notation




マリ&フィフィの虐殺ソングブック
1998
中原昌也


このぐちゃぐちゃっぷり、脳内ですら完結していない感じは、以前読んだ「さようならギャングたち」(高橋源一郎)の様なイメージ。そっちに比べると、ちょっと引っ込み思案な感じもあります、が暴力的(悪い意味ではなく)なのに違いはありません。
いじめられっこが泣かされて暴れているよう。たいがいそういう場合は恐ろしい力が発揮されて、まわりがドン引きになるというのが常。普段起こらない人がキレると本当に怖いです。

もの凄い偏見で綴られた独り言。子供よりも精神薄弱な自分、のようなモノがぎしぎしと伝わる。なんだか、心のきれいなどうしようもない弱者っぽさをアピール、のような。
社会の嫌なところをたくさん見過ぎて、それを遮断、あるいは自己防衛本能の様なモノで記憶を飛ばして幼児退行になってしまった成人男性のような。
いい大人の妄想をそのまま出してしまったような。
こういう本ばかり読んでいると「自分は汚れている!」「社会なんてクソの集まりだ!」みたいな思考に陥って、ヒッピーもしくはホームレス、あるいは世に言うフリーターの様な生活を望む様になってしまうのでしょうか。沖縄に移住するのも手かもしれません。

敵を作りそうな書き方ですけど、こういうのはあくまで脳内で発散するためのツールにとどめておきたいと思います。恐ろしく影響されやすい性分のため、中学生くらいの時に読んでいたらずぼっとはまってしまったんだろうなぁ。強い意識に抗えない。むしろ、これは最近の傾向かしら。

こういう本が、本として偉い作家さんの横に普通に並べられて売られている様子をみると、ちょっと嬉しい気分になります。

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )