原発問題

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【原発ホワイトアウト】第14章エネルギー基本計画の罠※29回目の紹介

2014-08-06 21:00:00 | 【原発ホワイトアウト】

*『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽  から何度かに分けて紹介します。29回目の紹介  

 現役キャリア官僚のリアル告発ノベル!

 「政財官の融合体・・・ 日本の裏支配者の正体を教えよう」

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カスタマーレビュー)から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。

  「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。

  こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。

  私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。

  さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」(毎日新聞 10月22日)

読み終わって私は、このままでは本書の予言どおり原発事故は再び起こる可能性が高い、と思った。

そして、表紙とびらに引用されたカール・マルクスの次の言葉が本書の内容を言い尽くしていると気づく。

  「歴史は繰りかえす、一度目は悲劇として、しかし二度目は喜劇として」。

この国の統治のあり方を根本的に変えなければ「二度目は喜劇」を防くことができない、と私は考える。

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★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧 ※下の方に1~16回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第4章 落選議員回り ※下の方に17~21回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部 ※下の方に22~25回までのリンク一覧あり

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【原発ホワイトアウト】第14章  エネルギー基本計画の罠  ※29回目の紹介

-『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽 「第14章  エネルギー基本計画の罠」 を紹介

【登場人物】
 小島 厳 日本電力連盟常務理事 関東電力総務部長を経て日本電力連盟に出向
 日村 直史 経済産業省資源エネルギー庁次長
 赤沢 浩一 保守党資源・エネルギー戦略調査会長
 山野 一郎 保守党一匹狼議員

前回の話:【原発ホワイトアウト】第14章エネルギー基本計画の罠※28回目の紹介

 会議室が静まり返った。

 「・・・資源エネルギー庁、何かありますか?」

 部会長が促す。

 長官は顔を紅潮させたまま口を開こうとしない。もっとも痛い点を突かれたのだ。小売の自由化の裏で、固定価格買取制度は廃止して、再生可能エネルギーの普及に逆櫓を付けるつもりだったからだ。インテリはロジックに強いからこそ、ロジックで攻められると弱い。

 長官に一言小声で断ったうえで、おもむろに日村が手を挙げた。

 「じゃ、日村次長から」

 部会長が日村を指名した。

 「・・・再生可能エネルギーの普及にも最大限、政策資源を投入することは、この基本計画の改正案にも規定されております。ただ現行の固定価格買取制度は、電力会社の地域独占を前提にしたものでありますので、電力システム改革を行っていくなかで、新しい電気事業法制の在り方に即して、必要な見直しを行っていくものと考えております」

 日村はこう述べ、赤沢の顔に一瞬目を向けてから着席した。赤沢の表情に変化はなかったので、日村は安堵した。

 「今の資源エネルギー庁の説明は、結局、今後決める、今は決めない、という先送りでありますっ」

 山野は反論する。

 「それでいいだろっ!」

 フロアーの陣笠議員から野次が飛んだ。

 山野が続けた。

 「それでは、結局、フクシマ以前の状態と変わらなくなるのではないでしょうか?原子力の核のゴミの処理費用は税や補助金で優遇して人為的に安く設定して、再生可能エネルギーその他の電源に原子力の廃炉や放射性廃棄物処理のコストまで上乗せして、託送料金を高く設定する・・・・こういうことを、まずもって資源エネルギー庁には改めていただきたい。

 化石エネルギーには温室効果ガスが、原子力エネルギーには放射性廃棄物がそれぞれ必然的に発生するわけでありますから、どちらも望ましい電源であるはずがありません。フクシマ後のエネルギー政策は、省エネか再生可能エネルギーかの二者択一とするべきであります!」
 山野は臆せず発言する。

 「経済はどうなるんだ!産業の空洞化を招くぞ!」

 「我慢か、高い電気料金か、そのどちらかを強制することになるんだぞっ」

 野次が相次いだ。しかし、山野は怯まない。

 「原発がコスト的には割高の電源と正直に認めなければ、結局、核のゴミの処理を将来に付け回すことになるのであります。この構図は、地球温暖化とまったく同じであります!」

 

※「第14章  エネルギー基本計画の罠」は、8/3~ 紹介中です。

・・・既得権益側が国会議員を使って行政に圧力をかけ・・国民に見えないところで、こうしたことが当たり前に行われている・・・


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