じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

「我が家の問題」奥田英朗

2017-09-04 | 


家族を扱った6つの短編集は、自分の家庭や隣の家庭を見ているように親近感があります。

エピソードや会話は「うんうん、ありえる」「その通り!」と共感し、
「やっぱ、そうなんだ~」と安心したりもします。

私は次の3つが好きでした。

「甘い生活?」
わかるわかる。ひとり暮らしが長ければ自分のリズムもあるでしょう…。
答えが出ないような新婚夫婦のやりとりも、
どんどん展開して収拾がつかないぞーと思ったけど、ナイスなところで終わりとなりました。

「夫とUFO」
夫がUFOを見たと信じて疑わない…
夫の変調を感じた妻は、夫がヘンな道にそれないように行動を起こします。
尾行したりする姿や行動はとても滑稽であるけれど、いっしょうけんめいさが伝わってきてジーンとしたりもします。

最後、夫を救出すべく向かった堤防での夫婦のやり取りは、ほっこりしますねぇ。
夫の、なんとなくのん気な感じも好感持てるし、妻のいっしょうけんめいさも大好きです!
(相手を非難したりケンカにならないのも素敵です)

「里帰り」
ホント!そうなのよ。
夫の実家、妻の実家への里帰り…
なかなか小説にはしずらい題材だと思うのですが、見事に表現されていると思いました。

なんだか面倒で、考えれば考えるほど億劫になることってありますが、
その時になれば「案ずるより産むが易し」で、案外そういう時のほうが良い方向に向いたりもします。
過ぎてしまえば、満足感・充足感があったりしてね。

どの短編も、ユーモアあり、哀しみや可笑しさもあり、読後感もよかったです。

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