Jun日記(さと さとみの世界)

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三文小説(14)

2017-08-09 07:30:55 | 日記

 それは入社して2日目の社員食堂だったでしょうか、いえ、初日の社内の廊下であったかもしれません。楽しそうな男性社員の声に、彼女が何気なく耳を傾けると、明るくて愉快そうな数人の男性の話声が聞こえて来ました。

 その男性達の何人かが、「松山」の名前を連呼しながらふざけ合い、笑いながら面白い話をしていました。野原さんはその時の彼等の話の内容を忘れてしまいましたが、面白かった事だけは覚えていました。何しろ彼等の話を聞いて思わずクスリと笑ってしまったのです。

 途端に、

「おい、今あいつ笑ったぞ。」

「面白かったら聞き代寄こせっていうものだ。」

「人の話を聞いて只で済むと思うなよ。」

そんな声が聞こえて来ました。『まぁ、嫌だわ、私の事かしら。』思わずちょっと怖くなった野原さんでした。


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