Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

親交 49

2019-05-06 09:49:13 | 日記

 懐かしいなぁ、こうやって一緒に歩いているとあの頃が甦ってくるみたいだ。ミルは思いました。学舎でも一緒の事が多かったけど…、

「僕達、この山でもよく偶然出合ったよね。」

ミルがそうしみじみとした調子で、昔通りの親しさで話し出すと、

「そうでもないけど…。」

と彼女は少し改まった口調で言葉を返してきました。

「私がこの山で出合っていたのはあなただけじゃないわ。」

表情や態度も畏まった感じに豹変した彼女は、もう時刻も日暮れに掛かるから帰宅を急ぎましょう、と言うと、足を速め出しました。ミルはそんな彼女には逆らわず、彼女を帰途の先頭に出すと、彼女からはやや距離を空けて後から彼女を見守る様な形で山道を下って行きます。

 「やぁ。」

道の向こうから彼女の御夫君が登場しました。暗くなるから心配で見に来たという彼女のご主人に、彼女はにこやかに応対すると、山道の途中でミルと会い、彼がここまで送ってくれたのだと話すのでした。そんな仲睦まじい2人は幼馴染の夫婦であり、ミルとも同年代同士になる3人なのでした。ミルは目の前の2人の様子に幸せな彼女の結婚生活を感じるのでした。

「じゃあね、2人お幸せに。」

そう言葉を残して2人と別れると、ミルは少し寄り道をして淡いピンクの穂の生えそろった野辺へと出ました。野辺を一文字に進むと穂は乱れ、彼の足跡通りに直線を引いて行きます。ふわふわとピンクに淡い穂が月光を浴び始めると、辺りは銀色の光を帯び始め、輝く朱鷺色の光に煙るようになると、その中にミルの影がポツンと1つ浮かび上がりました。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-05-06 09:40:01 | 日記
 
土筆(63)

 「お前の所の妹が、旅の余所者に自分の親戚の世話を押し付けていたぞ。」「このままにして置いていいのか、身内の事は身内で見るのが筋だろう。」と、彼は耳の痛い忠告をされてここへ......
 

 10連休のGWも、今日が最後となりました。