神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

筑波山神社(常陸国式内社・その27の2)

2020-09-19 23:16:20 | 神社
「筑波山神社」の続き。
筑波山の登山ルートはいくつかあるが、最も楽なのは前項で紹介した筑波山ケーブルカーを利用する方法だろう。ただ、それで上下すると、筑波山の奇岩怪石の多くを見逃すことになる。そこで、茨城県道42号線(笠間つくば線)を、大鳥居の前を通り過ぎて東に向かい、「風返し峠」交差点から茨城県道236号線(筑波公園永井線、通称:筑波スカイライン)に入り北へ、行き止まりが駐車場(有料)。そこから「おたつ石コース」~「白雲橋コース」に合流のルートで女体山山頂まで登山道を上り約40分(下り約35分)。こちらも並行して筑波ロープウェイがあり、これを利用すると、駐車場のある「つつじヶ丘」駅から「女体山」駅まで約6分。
「常陸国風土記」には次のような話もある。「昔、祖神(おやがみ)が諸国の神々を巡っているとき、駿河国の福慈岳(富士山)に着いたところで日が暮れた。そこで、福慈の神に宿泊を頼んだが、ちょうど新嘗祭で物忌みをしているので泊められない、と言って断られた。祖神は怒って、お前の住む山は冬も夏も雪が降って、人も登らないから、飲食物を供えることもないだろう、と罵った。それから、筑波岳(筑波山)に登って筑波の神に宿泊を頼んだところ、今夜は新嘗祭だが、お受けしないわけにはいかない、として、もてなしてくれた。祖神は喜び、筑波山には人々が集い、飲食物を供えるだろう、と歌った。そういうわけで、富士山には雪が降って人が登らないのに、筑波山には人々が集まって楽しむことが長く絶えることがないのだ。」というものである。素朴なお国自慢の1つだろうが、富士山と比べられるほど、人々の意識にあったということだろう。また、この話では、祖神、福慈の神、筑波の神のいずれもが女神だと考えられており、一説には、元々は(伊弉諾尊・伊弉冊尊の2柱とされる前は)筑波の神も女神のみだったという説もある。


筑波山ケーブルカー&ロープウェイのHP


写真1:「おたつ石コース」登り口付近にあるB級スポット「ガマランド」。個人的には、かなり好き。


写真2:「弁慶七戻り」入口。聖と俗を分ける門とも言うらしい。


写真3:同上。落ちてきそうな巨岩を見れば、弁慶も通るのを七回逡巡するだろうというもの。


写真4:「高天原」。巨岩の上に天照大神を祀る「稲村神社」が鎮座。一説に、筑波山は天照大神が降臨した神山で、後に伊勢に遷ったという。


写真5:「胎内くぐり」


写真6:「陰陽石」


写真7:「国割石」。巨岩の表面に縦横の線が溝彫られている。神々がそれぞれの治める地方を割り振ったものとされる。


写真8:「出船入船」。船玉神を祀る。


写真9:「裏面大黒」。大黒天が大きな袋を背負った後ろ姿という。


写真10:「裏面大黒」に祀られた「渡神社」(祭神:蛭子命)


写真11:「北斗岩」と「小原木神社」(祭神:月読尊)


写真12:「屏風岩」と「安座常神社」(祭神:素戔嗚尊)


写真13:「大仏岩」。高さ15m。


写真14:ここには説明板がなかったが、明らかに「陰石」。水が滴っており、ここまで「陰石」らしいものも珍しいと思う。


写真15:「女体山」山頂の「女体山本殿」。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 筑波山神社(常陸国式内社・... | トップ | 筑波山大御堂 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

神社」カテゴリの最新記事