統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(21)

2007-12-13 11:31:04 | 日記・エッセイ・コラム

Internet Computer Network Laboratory

情報統計研究所

2×2分割表にまとめられたカテゴリカルデータの出現比率の検定は、多くの場合、カイ二乗検定やFisherの直接確率計算(Fisher's exact test)が用いられます。パソコン統計だと出現度数がかなりの大きさであってもFisher's exact testが可能ですので、2×2分割表の検定では積極的にFisher testを用いれば良いでしょう。
親切な統計ソフトだと分割表モザイク図を出力してくれますので、比率の差を視覚的に確認することが出来ます。しかし、
分割数が多くなるとモザイク図は複雑なモザイク模様になって、かえって分かり難くなってしまします。分割表データが単に比率の差の有意差検定だけでなく関連性も見たいのなら、対応分析が良いと思います。
統計ソフトによってはカイ二乗検定と共に対応分析も出来るものがあります。対応分析は固有値の問題でもあるのですが、固有値のことは後で考えるとして、対応分析での散布図を見てみましょう。何らかの関連性のあるもの同士のクラスターが見られます。
その関連性の意味を考えると数値では得られない情報が得られるかも知れません。そして、固有値の意味が分かれば主成分・因子分析での解釈も容易になることでしょう。


医学と統計(20)

2007-12-10 10:32:53 | 日記・エッセイ・コラム

Internet Computer Network Laboratory

情報統計研究所

ロジスティック回帰分析のツールは1948年にアメリカのフラミンガムで開始された冠状動脈性疾患に関するコホート調査と言われています。

例えば、臨床試験である治療の影響について調べるとき、その治療法に影響を与える因子、つまり、有意な予後因子について調べる訳です。

多重ロジスティック回帰分析でのオッズ比は多変量調整済みオッズ比であり、これに対して、後ろ向き研究での比較指標のオッヅ比は粗オッズ比として区別されます。
ロジスティック回帰でのオッヅ比はexp{β0+β1X1+・・・+βjXj }で表されます。例えば、
A群のコレステロールが200mg/dl、B群のコレステロールが150mg/dlのオッヅ比は次の様になります。
A群:exp{β0+β1×200+・・・+βjXj }
B群:exp{β0+β1×150+・・・+βjXj }
A群とB群の比は、
exp(A)/exp(B)=exp(A-B)であるので、exp{β1(200-150)}=exp{β1×50}、
ここで、
β1が0.0105であればA群とB群のオッヅ比はOdd=exp(0.525)=1.69となります。
ただし、β1以外は全く同じ値をとるものとします。