Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(1)

2018-02-24 10:06:45 | 日記

 私は遊び場にしていたある施設の軒先で毎年春になると土筆を眺めていました。

   その場所は向きから言うと北西方向になり、日差しが差していた記憶からすると午後の日差し、午後の遅い時刻の思い出になるのでしょう。私は毎春その場所で遊び仲間と共に土筆を摘んで遊んだものでした。最初にその土筆の生える場所を教えてくれたのも当時の私より年上の遊び仲間でした。その頃は年嵩の者が若輩者にあれこれと教えて伝承の遊びを順繰りに伝えた物でした。

 先ず遊ぶ場所を教えます。年長者は皆を連れてその場所にやって来ると、そこにはどのような物が有りどのような遊び方が出来るかを教えます。そして遊びや遊ぶ物はどう出来上がりどう行えたら完成なのか、またはより良いのかというような出来栄えの完成度、達成度等までを説明します。

 その後、年配の指導者は実際にやって見せたり、作ったお手本を見せたりします。そこで教えを受けた弟子の年少者達はその遊びを確りマスターしようと早々に行動したり作業に取り掛かったりするのです。

 この日から初心者達は繰り返し皆それぞれ練習に励む日が続きます。年少者が教えてもらった遊びに習熟すると、指導者は次の遊びに移ります。年長者から年少者へ、簡単な遊びから難しい遊びへ、出来る者から順繰りに次の段階へと進んでいきます。こうやってその地域の伝統的な遊びが伝承されて行くのです。子供達の日常はこの遊びの繰り返しのようなものでした。ですから日がな1日遊びが子供達の日課になっていたという頃の時代であり年代の話です。この時代、一般家庭にテレビはありません。

   さて、土筆があるので季節はもちろん春なのですが、この頃の私達が土筆に気付くのは春も酣、かなりぽかぽかと暖かくなった頃でした。場合によっては初夏を感じさせる5月も近くなった頃、漸くこの土筆の生えている場所に来るという年もありました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿