goo blog サービス終了のお知らせ 

シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

副指揮者って何?

2012年10月17日 | 指揮者あれやこれ
小澤征爾
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オーケストラには色々な肩書きの指揮者がいます __ 常任、専任、首席、桂冠、客演そして副指揮者。 “副指揮者” とは? 小澤征爾の本に、彼が NY フィルの副指揮者となった時 (61年 26歳) のことが載っています。

手っ取り早くいうと、練習指揮ほか様々な雑用をこなす係りで、 常任バーンスタインの NY フィルの二人の副指揮者のうちの一人になりました。 レストランのコックのようなもので、シェフ (バーンスタイン) は調理の最後に手を出すだけで、下ごしらえはシェフ以外のコック (副指揮者) がやります。
………………………………………………………
私も料理を作りますが、野菜を洗って皮をむき、適当な大きさに切り揃え、肉などには下味を付ける。 また 煮込み料理は何十分も煮て、アクを時々とったり、調味料を色々加えたりします。 炒め物などで 調理最後にフライパンで炒める時間などは、アッという間で その前がうんと長いものです。
………………………………………………………
常任指揮者はこの最後の “アッという間” だけをする (と想像します)。 オーケストラは最初同じ楽器のパートごとに練習、次いで全員揃って練習 (この時に副指揮者が指揮・指導します)、最後の仕上げに常任指揮者がやってきて、彼の方針・音楽作りに沿った演奏にして、コンサートに備える (はずです)。

常任指揮者に何事かが生じて指揮できなくなった場合に備えて、ひと通り全部の曲目を指揮できるよう 副指揮者はスタンバイしておかねばなりません。 よく代役で急遽 指揮をして大成功というケースがありますが、滅多にありません。

NY フィルの常任 バーンスタインに光が当たったのはワルターの代役に成功したからです。
………………………………………………………
ドイツの歌劇場にはコレペティトーア Korrepetitor という下稽古をする指揮者が何人もいて、ピアノを弾きながら歌手に出し物のオペラの歌を教え込みます。 オペラの最初から最後まで、全ての歌手に公演当日の指揮者が "付きっきりで" 音楽作りをするなんて物理的に不可能だからです。

そうやって 多くの経験を積んだ副指揮者/コレペティトーアが、いずれはコンサートで、オペラ公演で指揮をしますが、早くて30台でないと指揮をさせてもらえません。 地方の小さなオーケストラや歌劇場ならもっと早く指揮ができますが、大都市のそれには やはり若い指揮者は通常登場しません。 音楽業界も大きなピラミッド構造になっているのです。

小澤はまれな例で、仏ブザンソン指揮者コンクール優勝後 早くから才能を認められて各地で指揮し、ラヴィニア音楽祭で予定されていた指揮者の代理で名門シカゴ響を振ったのが64年 (29歳)、カナダ・トロント響指揮者に就任したのが同年、ウィーン・フィルを振ったのが66年 (31歳)、サンフランシスコ響音楽監督に就任したのが70年 (35歳)、ボストン響音楽監督に就任したのが73年 (38歳) ですから、素晴らしい経歴ですね。

以上 拾い読み好きの音楽ファンの「独断と偏見・指揮者編」でした。

今日はここまでです。

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。