんでした」 

   救う神ならぬ「がんを抑える遺伝子がある」と理論的に予測したのは1970年代に米国のクヌッドソンという遺伝学者でした。その理論を「2ヒットセオリー」と呼びます。この理論を理解するためには人間の細胞についての理解、特に染色体に対する理解が前提になります。

   【そういうものへの知識がまるでないkaeru が書き進めるとすれば、それらの理解があったとしてを前提にします。】

   クヌッドソンが目をつけたのが網膜芽細胞腫というがんです。このがんの発症は2通りのパターンがあることが知られていました。ひとつは孤発性(バラバラに発症する)で1歳以上に起こり、片眼だけにがんができるものです。もうひとつは家族性(近親者に発生する)で1歳以下に起こり、両眼にがんができるのです。なぜ2通りのパターンがあるのかーーその理由を考えたクヌッドソンは、「2ヒットセオリー」という理論を提唱したのです。

私たちの細胞のなかでは染色体が対をつくっており、同じ遺伝子が2個ずつあります。クヌッドソンは、「網膜芽細胞腫の原因となる遺伝子の対の一方が変異しても、もう一方が正常ならがんにはならない。しかし、もう一方も変異すると発症する」と考えました。これが、2ヒットセオリーです。この説に基づけば、2通りの発症パターンをうまく説明することができます。

【 本ではここp49に図が示されて理解を助けてくれてます。】

   片眼だけにがんができる子どもは、もともとは遺伝子が2個とも正常で、2個とも変異した場合にだけこのがんになります。2個とも変異を起こす確率は低いので、1歳以上になってから、片眼だけががんになる場合が多いのです。一方、生まれつき遺伝子の一方に変異がある子どもは、体中の細胞にその変異をもっていますから、残りの1個が変異するだけでがんになります。だから、1歳以下で発症し、しかも両眼にがんができたり、骨にも肉腫ができることが多いというわけです。

   この理論が正しい理論だと証明されたのが1986年で、染色体のどこにあるかが突き止められたのです。

以下、本より該当部分

Rb1と名付けられたこの遺伝子は、細胞周期途中で止める働きをもつことがわかりました。この働きによって、DNAが損傷を受けた細胞がそれ以上増殖しないように抑えているのです。このため、この遺伝子が2個とも変異して働かなくなると、傷ついたDNAをもつ細胞がどんどん増殖してしまいます。こうして、がん抑制遺伝子という概念ができあがり、それが2つとも変異して働かなくなることでがんが引き起こされるというしくみがはっきりしました。


「がん」を読む ー18ー がんは遺伝子の病気とは?(1)

2019-03-03 20:59:51 | 「がん」を読む

 「がんは遺伝子の病気」とは?

   がんという病気の原因についてさまざまな研究が行われてきました。現在では「がんは遺伝子の病気」と考えられています。既に「つぶやき」(https://blog.goo.ne.jp/kaeru-23/e/2ff4826be36eb8d6c49170de21968fc4)ましたが、1976年に「がん遺伝子」が発見されたことが大きな転機になりました。この発見は米国の生物学者バーマスとビショップによるものですが、もとになっていたのが1911年にラウスという米国の病理学者がニワトに肉腫を引き起こすウイルスの発見です。

   ラウスの発見したウイルスはあるウイルスの亜株で、親ウイルスは肉腫を引き起こさないものでした。この違いに注目して親ウイルスと亜株ウイルスの遺伝子を比べ異なる遺伝子を見つけたのがパーマスとビショップです。これが現在「Src(サーク)」と呼ばれているがん遺伝子です。

   このSrcは感染したニワトリの細胞(宿主細胞)のDNAに、Src遺伝子を組み込みます。それによって、宿主細胞はさかんに増殖するようになり、ウイルスは増えつづけます、それは同時に宿主細胞にとっては肉腫になるのです。さらにバーマスとビショップはニワトリの正常な細胞にも、ウイルスのSrc遺伝子と非常によく似た遺伝子を発見します。この遺伝子はがんを引き起こすわけではありませんが、ここから「がんの発生には、正常な細胞に存在する正常な遺伝子がかかわっている」という考えが生まれました。正常な遺伝子が変異すると、ウイルスのがん遺伝子と同じようにがんを引き起こすと考えられるようになったのです。

 

細胞が増殖するしくみ

   Src遺伝子からは、SRCというタンパク質がつくられます。このタンパク質は酵素として別のタンパク質をリン酸化します、タンパク質のなかのアミノ酸にリン酸基を結合させるのです。リン酸基が結合できるアミノ酸の3種類のうちチロシンのリン酸化が「がんを引き起こす」のでした。この発見は研究者を大変驚かせ、がん研究を新時代に突入させました。

細胞の分裂の仕組みは増殖を厳密にコントロールしている、しかし……という解説図が次の図です。

本『「がん」はなぜできるか』のp45です。

この「しくみ」については第2章で述べられので、その際戻ってきたいと思います。ここまでも本の該当部分の引き写しで、理解不十分のまま書いています。それでも少しづつ頭に入ってきてる感じです】


「がん」を読む ー17ー 第1章を振り返る。

2019-03-02 20:18:42 | 「がん」を読む

   第2章のはじめに「前の章で、がんは、がん遺伝子やがん抑制遺伝子に変異が起きるといわれことで発生する」と述べた、と書かれているのですが、私のブログでは「述べて」いません。

この本の、

その部分は以下の小見出しのあるp40からp57までに「書かれている」ことなのです。

●「1-10p040」がん遺伝子の発見
●「1-11p043」リン酸化で情報を伝達するがん細胞
●「1-12p045」精鋭部隊のなかのうそつき
●「1-13p046」小児の眼のがんから発見されたがん抑制遺伝子
●「1-14p050」発見当時はがん遺伝子だと思われたp53                                  ●「1-15p053」多彩な顔をもつP53タンパク質

その内容を理解したことを前提に、第2章では「これをもう少し詳しくみてみ」よう、というのです。ならば、第2章に入る前提にkaeru もこの18ページ分について「つぶやき」、その上でもう少し詳しく「つぶやき」ます、としなければ筋が通らないことになります。

実は昨日の

この画面は、そのことに気づき第1章の該当部分について振り返る必要があると思った跡なのです。

さて、この18ページ分の内容は主に、

① がん遺伝子の発見の流れを概略し、②  がん抑制遺伝子の発見は一筋縄では行かなかったこと、③ がん抑制遺伝子のなかでもゲートキーパーと呼ばれるp53遺伝子ははじめがん遺伝子だと思われていたこと、です。

   それらを通じて「がんは、がん遺伝子とがん抑制遺伝子の変異を通じて発生する」しくみの概略を述べているのです。

①②③を簡略にして要を得て紹介する能力はありませんので、①②③の順に明日から「つぶやき」ます。 


接続不調につき……。

2019-03-01 21:18:31 | 詩的なつぶやき

現在では「がんは遺伝子の病気である」と考えられています。1950年代になって、遺伝子の本体はDNAであるという概念が確立し、がんと遺伝子の関係に目が向けられ、1976年に「がん遺伝子」が発見され、がん治療史に大転換を記しました。

は “「がん」を読む ー11ー ” の一部ですが、その元になっているのは

 ここまで書いたらiPadが接続不調に、📱では不自由なのであとは明日にします。