薄井光は何とか初段になったものの
二段への道筋が今一見えず悶々としていた
飲んべいの薄井は夏のビールを愛し
日本酒を最高の酒として晩酌をするのが常であった
これがやめられない
ああ酔っぱらって囲碁の練習してもダメだなあ
断酒しない限り俺の囲碁の成長はないのか・・・
そんな時
薄井はある色紙を碁盤の前にドンっと飾った
行ける
行けるかもしれない
あとは伊田篤を手に入れれば・・・
薄井光は何とか初段になったものの
二段への道筋が今一見えず悶々としていた
飲んべいの薄井は夏のビールを愛し
日本酒を最高の酒として晩酌をするのが常であった
これがやめられない
ああ酔っぱらって囲碁の練習してもダメだなあ
断酒しない限り俺の囲碁の成長はないのか・・・
そんな時
薄井はある色紙を碁盤の前にドンっと飾った
行ける
行けるかもしれない
あとは伊田篤を手に入れれば・・・
薄井光は初段になるために日夜練習に励んでいた
どうしたら壁を破れるのか・・・
そんな時、坂下インストラクターからある棋書を
勧められた
藁をもつかむ思いでその本を入手した
それから薄井はその本を碁盤におき
腕組みして表紙を眺めるのみを日課とした
五月設計事務所
深夜まで残業
締め切り前には連日の徹夜
土日にもこなしきれない業務に取り組むため
ほとんどの所員がPCに向かって作図を行っていた
「三六協定を取り交わしたさかい残業手当は20時間頭打ちや」
所長の岩隈の思惑であった
そんな中、所員の
厚味劫太郎が定時にだまぅて退社した
残された図面にある数値が書き込まれていた
154649