Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ベビーベッド

2013-06-18 12:49:51 | 日記・エッセイ・コラム
 昨日の事、母が伯父を訪ねたいというので、思い切って叔母に借りていたベビーベッドを返しに行ってきました。
伯父と叔母、この組み合わせで分かるように、母の兄と妹です。住まいは違いますが、同じ区域に住んでいます。
伯父は最近介護1となり、お掃除の人も来てくれる事になったばかりです。
母の兄弟姉妹は多くいましたが、何となく皆それぞれのグループ分けになり疎遠、近縁グループ(本来は皆近縁なのに)と分かれてしまいました。
母と伯父は近縁、叔母とは疎遠で長くになります。叔母にベビーベッドを借りた頃は、まだ私は母の実家にそう疎遠でもなく、馴染みがありました。
叔母のベッドは預けられていた伯父の所から運んできました。祖母が生きていたので、皆近しく母の里に出入りをしていた頃です。
私の最初の子にと、母が叔母さんがよいベビーベッドを持っているから借りたらどうか、と盛んに勧めるので、私も育児書にベッドの方が子供に埃が掛からなくてよい、とあったことが念頭にあり、借りようという事になりました。
実際、当時の夫の母からベビー布団が来ましたから、お産の直後、実家にいる間だけ借りる予定にしました。
母の里に二人でべビーベッドを借りに行くと、ちゃんと叔母は先に来て待っていました。
そして、半分乗り気、半分母の口車に乗っていただけの私は、木製の、思ったより大きくて年代物だった品に、半分感心し(自然の木作りの風合いと使う子への装備に)、半分がっかり(割合古かったこと、絵柄の出来具合、ベッド板の年代物感に)したものです。
  
母は盛んに借り出せることを喜んでいたようでした。満面笑みといってもよかったと思います。
ベッドを運び出す前に、母の様子を尻目に叔母が私に言ったものです。
あの様子では、姉さんはちゃんとベッドを返してこないような気がするから、○○ちゃん(私)の方に言っておくね、ベビーベッドは必ず返してねと。
そして姉さんにも言っておくからと叔母は私に念押ししたのでした。
私も、こう言われていたので、実家から最初の子と当時の住まいに帰る時に、母にベッドは必ず返してね、叔母さんに返して欲しいと言われているからと念押ししてきました。
そして、2番目の子が生まれてから実家に行ったある日、2番目の子を寝かせようと母が奥からベビーベッドの囲いを持ち出してきたので、私は見覚えのあるその木作りの色合い、装飾にびっくりしたものです。
ショックでした。
子供を寝かせる何処ろではありません。母の組み立てさえ拒否して、絶対に寝かせないでくれと言ったものです。
  
叔母の所へ戻っているとばかり思っていたベビーベッドがまだ実家にあったのですから、そのショックでもうそのベビーベッドを使うことが出来ませんでした。
この時にも、叔母の言葉通りに母に話し、必ず返すようにと念押しして帰りました。
これで安心、したわけではありませんでした。その後叔母に会った時に母が返したかどうか聞いたような気もします。この辺りは私も記憶が曖昧です。叔母は何と言ったかどうか。
そして現在、といっても3、4年前のある日。もう私は実家に戻っていましたが、物置の壁、茶棚の隅に見覚えのある色合いと装飾の端が出ているのを目に留め、びっくりしました。
一瞬、えーと、身が引きました。
あの叔母から借りたベビーベッドです。
まだ家にあったのだと、驚くのも当たり前、2番目の子さえとうに成人式を終えた年月でした。
叔母への申し訳なさに身の竦むような思いでした。
なるほど、叔母の予見した通りでした。
私が確りしていなかったことは叔母の予想外だったかどうか。
私も、自らの不甲斐なさを反省したのでした。
しかし、もうその頃は叔母と母達が不仲になって久しく、どう連絡を取ったものかと困る内に、年月が昨日まで経ってしまいました。
今年、父の通夜で漸く不仲の母方の親戚も揃い、この叔母に会う機会が出来ました。
従姉妹の近況を尋ねたり、叔母自身のことを聞いたり、話をしたことで昔の親しかったことを思い出しました。
父の式、行事中はとても気が回らなかった私は、今でも相当そうなのですが、叔母にベビーベッドのことを言い忘れました。
しかし、返さなければという義務感は、ベッドを家で見つけてから常に私の頭の中にありました。
それで、母が実家に行くと伯父の家に送るのを幸いに、せっせとベッドを物置から運び出し、埃を払い梱包しました。
私の車は軽四なので、どうにかこうにか載せたものの、かなり久しぶりに訪ねていった叔母は留守中でした。
昔2回訪ねましたが、20年以上前のこと。住所も漸く母が調べ出したものを検索して、どうにかこうにか、近所の人にも尋ね歩いたという始末でしたが、叔母の玄関前まで辿り着けてよかったことでした。
訪問したことや、訪問理由を手紙に書いてポストに投函して来ました。
とても再訪は出来ないと(ベビーベッドが軽四には大き過ぎて再び載せる気に慣れない事、やはりそう訪ねて欲しくないだろうと推測すると、父の告別式に母と不仲な親戚達は、都合もあったのでしょうが来ませんでしたから)、宅配にすることにしました。
叔母も自分の子供に当たる従妹の所へ行っているのかもしれません。長居してくるかもしれませんし、1ヶ月の期間を見て連絡がなければ、私が責任を持って廃棄しようと思います。
決して叔母と会えなかったことを怒っているのではありません。
父の死後、私自身、家の中を整理して古いものを処分しているからです。書類や道具、古くなった不用品はすっきりと片付けてさっぱりしたいと思います。