原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

横浜市瀬谷区の排水路跡地の土 毎時6.85マイクロシーベルト、1キロあたり6万2900ベクレル

2012-03-02 12:22:00 | 放射能汚染

空調フィルター大量洗浄 瀬谷の高線量

横浜市瀬谷区の排水路跡地の土から二月、毎時六・八五マイクロシーベルトの高い放射線量が検出された問題で、市は一日、現場隣の空調設備会社が、放射性物質の付着した大量の外気清浄用空調フィルターを水洗いしたのが原因とみられると発表した。福島第一原発事故の影響とみられる。

 空調設備会社によると、昨年三月の事故後も十一月二十三日まで、神奈川県内の商業施設などの空調フィルター(縦横約五十センチ)を毎月数百枚、会社敷地内で水洗いしていた。廃水が排水路跡地に流れ、放射性物質が堆積したと考えられる。

 現場の土からは一キログラム当たり最大六万二九〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。市は土をコンクリート製の箱に詰め、現場に埋めて封じ込める。

 空調設備の業界団体が昨年十一月二十二日、空調フィルターの交換の際、作業員の被ばくに注意するよう指針を出し、同社は敷地内での洗浄を中止した。

 同社の担当者は「指針が出るまで、フィルターに放射性物質が付着したという考えはなかった」と話した。

(東京新聞 2012年3月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012030202000026.html?ref=rank


原発事故由来セシウム濃度 東京湾じわり上昇(いずれの地点も1000ベクレル以下)

2012-03-02 12:16:57 | 放射能汚染

原発事故由来セシウム濃度 東京湾じわり上昇

 福島第一原発事故による影響で、東京湾の荒川河口付近の海底で放射性セシウムの濃度が上昇していることが近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)の調査で分かった。国は現時点で東京湾で調査を行っておらず、山崎教授は「今まさに原発事故由来の放射性物質が、首都圏の放射能濃度の高い地域を流れる河川から東京湾に届いたところ。今後の推移を見守るため、国による継続的な調査が必要だ」と指摘する。 

 山崎教授は昨年八月以降、湾内の三十六カ所で海底の泥に含まれる放射性セシウム134と137の濃度(一キログラム当たり)を測定している。

 このうち、荒川河口の若洲海浜公園近くの地点では、泥の表面から深さ五センチの平均濃度が八月に三〇八ベクレル、十月に四七六ベクレル、十二月に五一一ベクレルと上昇。ほかの多くの地点でも濃度は上がる傾向で、湾の中央より河口付近で比較的高い数値が測定されたという。

 ただ、いずれの地点も一〇〇〇ベクレル以下で、国がそのまま埋め立てできるとする基準の八〇〇〇ベクレルを大きく下回っている。

 山崎教授は、核実験が盛んだった一九六〇年代に、河川から琵琶湖に流入したセシウムの研究データから、地形が似る東京湾へのセシウム流入のピークを一、二年後とみる。「半減期三十年のセシウム137はとどまるものの、半減期が二年の134は急速に減っていくため、今後、濃度が著しく上昇することは考えにくい」とする。

 河口付近の四地点では、約一メートルのアクリル製の筒を使って、泥のどの深さまで134が含まれているかを測定した。その結果、最も深い場所では二十四~二十六センチで検出された。

 東京湾の河口付近の海底では泥が堆積するスピードは年間一、二センチ程度といい、「泥の中を動き回る底生生物によって運ばれた可能性がある。このまま放射性セシウムが河口付近の泥の中に深く潜ってくれれば、湾全体への拡散が抑えられるだろう」と話した。

 山崎教授は東京湾で採取した魚介類の濃度も測定。検出限界値以下か多くても一〇ベクレル以下で、「このまま推移すれば全く問題のない数値だ」と指摘する。

 東京湾は湾口が狭く、外洋からの海水が流れ込みにくいため、閉鎖性の高い水域とされる。国は二月十七日から、東京湾に流れ込む荒川で放射性物質濃度の測定を始めており、四月以降、湾内の海水や海底の泥などの本格的な調査を始める。

(東京新聞 2012年3月2日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012030290070441.html?ref=rank