原発問題

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【原発ホワイトアウト】第14章エネルギー基本計画の罠※27回目の紹介

2014-08-04 21:00:08 | 【原発ホワイトアウト】

*『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽  から何度かに分けて紹介します。27回目の紹介  

 現役キャリア官僚のリアル告発ノベル!

 「政財官の融合体・・・ 日本の裏支配者の正体を教えよう」

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カスタマーレビュー)から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。

  「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。

  こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。

  私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。

  さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」(毎日新聞 10月22日)

読み終わって私は、このままでは本書の予言どおり原発事故は再び起こる可能性が高い、と思った。

そして、表紙とびらに引用されたカール・マルクスの次の言葉が本書の内容を言い尽くしていると気づく。

  「歴史は繰りかえす、一度目は悲劇として、しかし二度目は喜劇として」。

この国の統治のあり方を根本的に変えなければ「二度目は喜劇」を防くことができない、と私は考える。

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★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧 ※下の方に1~16回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第4章 落選議員回り ※下の方に17~21回までのリンク一覧あり

★過去紹介した記事>>【原発ホワイトアウト】第13章日本電力連盟広報部 ※下の方に22~25回までのリンク一覧あり

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【原発ホワイトアウト】第14章  エネルギー基本計画の罠  ※27回目の紹介

-『原発ホワイトアウト』著者:若杉冽 「第14章  エネルギー基本計画の罠」 を紹介

【登場人物】
 小島 厳 日本電力連盟常務理事 関東電力総務部長を経て日本電力連盟に出向
 日村 直史 経済産業省資源エネルギー庁次長
 赤沢 浩一 保守党資源・エネルギー戦略調査会長
 山野 一郎 保守党一匹狼議員

前回の話:【原発ホワイトアウト】第14章エネルギー基本計画の罠※26回目の紹介

 税制や予算をめぐる狂想曲が佳境に入る最中、11月最終週の火曜日朝8時、保守党本部7回の701号室で、保守党の経済産業部会と資源・エネルギー戦略調査会の合同会議が開かれた。

 平場、すなわち一般の議員の席、それと向き合う形で設けられた最前列の席、いわゆる「ひな壇」の中心に、当選5回の経済産業部会長の木原英治と、商工族のドン・資源エネルギー戦略調査会長の赤沢浩一が座った。

 形式的には、経済産業部会が保守党の正式なラインの意思決定機関であるが、まだ大臣経験もない部会長の木原は司会進行役に過ぎず、部会長の隣に座る赤沢が意思決定の実質的責任者であった。

 本日の議題は、広報上は、「エネルギー基本計画および電気事業小売り自由化を巡る自由討議」と記されていた。説明者として、資源エネルギー庁長官と次長の日村直史がメイン・テーブルの端に並んでの着席を許された。

 「本日は、お忙しいなかお集まりいただき、どうもありがとうございます。ただいまから経済産業部会と資源・エネルギー戦略調査会の合同会議を開催します。本日の議題は、エネルギー基本計画および電気事業小売自由化をめぐる自由討議、であります。説明者は、資源エネルギー庁長官です。では、まず長官からお願いしますっ」

 木原部会長が口火を切った。

 通常の法案は、閣議決定の直前まで、内容が保守党の部会に諮られることはないが、エネルギー基本計画も電力小売自由化も大きな話なので、赤沢のイニシアティブで、特別に、このような機会が設けられた。それだけ電力会社と経済産業省・資源エネルギー庁との距離感が大きい、ということでもあった。

 「それでは、エネルギー基本計画と電気事業小売自由化についての私どもの考え方についてご説明いたします」

 と、資源エネルギー庁長官が説明を始めた。

 エネルギー基本計画は、もともと十数年前までは長期エネルギー需給見通しと呼ばれており、通商産業省資源エネルギー庁におかれた総合資源エネルギー調査会という名の審議会において、人口推計などと同様に、科学的見地から策定されていた。

 しかし、スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故、国内でも美浜原発の蒸気発生器細管のギロチン破断事故などを経て、原子力発電所の立地が進まなくなってきたことに焦りを覚えた原子力ムラが、保守党の赤沢や民自党の組合系議員に陳情し、2002年に議員立法でエネルギー政策基本法を成立させた。

 この法律では、従来の審議会での科学的な「長期エネルギー需給見通し」を、計画経済的な「エネルギー基本計画」に改称し、経済産業大臣がエネルギー基本計画を閣議決定し、国会に報告する義務を規定した。これにより、エネルギー行政は、マーケットメカニズムと科学的分析が律する世界から、「2030年までに原発を少なくとも14基以上新増設する」という毛沢東の大躍進政策級の国家計画に転換されてしまった。

 原子力ムラからの献金やパーティー券購入につられ、「政治主導」という美名の下で、国会議員からの圧力が行政の科学的客観性を歪めてしまった好例である。

 

※「第14章  エネルギー基本計画の罠」は、8/3~ 紹介中です。

・・・既得権益側が国会議員を使って行政に圧力をかけ・・国民に見えないところで、こうしたことが当たり前に行われている・・・


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