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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

ビジネスと統計(18)

2016-01-25 11:21:08 | 日記・エッセイ・コラム
前回のポートフォリオは2銘柄を組み合わせたときのリスクとリターンを求めました。
今回は、3銘柄以上での方法をExcelでやってみましょう。
まずは、
 (1)前回と同様に3銘柄(表1)の収益率を求めます.
表1 3銘柄の収益率
 
各銘柄の「Average」「Var」「sd」を下記のExcel関数で求めます.
 "=AVERAGE()" 、"=VAR.S()" 、"=SDTDEV()"
 
(2)次に、収益率(表1)の共分散行列を求め、表2の共分散行列を作ります(表5関数一覧参照).
 
表2 共分散行列
 
(3)目標(期待)リターン表を作りソルバーの計算を行います.
 表3 ソルバー計算表
 
ここでは、収益率を見て目標リターンを0.005(0.5%)から始めることにしました.
そして、3銘柄の比率の合計が"1(100%)"になるように"0.2"、"0.4"、"0.4"と入力しておきます.
 
リスク、全体のリターン、投資比率のセルには表5の関数一覧に示した関数式を入力しておきます.
 
(4)表3の計算表を用いて目標(期待)リターンに対する最適解をExcelのソルバーを使って求めます.
ソルバーは、
「データ→ソルバー」で実行できますが、タスクバーに表示されていなければ次により表示します.
 
Excel2013の場合:
 ファイル→オプション→アドイン→ソルバーアドイン→管理[設定]→□にチェックしOK
 
ソルバーの計算に必要な入力は、表5の関数一覧を見て入力して下さい.
 
制約条件は、「追加」、「変更」、「削除」を用いて入力して下さい.
 
(5)ソルバー計算の結果から3銘柄の最適リターンを求めます.
 表4 3銘柄リターンの最適解
 
表4の結果から、
3銘柄を組み合わせた目標(期待)リターン(0.5%)の比率は、
 #6861(0%) #7635(14.4%) #7717(85.6%)でリスクは10.6%となりました.
 
目標リターンを変えてソルバーを実行して下さい.
その場合、一度、ソルバーをクリアーして実行する方が良いかもしれませんのでご注意ください.
 
表5 関数一覧表
 

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