原発問題

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【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※25回目の紹介

2014-08-02 21:00:00 | 【原発ホワイトアウト】

*『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽  から何度かに分けて紹介します。25回目の紹介  

 現役キャリア官僚のリアル告発ノベル!

 「政財官の融合体・・・ 日本の裏支配者の正体を教えよう」

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カスタマーレビュー)から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。

  「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。

  こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。

  私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。

  さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」(毎日新聞 10月22日)

読み終わって私は、このままでは本書の予言どおり原発事故は再び起こる可能性が高い、と思った。

そして、表紙とびらに引用されたカール・マルクスの次の言葉が本書の内容を言い尽くしていると気づく。

  「歴史は繰りかえす、一度目は悲劇として、しかし二度目は喜劇として」。

この国の統治のあり方を根本的に変えなければ「二度目は喜劇」を防くことができない、と私は考える。

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★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧 ※下の方に1回~16回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第4章 落選議員回り ※下の方に17回~21回までのリンク一覧あり

【原発ホワイトアウト】第13章 日本電力連盟広報部  ※25回目の紹介

-『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽 「第13章 日本電力連盟広報部」 を紹介

【登場人物】
 小島 厳 日本電力連盟常務理事 関東電力総務部長を経て日本電力連盟に出向

前回の話【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※24回目の紹介

 テレビのニュース番組やワイドショーのプロデューサー・クラスには、広報部の5名と副部長が手分けして当たり、新聞各紙の編集局長には、広報部長と小島が手分けをして当たった。

 各誌の編集局長は、「朝経新聞」を除き、年度は違えども、全員、日本電力連盟が費用丸抱えで参加させた海外電力事情調査団で、一週間ともに欧州を旅行した仲だ。気安く電話ができる。今回の一連の報道が直接、電力会社に対するものでないことも好都合だ。

 時候の挨拶、フクシマ事故の反省、最近連絡を取っていないことの侘びを一通り述べたところで、小島は「ちょっと小耳に挟んだ話ですけどね」と、用件を切り出した。

 「うわさで聞いたんですけどね。ここ数日の「朝経新聞」さんの原子力規制庁の報道の話、どうやら世紀の大誤報のようですよ。旧国鉄から林野庁、環境省と転籍して、原子力規制庁に在籍している左翼のアンチ原発一派の自作自演の狂言に現場の記者が嵌められたようで。

 BPOと朝経グループに、原子力規制庁から猛烈に講義をしています。官邸も事を重大視しているようです。たぶん放送論理検証委員会で大問題になりますなぁ」

 まったく根拠のない出鱈目のデマであるが、同時に複数のルートから話が駆け巡ると、その瞬間はもっともらしく聞こえる。内部告発では告発者の保護が必要なので、デマを流された場合にタイムりーに反論して打ち消すことは難しい。

 各社が「朝経新聞」の報道を追いかける気運は一気にしぼんだ。ワイドショーでも取り上げられず、三日間の「朝経新聞」の長官と「テレビ朝経」のニュースが、青白い稲妻のように一瞬轟いただけで、人々の記憶の底に沈んでいった。


 フクシマの事故以降一年ほどは、地震、被災者、原発事故に関する報道は高い視聴率をとっていたが、その後、視聴率は長期低落傾向を示していた。震災後2年を経過したあとは、それが特に顕著になり、ニュースや特集番組で、こうしたトピックが取り上げられると、視聴率の数字がガクンと如実に下がるようになっていた。視聴者はわざわざチャンネルを変えているのである。

 とにかくあの辛い経験や恐怖を早く忘れたい、過去のものとしたいのだ。もはや震災やフクシマの事故を日本国民の多くは現実のものとして直視できなくなっていた。

 今回の一連の報道に対しても、国民のあいだでは、怒る気力よりも、諦めの気持ちのほうが優っているようだった。

 「原子力規制庁の情報漏洩には驚きましたが、まぁ世の中はそんなものかとも思います。もう原子力の話題にはうんざりです」(50代男性)

 「もう原発の話はこりごりです。もっと、新しくできたショッピングセンターの話とか、流行のダイエット法とか、楽しくて世の中が明るくなるような話題を紹介してください」(40代女性)

 それぞれの報道各社が設ける視聴者の「ご意見欄」に届けられた声を見ても、それは裏付けられているように見えた。

 

※「第13章 日本電力連盟広報部」の紹介は、今回で終了です。

引き続き、8/3から「第14章  エネルギー基本計画の罠」の紹介予定です。

・・・既得権益側が国会議員を使って行政に圧力をかけ・・国民に見えないところで、こうしたことが当たり前に行われている・・・


*『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽 から、「第13章 日本電力連盟広報部」の過去紹介のリンク

【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※22回目の紹介

【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※23回目の紹介

【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※24回目の紹介

【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部※25回目の紹介

 


★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧 ※下の方に1回~16回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第4章 落選議員回り ※下の方に17回~21回までのリンク一覧あり

 


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