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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(34)

2009-07-26 11:55:13 | 日記・エッセイ・コラム

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今回はDannett test について検証したいと思います。
例題として次のデータについて考えて見ます。データは脂質改善剤の投与による血中コレステロール値の時系列変化を見たもので、「ベーシックプログラムによる新医学統計手法」から一部編集して引用しました。

統計解析ソフト「R」を用いて検証します。
血中コレステロール値の時系列変化(折れ線グラフ参照)。

time<- c("t1","t2","t3","t4","t5")
a1<-   c( 220 , 219 , 235 , 217 , 205 )
a2<-   c( 224 , 230 , 186 , 179 , 172 )
a3<-   c( 235 , 209 , 190 , 190 , 142 )
a4<-   c( 200 , 195 , 180 , 160 , 155 )
a5<-   c( 265 , 245 , 252 , 225 , 208 )
a6<-   c( 180 , 184 , 155 , 136 , 138 )

Dunnett

Dannett test は対照群と他の群との比較に使います。ここではt1とt2~t5を比較することになります。検定では正規分布で等分散のデータを仮定しています。
統計解析ソフト「R」には glht() と simitest() の方法があり、glht() の結果は次の通りです。

Glht_2 

simitest の結果は次の通りです。
Simitest

以上の結果から a1 と a4・a6 に有意差があると判断されます。しかし、折線グラフを見ると各group(a1~a6)のコレステロール値は時間と共に単調に減少していることが分かります。
この様に時間と共に減少又は増加の可能性がある検定では Dunnett test よりも Williams test を用いる方が良いと言われています。

Williams test の結果は次の通りです。
Williams

以上の結果は「R 2.4.1」を使用しました。