バッドサンタ(BAD SANTA)
2003
テリー・ツワイゴフ(Terry Zwigoff)
「ゴーストワールド」のツワイゴフ監督作品。というか制作総指揮がコーエン兄弟のバッド・コメディ。コレで面白くないわけがない。
あらすじはどこかで読んでいただくとして、これは結構良い作ですよ。
ジャケ裏だけ読むと、どうしようもない男(ビリー・ボブ・ソーントン)が偶然であった子供と触れ合うことでまともな心をとりもどす、みたいなことが書かれていますが、ちょっと違います。ダメなやつはダメ。最後までダメ。ダメでありつつも、感情移入してしまった子供(偶然知り合った子供)にだけは良いところを見せたいお話です。
ブラック。っつうか、ダメ。
日本では決して全国公開されないであろうプロット。でも面白い。
アル中、女好き、窃盗団、フリークスネタ。もう、ダメすぎ。
でも、その中にある現実を直視できないダメな大人の心情が忠実に描かれている気がします。ダメだからこその諦観。
世の中にある善を片っ端から偽善に置き換えて揶揄しているものの、その描き方嫌らしくない。
爽やかな性悪説映画です。荀子先生にもうなずいていただけるのでは。
子供と接することで改心すると思いきや、改心する前に子供の手によって改心せざるを得ない状況になる。相当ダメな大人のお話です。
お子様コメディだと思って子供(10歳以下)には決して見せない方が良い映画です。
未見の方には何を言ってるんだ?という感想ですが、まぁ、そういう感想です。
リアルにダメな大人と描いたらやっぱりダメな人だったという映画。
しかし、そこでコーエン兄弟の絶妙なリアリティ。決してファンタジーでは終わらせない。
ジャケ写にあるようなキリッとしたワルでは決してないビリー・ボブ・ソーントン。
コメディという一筋縄ではない作品。
これは好き。
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