シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

ジャケが良くないと注目されないよ

2022年10月03日 | 渋い作曲家といえば
左右は『Ryu Goto 五嶋龍: Brahms - Violin Concerto in D major, Op. 77』(2021/11/16 投稿  https://www.youtube.com/watch?v=jN4eHa7DOVk) から演奏前と後。 中央はその DVD。
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YouTube で、ライヴ演奏記録を視聴しました。 いいブラコン演奏だと思い、ネットで CD が発売されているかどうか調べたら、DVD でのみ発売されていました。 名門の DG 社からですが、気づきませんでした。

その理由はジャケット制作の “失敗“ にあります。 中央の DVD ジャケを見て、普通のクラシックファンが買う気になるかと仮定すると、見逃す人が多いと推理します。 五嶋龍は DG から数点の CD を発売していますし、CD ジャケはもっと良かった記憶がありますが、これは明らかに “失敗ジャケ” でしょう。
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一般論というか独断になりますが、音楽 CD に比べ、音楽 DVD は登場してから歴史が短い分野です。 映像ものの音楽そのものが新しい分野です。 ですから 音楽 LP はそのまま すんなりと (?) CD に移行しましたが、音楽映像の缶詰はまだ新しい製品で、どちらかというと制作会社の中で CD 部門の居候 (いそうろう) 的存在だと推理します。

すると 制作会社は予算を CD 部門には出すが、 DVD 部門にはあまり出さない。 そうなると ジャケ制作も予算が少ないので、いい人材を割り当てられないか 安易に外部に制作を依頼してしまうと思います。

その結果 いいジャケにならない。 こういう理由じゃないでしょうか。 演奏中の写真を使った方が遥かにいいジャケになったと思います。 しかもモノクロで眠いような写真ですからね。 “ぱっと見” で映えません。 作った人のセンスを疑います。

いくらいい演奏をしても、メディアの発売会社がいい装丁の製品に仕上げないと、一般消費者からは注目されないという典型例です。 名門 英 DECCA 社のプロデューサー カルショーは、カラヤンの『アイーダ』を録音後、LP ジャケ (の安っぽい) 試作品を見て会社トップに猛抗議し、ジャケを変えさせました (60年前の話しです)。 五嶋龍ブラコン DVD を出す際、担当プロデューサーはどう感じたのでしょうか?

私がネット検索して、いいジャケだと思ったものをピックアップしてみました。


左から ジュリアン・オレフスキー(Vn) ハワード・ミッチェル指揮ナショナル響 (ウェストミンスター盤)、ローラ・ボベスコ(Vn) ホセ・セレブリエール指揮ベルギー国立放送新響 (talent / Silk Road Music 盤)、ミルステイン(Vn) ヨッフム指揮 VPO (DG 盤)。 左2つは聴いた事はありませんが、聴きたくなりますね。 私は右の LP をジャケ買いしました。 最初のブラコン LP でした。

逆に 良くない例も一緒に見つかってしまいました。


ミルシテイン(Vn)、フィストゥラーリ指揮フィルハーモニア管 (英キャピトル盤)、オイストラフ(Vn)、セル指揮クリーヴランド管 (EMI盤) … これらを買いたくなりますか? 特に左は小学生の殴り書きみたいにお粗末じゃないですか。
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クラシックファンというのは私を含めて、あるイメージで CD や DVD を選ぶ傾向があります。 例えば カラヤンは定番曲を繰り返し録音するが、期待を裏切らない演奏にするイメージで、伝説の指揮者フルトヴェングラーは何かしら霊感を感じさせるイメージがあり、歌手のドミンゴは絶対的に安定した歌唱をするイメージが、名門ベルリン・フィルのコンマスとなった樫本は名声に箔が付いたイメージが、チャイコフスキー・コン優勝の諏訪内は順調に CD を発売していたが脱税でイメージが損なわれ … など 演奏家にはある特定のイメージが伴うものです。

一度 あるイメージが演奏家に結びつくと、それはずうっと変わりません。 五嶋龍のイメージはというと、(これも独断ですが) 若手日本人ヴァイオリニストの1人で 名門 DG から数点 CD を発売しているが、最近 滞っている、こういうイメージです。

日本人ヴァイオリニストのブラコン発売は、樫本 (2006)、木野 (2010) 以来だったのですが …
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五嶋龍の初映像作品は、アシュケナージとの共演! 本 DVD は、2006年4月22日、ミュンヘンでの映像収録となります。 演奏曲目は、永遠の名作、ブラームスによるヴァイオリン協奏曲。 共演指揮者は、数年来の関係にあるアシュケナージ。 指揮者としても益々の円熟を実感させるアシュケナージなだけに、こちらの大作に対しても音楽性豊かな好サポートを見せています。 ヨーロピアン・ユニオン・ユース・オーケストラによる生き生きとした機能的なサウンドも興味深いものです。

『数年前 五嶋龍が初めて私の前で演奏したとき、これほど新鮮で、のびのびした才能を見つけることができて嬉しかった。 彼は間違いなく熱心で、打ち解けやすい若いアーティストだ。 その後 私たちはフィルハーモニア管弦楽団と共に共演し、そして 今年 (2005年) 11月にワシントンでワシントン・ナショナル交響楽団と、そのあと2006年4月EU ユース・オーケストラとのツアーで、再び共演できるのをとてもうれしく思っている。彼とドイツ・グラモフォンが、このもっとも有望な録音契約を結ぶことができたことに対し、お祝いを述べたいと思う』[ヴラディーミル・アシュケナージ談;ユニバーサル・ミュージック・サイトより] 発売・販売元 提供資料 (2009/04/08)

天才ヴァイオリニスト、五嶋龍の初映像作品。 2006年4月22日、ミュンヘン、ヘルクレスザールにて行われた公演の模様を収録。
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今日はここまでです。

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