統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

第Ⅲ部:第7章 要約統計量によるANOVA検定

2022-10-16 10:03:47 | 日記・エッセイ・コラム

第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)
第7章 要約統計量(Summary)によるANOVA検定

3標本以上の平均値差の検定には、通常、一元配置分散分析で全体での有意差について知ることが出来ます。
有意な差があると判断されたら、どの標本間に有意差があるかを調べる必要が出てきます。これらの事につては既に、
下記のGooブログ:「第8章 多標本の平均値差の検定」で紹介しています。
 https://blog.goo.ne.jp/k-stat/e/79168d9e0b668b178e025f72a9ae5b8f
 http://toukei.sblo.jp/article/187495709.html?1589594310

ここでは、
”summary data” による”Free Online Calculator”での方法を紹介する訳ですが、その理由は次の様なものです。

1. The gereric method for any statistical technique used to analyze from summary data .
つまり、
要約データ(統計量)からの統計手法の一般的な方法の紹介です。

2. The intention of statistical testing technique is to attempt to predict the quality of the "Free Online Software (Calculator) product.
つまり、
その意図は、「無料オンライン ソフトウェア (電卓)」製品の保証です。

そして、
信頼できる"Free Online Calculator"によって、統計分析が身近になり、繰り返し検討出来るようになれば、なんとなく敬遠しがちな統計分析も、ごく普通の演算のように気軽に使える様になるかもしれません。
また、
要約統計量は、手元にあるデータを理解したり、データ に関する情報を伝達したりするのに役立つと共に、その後の統計分析にも役立ちます。

よろしければ、ISLの”久美”と一緒に簡単な例題を試してみましょう。

例題は下記URLの「血中コレステロール改善剤」の"Summary data" を用いてみましょう。ただし、”対応のない”ものとして実行します。

使用する”Calculator”は下記の通りです。

# StatPages.net website
● https://statpages.info/anova1sm.html

図1 summary data の入力画面

 

図2 出力結果

ANOVA table(p<0.05)から全体の平均値には有意差があると判断されます。よって、どの組合せに有意な差があるかを「Post-hoc-test」で調べることになります。ここでの多重比較は「Tukey HSD ("Honestly Significant Difference")」となります。

図3 ”Post-hoc-test”の結果

”Tukey HSD test」から、有意差のある組み合わせは、次に通りでした。
● Group 1 vs Group 3:  p=0.0016
● Group 2 vs Group 3:  p=0.0385

最近の一元配置では、実験計画の要因効果よりも多重比較に注目する場合が多く、ANOVAを省略し、いきなり多重比較を行う事例が見受けられます。これは統計ソフトの普及と関連しているようです。

”Post-hoc-test”が必要ない場合は、下記のサイトも利用出来ます。
● https://home.ubalt.edu/ntsbarsh/Business-stat/otherapplets/SeveralMeans.htm

図4 summary data の入力画面

Sample Variance はSD^2 で良いでしょう。

図5 出力結果

注釈:対応のない一元配置分散分析として実行しました。

 


統計技術 第Ⅲ部 第6章-2:対応する2標本のt-検定の方法

2022-10-09 15:18:09 | 日記・エッセイ・コラム

今回の投稿から、ISLの”久美”(アシスタント・スタッフ)が担当致しますので、どうぞよろしくお願い致します。

第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)
第6章-2:対応する2標本のt-検定の方法

前章前項は独立2標本のt検定をsummary data を用いて検定する方法であり、統計技術的に"Free Online Calculator"を用いた簡単・容易な技術を紹介しました.
ここでは、
対応する2標本を手軽におこなえる方法を紹介しましょう.
この方法については、本稿「統計技術」で既に紹介していますが、"summary data" を用いて方法を簡単な例題でやってみたいと思います.

例題は、Gooブログ:統計技術 第Ⅰ部「第7章-5 対応する2標本の差の検定について」です.
 http://toukei.sblo.jp/article/187434857.html

Summary data は次の通りです.

.......................夫のスコアー.....妻のスコアー
データ数(n)...........10
平均値(mean)........182.4...............147.6
標準偏差(sd).........14.57................13.69

使用する「Free Online Calculator」(下記Web サイトの場合)

# Statistics Kingdom
https://www.statskingdom.com/paired-t-test-calculator.html

実行
図1 sammary data の入力画面


Average(Xd:)は差の平均値(34.8)、Sample SD(sd:)は差の標準偏差(20.093)です.

[ Calculate ]

図2 出力結果

1. H0 hypothesis
Since the p-value < α, H0 is rejected.
The Before population's average is considered to be not equal to the After population's average.
In other words, the difference between the averages of Before and After is big enough to be statistically significant.
つまり、
1.H0仮説
p 値 < α であるためH0 は棄却され、前後の母集団の平均差は、等しくない、すなわち、前後で有意な差があると見なされる.前後 の平均値の差は、統計的に十分に有意であると言える.

2. P-value
The p-value equals 0.0003917, ( P(x≤5.4769) = 0.9998 ). 
It means that the chance of type I error (rejecting a correct H0) is small: 0.0003917 (0.039%). The smaller the p-value the more it supports H1.
つまり、
p 値=0.0003917 で、タイプ I エラー (正しい H0 を拒否する) の可能性が小さいことを意味しており、p 値が小さいほど、H1 を支持してしている.

3. Test statistic
The test statistic T equals 5.4769, which is not in the 95% region of acceptance: [-2.2622, 2.2622].
The 95% confidence interval of After minus Before is: [20.4263, 49.1737].
つまり、
検定統計量 T=5.4769 で、95% の許容範囲 [-2.2622, 2.2622] にはなく、前後の 95% 信頼区間は [20.4263, 49.1737] である.

4. Effect size
The observed effect size d is large, 1.73. 
This indicates that the magnitude of the difference between the average of the differences and the expected average of the differences is large.
つまり、
観測された効果量 d =1.73 で、前後差の平均が大きいことを示している.

もし、
携帯(スマートフォーン)なら、下記の「KASIO」サイトが便利かも知れません.

# KASIO
 https://keisan.casio.jp/exec/user/1490619220#!

図3 CASIO の入力と出力画面

データの入力;
標本平均[34.8]、標本分散分析[403.73](sd^2)、サンプルサイズ[10]

***
別の"Free Online Calculator"として、下記Webサイトを紹介しておきましょう.

# EPITOOLS (One-sample t-test on summary data)
 https://epitools.ausvet.com.au/onesamplettest

summary data の入力は図1と同じ様にすれば良いでしょう.

***
文責:ISL asistant staff 久美

 

 

 

 


情報統計研究所(ISL)の”久美”です。

2022-10-05 11:29:33 | 日記・エッセイ・コラム

こんにちは・・、情報統計研究所(ISL)の”久美”です。

私は”ISL”のアシスタントとして統計分析に必要な技術を学んでいるところです。
そして、統計分析で必要なことは”統計へのセンス”ではないかと思うようになりました。
”センス”は色々な経験から身につくものかも知れませんね!
現在、
Gooブログに投稿中の”統計技術”が少しでも皆様の”センス”に役立てば幸いです。

今後とも”ILS”をよろしくお願いします。

次回の統計技術は、
「第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)、第6章-2:対応する2標本のt-検定の方法」の予定です。

 


統計技術 第Ⅲ部 第6章-1(2):独立2標本の t-検定の方法(続き)

2022-10-01 10:35:46 | 日記・エッセイ・コラム

第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)

統計技術 第Ⅲ部 第6章-1(2):独立2標本の t-検定の方法(続き)
 同章前項では、t 検定と Effect size を別々の"Free Online Calculator"で求めたが、ここでは t検定と ESの結果を同時に見ることが出来るサイトを紹介しておこう.
下記のサイトにアクセスして、同章前項で用いた例題を試してみよう.

# Statistics Kingdom
https://www.statskingdom.com/140MeanT2eq.html

図1 Summary data の入力画面


[ Calculate test ]

図2 出力結果の画面

ここで、
1. H0 hypothesis
Since p-value < α, H0 is rejected.
The average of Group-1's population is considered to be not equal to the average of Group-2's population.
In other words, the difference between the sample average of Group-1 and Group-2 is big enough to be statistically significant.
つまり、
統計的にp値は有意(p<0.05)であり、2つの標本の母集団の平均値は等しくないと見なされ、その差は統計的に十分に大きいと判断される.

2. P-value
The p-value equals 0.005255, ( p(x≤T) = 0.002627 ). It means that the chance of type I error (rejecting a correct H0) is small: 0.005255 (0.53%). The smaller the p-value the more it supports H1.
つまり、
p 値は 0.005255(両側) は、第1種の過誤(TypeⅠerror ) 、すなわち誤って帰無仮説を採択する可能性が小さいことを意味している.

3. The statistics
The test statistic T equals -2.9714, which is not in the 95% region of acceptance: [-2.0281 : 2.0281].
x1-x2=-3.27, is not in the 95% region of acceptance: [-2.2319 : 2.2319]. The standard deviation of the difference, S' equals 1.1, is used to calculate the statistic.
つまり、
検定統計量 T= -2.9714 は 95% 許容領域 [-2.0281 : 2.0281] にはなく、また、平均値の差(x1-x2=-3.27) も、95% の許容範囲 [-2.2319 : 2.2319]にない.

4. Effect size
The observed effect size d is large, 0.96. This indicates that the magnitude of the difference between the average and average is large.
つまり、
効果量 d=0.96と大きく、平均と平均の差の大きさが大きいことを示している.

また、次のようなコメントが表記される.
Based on a two-tailed F test, σ1 is considered as unequal to σ2 (p-value is 0.00594).
つまり、
両側 F 検定に基づいて、σ1 は σ2 と等しくない(不等分散)と見なされる (p 値は 0.00594).

***
両側 F 検定(不等分散)に基づいて、必要なら下記で"Welch's T-test" を行えば良い.

# Two Sample T-Test Calculator (Welch's T-test)
https://www.statskingdom.com/150MeanT2uneq.html