シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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日本経済は参院選から落目?

2008年01月18日 | 経済あーだこーだ
立花隆のコラムが途絶えているので、探して読んだ田原総一朗の経済評論も面白い。 この人は、批評ばかりで、対案を出さずに討論相手を追い込む人かと思っていたのですが …
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「世界経済揺るがすサブプライム なぜ日本の株価が下がるのか」(1月17日 田原総一朗の政財界『ここだけの話』第43回/日経 BP Net) _ サブプライムローン (信用力の低い個人向け住宅融資) の焦げつき問題は、いまや世界経済を揺るがす大問題となっている。 最も影響が大きい金融機関は米銀行大手のシティグループと米証券大手のメリルリンチと言われているが、その損失が15日に明らかになった (※追加1へ続く)。
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「安倍内閣は口では構造改革と言いながら、実は逆の行動を起こしていることがわかり、外国人投資家は日本から離れていった。 福田予算は、中途半端な内容 中身は逆行で、それをみて外国人投資家が逃げている。 マスコミも小泉・竹中の構造改革が日本の格差を大きくしたといって、日本に対する不信感となり、外国人投資家が逃げている」と、外国人投資家が日本から離れる理由を3つもあげている。

「日本経済が弱い理由に、もう一つ 原油高があるが、日本は省エネ技術が発達していて効率がよく、原油高に対して強いはずなのに、この強みを政府もマスコミも言わない。 日本経済を世界からみると、アメリカのグループ産業だとみられていて、アメリカが駄目になると日本も駄目になる、と世界が見ている点が大きい」のも、なるほどと思わせます。 日本人のアピールが弱いせいでもありますね。
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「1995年以前の経済は実物経済で、カネは商品/サービスに対して支払っていて、物かサービスにカネはついて回っていたが、95年あたりを境に、金融経済が実物と遊離して膨れ上がっていった。 これは世界中のカネをどうアメリカに集めるかという戦略によるものだ。 日米経済摩擦でアメリカの第2次産業の競争力がないことがわかり、住み分けをして 第2次産業は日本や中国ですればよいとなった。 アメリカはビル・ゲイツの Windows やグーグルやヤフーなど、IT 関連産業を握ることにした」。

「もう一つはサービス産業で、中でも金融サービスをアメリカに集中させ、集めたカネを世界中の有望な企業に投資して、その配当や株価が上がることで稼ごうとした」。

「更に IT は、今や普通の産業となってしまい、夢がなくなった。 夢がなくなるとカネは集まらず、次に考えたのが住宅ローン。 それはプライムローンのことだが、それだけではマーケットが大きくならないから、本来ならローンでカネを借りられない低所得層に広げたのがサブプライムローンだ」と、米国の世界戦略をばっさり切っているのは痛快ですね。
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80年代は「ハイテク」が大流行りし、90年代は「IT」がキーワードでした。 調査会社セミナーでもこれをテーマにしたものが多く、皆 よく分からないからセミナーに集まりました。 人が集まれば、オカネも集まってきます。 分かってくると、人は集まらなくなり、新しいキーワードが必要になってきます。 それは、ゴールドマン・サックス投資会社が名づけた「BRICs」か、調査会社のいう「エマージングマーケット_新興市場」でしょうか? その次の2010年代に何が?

90年代 いわゆる「ドットコム企業」がもてはやされ、IT 関連というだけで株価が上昇した記憶がありますね。 それは中身が分からずに、インターネットや IT 関連を扱っているということだけを信用してオカネを出す人がどれほどいたかを示しています。

金融市場は、歴史的に 必ずバブルが起こります。 人々の熱狂が集まるものは必ず高騰しますが、熱狂が去ると暴落します。 それを仕掛けた人/機関はうまく売り抜け、後には大勢の損をする人/機関が残されます。 田原氏は、サブプライムでゴールドマンを示唆しています。
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私は、日本の実体経済そのものは悪くないとシロウト分析をしています。 ただ、日本の経済は内需より外需で稼いでいる部分が大きく、外需というのは主に米欧市場であり、またそこに輸出する中韓台などの周辺国への中間材輸出も大きいですから、結果的には、米欧の景気動向次第で、日本経済そのものが影響を受けるのは避けられません。

早く独り立ちして、外需に頼らなくてもいい体質にしなければならない筈なのですが、政府の予算を見ても、建設関連などの割合が大きく、新しい産業への投資がさっぱり見えてこないのは残念です。

地方経済は道路工事ばかりして、地元の建設会社やそこに雇われるオバさんたちにカネをバラまくのではなく、そんな道路工事をしなくとも、オカネが入ってくるような仕組みにすべきでなないでしょうか? それは政治家が構造改革をすべきなのですが、建設族といわれる政治家も根強いですからね_別に「抵抗勢力」ともいいますが。

道路を何度も掘り返すのはもういい加減、ヤメにしてもらいたいですね。

以上

※追加1_ シティグループは07年の10~12月期決算で、サブプライム絡みで235億ドル (約2兆5000億円) の損失を計上したと発表した。 だが、シティグループのサブプライム関連の商品の評価損は550億円 (約6兆円) とも言われている。 メリルリンチも150億ドル (約1兆6000億円) を超える損失を計上したと推計されている。 サブプライムローンは証券化されて、世界の主な金融機関がその “地雷” を抱えている。 それがどのくらいの損失にまで広がるのか、実はわからない状況だ。

外国人投資家が日本から逃げる
日銀総裁をはじめ政府筋は、サブプライムローンの影響を立場上、限定的にとらえようとしている。 サブプライムローンの影響で今年上半期は株価が落ちるが、下半期になると青空が見えてくると、声をそろえて言っている。 だが青空が見えるという根拠はない。

実は、日本は欧米に比べてサブプライムローンの損失が極めて少ない。例えば野村ホールディングスは、1~9月期の損失が1456億円、みずほ FG は通期で1700億円程度と言われている。 一方、欧米大手20社の金融機関の損失総額は1000億ドル (約10兆600億円) を超えたとみられている。

本来なら米欧の株価が下がって、日本の株価は上がらなければいけない。 なぜなら日本が最もサブプライムローンの損害が少ない “安全な国” のはずだからだ。 ところが不思議なことに、日本の株価がむしろ下がっている。 しかも最も損害が低い日本の市場から、日本の株の売買の6~7割を占める外国人投資家がどんどん逃げている。 これをいったいどう考えればいいのか。

参議院選の自民敗北が引き金
なぜ外国人投資家が逃げるのか。 いつから逃げたのかということを調べると、昨年の8月から逃げている。 昨年の8月が何かというと、7月の参議院選挙で自民党が大敗した直後の時期だ。 自民党が大敗して逃げ始めたということは、もしかしたら日本で民主党政権ができるのではないかと思って逃げだしたのか。

しかし実は、大敗の原因が日本のマスコミや政府関係者のとらえている理由とまったく逆ではないかということがわかってきた。

それは何か。 小泉内閣のときは、どんどん外国人投資家が増えてきた。 なぜ増えたかと言うとこれは明らかに構造改革のおかげだ。 道路公団民営化、あるいは郵政民営化と、どんどん構造改革をやって、不良債権を減らしてきた。

日本は財政赤字が大きく、借金が 800兆円 ある中で、構造改革は引き続き急務だ。 だが、安倍内閣になって、表向きには構造改革をやると言っていたが、やっていることは実は逆行していた。

例えば、安倍政権では郵政の民営化に反対して自民党を除名になった議員たちを、平沼さんを除いて復党させた。 自民党は郵政民営化を問う選挙で大勝したのだから、それに反対する議員を復党させるというのでは、逆行である。 安倍内閣は口では構造改革と言いながら、実は逆の行動を起こしていることがわかり、外国人投資家は日本から離れていったのだ。

構造改革に逆行する自民・民主
ところが、参議院選挙で自民党が大敗した理由を、自民党はもちろん民主党も間違えているのではないか。

あの選挙で民主党が大勝した理由は、民主党が掲げた3本のマニフェストにあるといわれている。 一つは年金の基礎年金の部分をすべて税金にする、そして農家一軒一軒への補助金に 1兆円 出す、さらには子育て手当に 2.4兆円 出す。

つまり全部で 15.3兆円 のいわば、ばらまきだ。 これは明らかに小泉内閣の構造改革に逆行する政策である。 ところが民主党はこれで勝ったと思い、自民党もこれで負けたと思った。
 それで今度は、大都市と地方の格差が大きいから、地方に対してもっとカネを出すべきだということになった。

福田内閣で政府が決めた予算は、なんとも中途半端なものになった。 地方交付税など、いろいろなものを増やしていて、本当はもっと増やしたいが金がない。 だが増税はできない。 極めて中途半端な内容で、中身は逆行だ。 それをみてどんどん外国人投資家が逃げている。

ところが政府は、民主党がバラ撒きで勝ったのだから、構造改革は先延ばしにしたほうがいいと、とらえている。 マスコミも小泉・竹中の構造改革が日本の格差を大きくしたといっている。 それが日本に対する不信感となり、外国人投資家が逃げているのだ。

日本経済が弱い理由
もう一つは原油高がある。 原油を掘り出して精製するのにかかる費用が 1バレル5ドルといわれていて、原油価格は 30~40ドルで十分もうかる。 ところが今は100ドルを突破しそうになっている。 原油が高くなればいろいろなものが高くなる。 電気代から自動車のガソリン代、現に素材もどんどんあがっている。 そうなると個人消費が冷え込んでくる。 この原油高が日本の経済を不透明にしている。

だがこれにも疑問がある。 日本は非常に省エネ技術が発達していて、例えば同じ仕事の量をするのに、原油を中国は日本の7倍、アメリカは2倍使っている。 日本は非常に効率がいい。 効率がいいということは、先進国に比べて原油を使う量が少ないということだ。 これは日本の強みだ。 中国やアメリカに比べて、日本は原油高に対して非常に強いはずなのに、この強みを政府もマスコミもほとんど言わない。

いったいなぜ日本の株価がこんなに下がり、日本の経済が弱いとみんなが言っているのか。

ひとつは日本の経済が世界からみると、アメリカのグループ産業だとみられているということがある。 日本の産業は独立した産業ではなく、アメリカのグループ産業であり、比喩的に言えば、「連結決算ではアメリカの中に入る」と見られている。 だから、アメリカが駄目になると日本も駄目になる、と世界が見ている点が大きいのではないか。

それに対して日本のエコノミストやアナリストは、違うと言えなくて、それに同調する人たちが多い。 だが、本当は日本の強みをもっと訴えるべきではないのか。

アメリカの「強いドル」政策
よく言われていることだが、1995年以前は経済は実物経済だった。 カネは商品、あるいはサービスに対して支払っていて、物かサービスにカネはついてまわっていた。 カネというのは人間の体でいえば血液のようなもので、養分を必要なところに運ぶ、あるいは不要になったものを運び出すという役割を果たしていた。

ところが1995年あたりを境にして、金融経済が実物産業と遊離してどんどん膨れ上がっていった。 これは世界中のカネをどうアメリカに集めるかという戦略によるものだ。 時の財務長官や FRB のグリーンスパン前議長が「強いドル」政策を実施して、アメリカにどんどんカネを集めた。

なぜそのようなことをしたかというと、日米経済摩擦でアメリカの第2次産業が競争力がないということがわかったからだ。 だから住み分けをして第2次産業は日本や中国ですればよいということになった。 アメリカはビル・ゲイツの Windows やグーグルやヤフーなど、IT 関連を握ることにした。

もう一つは、サービス産業。 中でも金融サービスをアメリカに集中させようとした。 アメリカが集めたカネを世界中の有望な企業に投資して、その配当や株価が上がることで稼ごうとした。

アメリカが「強いドル」政策を実施した95年以後、日本でも「株式会社は株主のもの」といわれるようになった。 それまでは「企業は経営者と従業員のもの」というのが日本的経営だった。 それが変わってきた。

IT 化戦略の次に狙ったサブプライム戦略
株主の力をもっと強め、メリットを高めろということになって、給料はほとんど上がっていないのに、配当はこの10年間で3倍に上がった。 つまり労働分配率は上げないで、配当を上げ、株主の権利をどんどん強めていく。 アメリカの戦略に日本も乗ったわけだ。

アメリカが世界中からカネを集めるために、「ドルは強いんだ」ということを示さなくてはならない。 最初はそれを IT で宣伝した。「IT は100年に1度の大革命だ」「IT の本家本元はアメリカだ」ということで IT ブーム、あるいは IT バブルとなってアメリカにカネが集まってきた。

IT 化、あるいは高度情報化、近代化などという言葉あるが、この「化」がついている言葉は「お化け」だ。 お化けは夢を見るわけだ。 ところが IT が「化」ではなくなった。 普通の産業となってしまい、夢がなくなったわけだ。 夢がなくなるとカネは集まらない。

そこで次にアメリカが考えたのが、住宅ローンだった。 アメリカの国土は広い。 だから誰でも住宅を持てると。 特にハリケーン「カトリーナ」の被害で家を失った人が多かった時期でもあり、人々に住宅という夢を与えた。 そして住宅ローンでカネを集めようとした。

いわゆる住宅ローンというのは、プライムローンのことだが、プライムローンだけではマーケットが大きくならない。 そこで本来ならローンでカネを借りられない低所得層にどんどん広げる。 これがサブプライムローンだ。

しかもサブプライムローンは低所得層だけでなく、すでにローンで家を買っている人に、資産価値が高くなるからといって2軒目、3軒目の家を買わせた。 要するにアメリカにカネを集めるための手段として、サブプライムローンを広げたのだ。

サブプライムローン問題の決着は早い!?
ところが、当然ながらこのサブプライムローンで焦げ付きが出て、しかもサブプライムローンの場合は証券化されていたので、世界中に損失が広がった。 今ではプライムローンまでもが損害を被っている。

もっともこのサブプライムローン問題は、意外に早くケリがつくかも知れない。 日本の場合は、バブルがはじけてから、不良債権処理をまともにやりはじめたのは、竹中・小泉になってからで、約10年かかった。

ところがアメリカの場合は、もう去年から対策を始めている。 日本とアメリカの違いは、日本は公的資金を導入したが、アメリカは公的資金を導入しない。 そのかわり、世界の政府ファンドを集めている。 アブダビのファンドをシティが高い金利で集めたり、みずほもメリルリンチに 9% という高い金利で貸付をしている。 このように対応が早いので、早く処理が終わるのではないか。

問題は、アメリカが次に何でカネを集めるかということだ。 サブプライムローンに代わる、カネを集める仕組みを作れるかどうかがポイントだ。 ここが明確にならない限り、カネが集まってこない。

大雑把にいうと、サブプライムローンを仕掛けたのは、大手証券会社のゴールドマン・サックスではないかと業界では噂されている。 だからゴールドマン・サックスは先売りをして、サブプライムローンで全く傷ついていないのではないか。 アメリカの金融機関で他がみんな損をしているのに、ゴールドマン・サックスだけがもうけている。 日本なら袋たたきにあうけれど、アメリカという国はおもしろい国で、成功者ということになっている。

アメリカが次に狙う BRICs
そのゴールドマン・サックスが名づけた言葉が「BRICs」である。 つまりこれから高度経済成長に入るブラジル/ロシア/インド/チャイナから、カネを集めようとしているのだ。 ここにカネを投資し、運用していく。 その主導権をアメリカが握ろうとしている。

今、原油にカネが集まっているが、こんなものは長続きしない。 原油価格が100ドルを超えても、そんな割高な石油を買う人なんかいない。 結局これは売りになる。 だから原油価格は下落していくだろう。

原油のような危ないものでアメリカが次にカネを集めようとしているのではない。 次は BRICs だと思う。 これが成功するかどうかだ。

さらに日本にとって大事なことは、BRICs のうちブラジルを除く3つの国はアジアだということだ。 この BRICs の高度成長にアジアの中の日本が、どう関わりをもてるのか。 これがこれからの日本の経済成長にとって大きなポイントになると思う。

これに関われないと、円はただのローカル・カレンシーになってしまう。 08年は日本にとって正念場であり、勝負の年となるだろう。

以上

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