統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(86)

2012-08-23 10:26:39 | 日記・エッセイ・コラム

情報統計研究所へのアクセスはここから.

前回と同じサンプル(2sampleTtest.sav)を用いて、一元配置分散分析(ANOVA)をやってみましょう.

手順
Open→2sampleTtest.sav→Analyze→CompareMeans→OneWayANOVA
 ・「Dependent Variables」で「Ln IgE」を選択.
 ・「Factor」で「Group」を選択.
 ・Statics
  □descriptives ( 記述統計       )
  □Homogeneity ( 等分散の検定 )
上記に?して→OK

Contrast(対比)は後で詳しく述べます.

次の表1の出力結果が得られます.
表1 ANOVAの出力結果
Anovacon

出力結果から(値は丸められている)、
IgE(対数値)の平均は、
Group-1(mean1)=6.5638、Group-2(mean2)=6.413、Group-3(mean3)=5.303

ANOVA表の結果は、F-value=21.956、p-value<0.0001

であり、明らかに有意です。ここで、
Within Group の Mean Square(MSe)=0.108(平均平方値)を覚えていて下さい.

それでは、
先ほどの「Contrast」について説明しましょう.
手順の Statics に戻って、「Contrast」をクリックして下さい.
・ Coefficient に「1」と入力し ADD をクリック.
再び、
・ Coefficient に「‐1」と入力し ADD をクリック.
更に、
・ Coefficient に「  0」と入力し ADD をクリック.

「1.000000、-1.000000、0.000000」 と入力されていることを確認して、

Continue→OK

対比の結果は表2の通りです.
表2 Contrast(対比)の出力結果
Contrast

表2の出力結果(Contrast Tests)から、
 t=0.73 、df=12、p=0.48

から、Group-1 とGroup-2 の平均値には差がないと言えます.
同じ要領で、
Statics に戻り、Coefficient に「1、0、-1」をそれぞれ ADD してみましょう.
その結果は、
 t=57.10 、df=12、 p=0.00

であり、 Group-1とGroup-3の平均値には差があると言えます.
同じ要領で、
Statics に戻り、Coefficient に「0、1、-1」をそれぞれ ADD してみましょう.
その結果は、
 t=5.34、df=12、p=0.00

であり、Group-2 とGroup-3 の平均値には差があると言えます.
Contrast とは、互いに重複した情報を含まない比較(直交比較)と言い、事前検定(a ptiori comparisons)の多重 t 検定と言われるもので ANOVA の解釈に役立ちます.

それでは、対比の作成方法を具体的に説明します.
対比の係数は次の図1の様にしました.

図1 対比作成の一例
How_to_create

これは係数ですので、次の様になります.
対比1は、(1)×mean1+(-1)×mean2+(0)×mean3=6.5638-6.413=0.1508
対比2は、(1)×mean1+(0)×mean2+(-1)×mean3=6.5638-5.303=1.2608
対比3は、(0)×mean1+(1)×mean2+(-1)×mean3=6.413  -5.303=1.11

多重 t 検定の統計量は、
 対比1 の場合、t=0.1508/標準化値=0.1508/sqrt(0.108×(1/5+1/5))=0.7255

となり、表2の結果と一致します(MSe=0.108、n=5)。
対比2 も対比3 も同様の計算を行えば良いでしょう。

図2 に多重 t 検定の結果をまとめてみました。

図2 多重 t 検定の結果
Groupcontrast


最新の画像もっと見る