Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

早蕨

2016-11-18 12:50:41 | 日記

 『石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも』

で、始まる今回。

私達の地方は高校入試の頃がこの頃に近く、雪交じりの雨も降る時期でした。

地域の友達や同級生とも分かれて行く高校進学、殆どの皆にとっては初めての入試です。

 さて、何故この歌を冒頭に持って来たかというと、私の好きな歌だからです。(単純でしょう

寒い冬が明けて、新芽の出る春になったという兆しが、春を待ちわびる私の心情にマッチするからです。

国語の教科書で習って以来とても好きな短歌になりました。スキ!

私が楽しく教科書を眺めていると、Junさん、この歌好きなんでしょう、と言われた程です。色に出てしまったんですね。

 『しのぶれど色に出にけりわが恋はものや思うと人の問ふまで』

です。

 受験校を決めてしまうと、私はあっけらかんとしたものでした。

受験校をワンランク下げたかなり安全圏の高校に決めた為、

今までの入試に備えた緊張感が一気に緩んでしまい、全く勉強する気が起きなくなってしまいました。

願書提出から入試まで、全然勉強しなかったと言っても過言ではなく、事実全くそうでした。

怖いですね皆さん、『忘却とは忘れ去ることなり』です。

特に暗記教科の忘れ去る事といったら、光陰矢の如しです。

私は身をもって経験しました。真っ青でしたね。

 やはり社会の試験でした。記述問題の言葉がどうしても思い出せません。

過去に覚えていた言葉というのは分かりますが、その言葉がどうしても出て来ません。

試験終了時間迄に、とうとう書けない( )が2個ありました。

2個と言っても単純なものではありません、○×問題ではないので配点が大きいです。

100点満点に換算すると2点~5点×2の点数のロスです。つまり4~10点の失点です。

1点を争うという入試にこの始末です。

 これは、確りと…落ちた!と心の中に暗雲沸き立ち、鬱々とした気分になりました。

これが試験初日の事です。暗澹たる気分で帰宅しました。

してしまったものはしょうがない、と気持ちを切り替えるしかありません。

後の試験で取れるだけの点数を取らなければなりません。切羽詰まった気分でした。

所謂『背水の陣』、もう後が無いという気持ちで次の日は臨みました。

貪欲に取れるだけの点数を取ろうと、試験を何度も見直してはミスが無いかと確認しました。

もうこれ以上は点数が取れない、試験終了間際まで未回答の所を解こうとじたばた、必死で鉛筆を動かしました。

 それでも、社会の失点の大きさを考えると、やはり気落ちしてしまうのでした。

入試後は最悪の気分で、実は卒業式は上の空、早く家に帰ってホッと一息ついて休みたい気分でした。

 入試如何だった?と聞かれると、私は、駄目、駄目かも、落ちたかも、と答えるしかないのでした。

 今から思っても、社会には泣かされましたね、問題集盗難の事件といい、私には、所謂「鬼門」でしたね。

ここで社会の問題集の顛末に触れておきます。

 校内実力試験の最終日の翌朝、登校した私は何も無いはずの机の中に何かあるのに気付きました。

何だろうとひっぱりだしてみると、皆が持っている社会の入試対策の問題集です。

誰が私の机の中に入れ間違えたのだろう?ひっくり返して裏の名前を見ると「Jun」とあります。

見紛うはずもない私の字でした。

Jさんに見せると、彼女もそれ如何したの?とびっくりしていました。

今朝来たら今机の中にあったの、と私は答えて、急いで中を見てみると、

2ページ程しか記入されていません。記入されている字も私の字でした。

 ちょっと不思議です。1回目の実力試験の範囲が2ページというのは少ないように思いました。

でも、私は試験範囲は全部やった覚えがありました。

もう一度名前を見てみます。やはり私の筆跡です。変ね?

変ねと思いながら、そういえば、問題集に名前を書いたと思っていたのに、

社会だけ名前が書いてなくて、如何してこれだけ書き忘れたんだろうと名前をもう1度書いた事がありました。

まさか、問題集が2冊もあるなんて考えられないしと思います。

他にも、問題を書いたと思っていた問題集の問いが書かれていなくて、

あれっと名前を見ると私の名前が書かれていて、

やはり私の問題集だ、この問題を解いたと思っていたけど未だだったのねと、

妙な気がしながら別段気にも留めず、もう1度やり直して問題を書いた事がありました。

全て社会の問題集でした。4月初めの事です。

 私は、名前の書き忘れの件については、Jさんに話していました。

名前を書いたと思っていたけど書き忘れたらしくて、うっかりしていたのかな、

1冊だけ名前を書かなかったなんて、私ってぼんやりでしょう、こんな面があるのよ私。

と、4月に付き合いを始めたばかりのJさんに、私が話した事を彼女も覚えていたようでした。

 「Jun、問題集2冊あるんじゃないの、2冊あるのよ。」

など言ってくれましたが、もう試験も終わった事、私にすると今更事を荒立ててもという感じでした。

私は問題集の件でこれ以上、わざわざ時間潰しもしたくないのでした。

 ただ、春から無くなっていた問題集が試験終了後に机の中に戻されていたという事実は担任の先生に届けておきました。

それだけは言っておいた方がいいよとFさんに勧められたからでした。

 私の盗難に遭った問題集は、その後職員室に提出を求められ何かしら調べられたようですが、

犯人が如何とか、だから如何とか、何の回答も無いまま過ぎて行きました。

何日かして問題集は私の手元に返却されて来ましたが、

大体、問題集は本当に盗難に遭っていたのか?とまで議論されていたようです。

問題が過ぎてから問題提起しても後の祭り、調べる必要も無い事件だったのでしょう。

入試の年度には変な事が起きる物なんでしょうか。きちんと名前を書いておいてさえこの始末です。

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿