ここでこの日(7/20)の、何時の時間になるのか分からないのですが、私達はバッキンガム宮殿に行きました。2000年はイギリスの君主、エリザベス女王のお母様が100歳になられた年でした。その日はクイーン・マザーズデーという事で、お城でお茶会があるのだという事でした。
「皆さんこのまま帰りますか?」
「このまま帰っていいんですか?」
「いい訳無いですよね!」
と、車中、現地ガイドさんが力説し始めました。何だろうと私は思いました。彼女の言葉付きが今迄のバスガイドさんの説明的な雰囲気から、パフォーマンス的な要素を帯びた語調に変わっていたからでした。何が始まるのだろうと思っていました。車中は皆疲れているのか質問する声もありません。私も黙ってガイドさんの言うままに成り行きに任せていました。と、
「バッキンガム宮殿を見ないで帰りますか?」
イギリスに来て、それは無いでしょうというような話になって来ました。どうも、お城へ行く予定がこの旅行のプログラムには無かったようでした。それで、現地ガイドさんがロンドンにいるのに、時間の余裕もあったのでしょう、バッキンガム宮殿に行きましょうと力説されたのです。貴族の方々も皆さんここぞとばかりに着飾って来られますから、特に貴族の女性の方の衣装はとても素敵ですよ。どの方の衣装も素晴らしくて見甲斐があります、見たいですよね、とも言われます。
『別に、興味ないけど…』と心の内で言う私です。何しろ想像もつかない世界の話です。『そんな、お城で行事があるような警戒の厳しい時にわざわざ行くなんて…』と、私は思いました。もし何か問題でも起きて、事件に巻き込まれるような事になったらどうするのだろう、と不安になりました。
『行きたくないけど。』と、内心呟きました。何しろ、自分自身が何か気が付かない内に失態を仕出かさないとも限らないと感じたからでした。この旅を振り返っても自分に自信がありません。もしそんな事になったらと思うと、国際問題にでもなりかねないかもしれないと思うと、自分自身がその催事の場に立つことがかなり不安でした。『行きたくないわ。』と心の内で呟きました。(本当はもっと砕けた言い方でした。ハリセンボンの春名さんの口調のような。)
しかしバスの中は誰一人肯定も否定もする人が無く、声一つない感じでした。少なくとも私の耳には行きたいという声は聞こえませんでした。そして、
「では、皆さん、お城に行きましょう。」
というようなガイドさんの言葉がマイクに流れ、如何やらバッキンガム宮殿に行く事になったらしいと感じると、私はその事実に半信半疑になるのでした。『ガイドさんの冗談かもしれない。』きっとそうだわと、目を綴じて眠りに入ろうと思うのでした。
(ここまで書いて、写真を眺めて順を見ると、バッキンガム宮殿の写真の前にこの大時計の見えるウェストミンスター橋の写真がありました。時間もきっちりと分かります。日にちも確かに写真に20日とあります。午後3時半にはまだ写真の日付は変わっていなかったのですね。お茶会は4時前後に行われていたのでしょうか。三越デパートにいた時間を考えると、この橋と三越デパートの中間の時間が、旅の一行がバッキンガム宮殿の前にいた時間だと思われます。)
ロンドン観光
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