統計ブログはじめました!

各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(14)

2007-07-30 15:40:54 | 日記・エッセイ・コラム

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情報統計研究所(ISL)のご紹介

またまた、前回の続きになりますが主成分分析での主成分負荷量が分かれば大体ですが、重回帰型多変量分析での係数の有意性なども推測できます。重回帰型の多変量解析とはロジスティック分析、Cox比例ハザード分析、ワイブル分析などですが、医学では重回帰モデルの当てはめよりも各係数の有意性の推定に用いられることが多いようです。この様な重回帰型分析でも主成分分析での散布図は役立つ情報を提供してくれます。また、心理分析などで心理尺度を作るときも主成分因子分析は役に立ちます。


医学と統計(13)

2007-07-13 15:04:16 | 日記・エッセイ・コラム

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前回の主成分分析について簡単な例題を示しておきましょう。次の様な項目からなるQOLデータがあったとします。

患者名[ P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7 ]

評価A[ 60,35,74,30,80,90,50 ]

評価B[ 58,40,68,40,70,95,50 ]

評価C[ 25,40,50,60,50,80,45 ]

この多変量データを主成分分析すると次の様な主成分得点が出力されます。

患者名[ P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7 ]

第1主成分得点[ 0.58,1.43,-0.55,1.40,-1.79,-3.07,0.99 ]

第2主成分得点[ -1.02,0.76,-0.68,1.23,-0.83,0.93,-0.38 ]

この得点をもとに主成分散布図を作ってみましょう。 グラフ用紙の中心を[0]とし、横軸を第1主成分軸として[0]より右側をプラスに、左側をマイナスに目盛ります。縦軸は第2主成分軸とし同様に上側をプラスに、下側をマイナスに目盛ります。最初に、

患者P1の[0.58]を横軸にとり[-1.02]を縦軸にとって、その交点に●印を付けます。次に、患者P2の[1.43,0.76]をプロットします。最後に、患者P7の[0.99,-0.38]をプロットすれば主成分散布図が出来ます。

患者P1とP2が第1象限に、患者P6が第2象限に、患者P3とP5が第3象限に、患者P1とP7が第4象限に散布しています。各々の患者のQOL評価の特徴が出ていると思います。その特徴を掴むのは研究者自身であり、思いがけない患者の潜在因子を発見するかも知れません。