さて次は人間力ですが、今までと同様に以下の記述は1987年発行の「スシラ ブディ ダルマ」に準拠したものになります。
ジャスマニjasmaniについて語るのは難しいのです。
それは我々自身の事であり、今までの様に目で見て分かる様な、我々の外部にあるものについて語る様には、あるいは理解する様にはいかない。
それは丁度、他人の欠点は良く分かるが、自分の欠点となるとよく分からない、と言う事と同じようなものです。
さて、スシラ ブディ ダルマの本の構成として人間力の章は他の章とは異なり大きく2つに分かれています。
一つは今までと同じように諸力が人間に及ぼす影響についての記述です。
そうしてもうひとつはラティハンの進展と人として到達すべき状態について書かれた部分です。
そういう訳で、この章では今までの様に「諸力のこと」、「諸力とナフスの事」、そうしてこれはこの章に特別に書かれている「ラティハンの進展」について記述する事になります。
以下、人間力の章で人間力が人間に及ぼす影響について記述されている項目の概要です。
138~188ページ・・・人間力の説明、男女の性的結合とそれが人に与える影響について。(注1)
人間力の働きは地球上の事柄についての広い感覚と理解を与える。
人間力の影響は性的結合で生じる。
性的な結合はジワとジワの接触、結合でもある。
子供を生み出すのも人間力の作用の結果。
男性は人間の種子の最初の受け手である。<--リンク
女性は人間の種子を男性から受け取る、2番目の受け手である。
2人(男性と女性)が2人ともジャスマニレベルにある場合に起こること。
人体の性質はその人が持っている4つのナフスのバランスによって表す事ができる。(人の内部性質の土壌モデル)<--リンク
ラティハンは結局はこの4つのナフスのバランスを正常化させ、内部感覚の状況を改善するものである。
性的結合によって2人のもつ4つの諸力が互いに混じり合い作用しあう。
これによってお互いの諸力の状況が似たものになり、内部感覚のレベルもそのようになる。
その結果として子供が誕生すると、両親と同じようなレベルの内部感覚と諸力の組み合わせをもつ事になる。
(注1)人間力の説明(1~3)、男女の性的な結合によりそれが人に与える影響について。
人間力の説明(1)<--リンク
人間力の説明(2)<--リンク
人間力の説明(3)<--リンク
バパはスシラ ブディ ダルマを発表した後も多くのトークで人間力の性質とその働きについて語っています。
以下はそのようなトークから関連していると思われる部分の引用です。
そういう訳で以下のものはスシラ ブディ ダルマの人間力の章を補完するものとなります。
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11章アスマランダーナ5節~8節 1952年
・・・
これは一般に人間の身体(物理的な体そのもの)あるいは粗身と呼ばれるものの力である。
(粗身:荒い身体。それに対して微細身と呼ばれるのがスクマsukmaであり、別名をナフスという。)
しかしありのままを言えば、もし人間の身体がまだジャスマニ力で満たされていなければ、その身体を本当は人体(ジャスマニ)と呼ぶ事はできない。
実際には、ジャスマニ力と言われるものは、地球上の事柄について幅広い感覚と理解をもたらす力のことである。
人間の体がジャスマニJasmaniと呼ばれるのはそのためである。
それゆえこの力は事実、人間の力である。
すなわち人間自身の中にあり、従って彼の体はジャスマニと呼ばれる。
・・・
8月22日1959 バパ
魂が存在に入る方法、および魂の種類は、存在(注:Human Seed)が創造される前の出来事と創造された方法に依存します。
これは、バパは率直に言いますが、男性と女性の合一と関係があります。
ほとんどの場合の男と女の合一は、この世界で経験した雰囲気の蓄積であるエネルギーによって動機づけられています。
これ(合一)は目に見えるもの(になるであろう)もの(Human Seed)の中のレンズになり、どんな魂であれ(Human Seedに)入ろうとする機会を持っているものを目覚めさせ(そして誘引)します。
・・・・・
さらに新しい種子が、夫と妻が自分の力は自分の優位性の結果であると信じているような、自己優越主義的な性格を持っている場合には、通常の人間レベルの力(ジャスマニJasmani)の侵入の標的になり得る。
そのような人々は、神が彼らを創造したので、彼らがこの世界に存在することを感じ、認識しません。
実際、そのような人々は神の偉大さではなく、自分自身を崇拝するだけです。
(注:これは「ジャスマニ力の影響を受けるとそうなる」という解釈も成り立ちます。)
7月8日1970 バパ
今や第四の生命力、ジャスマニdjasmani生命力、人間の生命力、人間としての生命力。
それが人間自身の中で働くとき、それはムトマイナmutmainahと呼ばれるナフスnafsuとして現れる。
動物と同じように、人間の生命力と同じように。
あなたがジャスマニ djasmaniの生命力に影響されなかったのなら、あなたは世界で唯一の人間であったでしょう。
他には誰もいなかったでしょう。
もしそうであれば、あなたは自分一人で完全になります。
もちろん、神の意志は、人間がより低い生命力と共にこの世界に生きなければならないということであって、それらは彼自身の本来のレベル以下のもの、 物質的、野菜的、動物的、および通常の人間の生命力です。
12月5日1970 バパ
普通の人間の生命力から生じるナフス nafsuはムトマイナmutmainahです。
・・・・・・
あなた方がナフス ムトマイナnafsu mutmainahなしで暮らしていたなら、男性は女性に引き寄せられないと感じ、あるいは女性は男性に引きつけられません。
そしてあなたは、他の人間を世界に誕生させるという生命の働きのなかでの、あなたの役割を果たす事が出来なかったでしょう。
11月26日1972 バパ
それから、あなたにも近いナフスがもう1つあります。
ナフス ムトマイナnafsu mutmainahです。
これはジャスマニア jasmaniahの生命力、それは人間の生命力なのですが、そこから生じます。
あなたはジャスマニアjasmaniahの生命力から来たこのナフスが必要です。
あなたはそれを使用する必要があります。
これは本当に人生のためのエネルギーであり、人生をおくることができるエネルギー、結婚のためのものです。
あなたは未婚の男性が、この世界での幸福と充足のためにすべてのものを自分自身に確保しているのかどうか、そのようにして生計を立てるということに熱心でないことを聞きます。
はい、そうです。
彼もこれを行うことができます。
彼はそれをやる気があります。
しかし彼はそれほどその必要性を強く感じません。
人々が結婚すべきであることは確かに神によって定められています。
人間にとって結婚とは一つになる事です。
そして、あなたは男女間のこの合一の本質を学び実践する必要があります。(注2)
あなたは本当にこの一体感を感じることができます。
それはあなたが理解できるようになる為の最初の重要な場所です。
自分の配偶者の心を理解するまで、他の人の心を理解することはできません。
・・・・・
これが、あなたのためにこれらのナフスnafsuが皆さんにとって重要な理由です。
こうしてmutmainahと呼ばれるこのナフスによって、あなた自身のような人々があなた方の人生で一体感を感じることができるようにすること。
あなたが二人の間の一体感を感じることができたら、あなたは多かれ少なかれあなたをここにもたらした原因を知ることができます。(注2)
そのようにして、それはあなたの存在と同じです。
さてこんどは、あなたから出てくる子どもたちの将来の存在との関係を感じることがあなたの宿題になります。(注2)
したがって、バパが言ったように、それは明確な事です。
実際には、その知識はすでにあなた自身の中にあります。
いろいろな場所にそれを探しに行く必要はありません。
あなたがそれを感じることができるなら、あなた自身の奥さんと一緒であれば十分です。
あなたが(今)それを感じることができなくても、Subudではあなたは最終的にそうなるでしょう。
4月24日1984 バパ
・・・・・
それより高いのは、ジャスマニ jasmaniの生命力です。
これらはあなたの肉体の生命力です。
なぜそしてどのようにそれらはあなたのハート(感情心)とマインド(思考心)に影響を与えることができますか?
人と会うことを通してです。
あなたが宗教的で、善い人と仲良くなれば、宗教的で良いものになるでしょう。
しかし、例えば、盗むのが好きな人と付き合った場合、あなたも盗みが好きになります。
これが、人々が調和をもたらすような方法でお互いに会うように命じられている理由です。
それゆえに宗教によって定められたことに従うことができるように、例えば、シャハダットshahadat、(信仰の告白)、ソラットsolat (祈り)、断食、ザカット・フィットローzakat-fitroh(喜捨:慈悲)、ハジ haji(巡礼)などです。
1月19日1985 バパ
宗教では、兄弟姉妹の皆さん、シャリアットshariatとタレカットtarekatを実行できると言われていますが、しかし、我々はハケカットhakekatについて何もすることはできません。(注3)
それは神だけができる何かです。
ハケカットHakekatはコドラットKodratを意味し、それは神によって定められたものです。
このロホ へワ二アroh khewaniah、動物の生命力は、それはナフス・スピヤ nafsu supiyahと呼ばれ、人間の自己の中に願望として現れますが、それより高く、その上にあり、それよりも広いものが、ジャスマニア jasmaniahまたは人間の生命力です。
どのようにこのジャスマニアjasmaniahの力は人間に入るのでしょうか?
人々は動物や植物を食べることができ、また物質を使って着る物を作ったり、使うものを作ったりします。
(注:そうやって、あるいはその時に物質力や植物力、動物力は人の中に入ります。)
しかし、それは人間の力になると、それはどうやって人間の中に入れるのでしょうか?
これが、人間がその配偶者をもって、性行為を行う必要があり、それが必要とされる理由です。
これらの人間は、彼らの配偶者として良い性質の人をとるべきです。
もちろん、性交渉は、学ぶ事よりも、人々に対してより鋭く、より素早くその魅力をアピールします。
(注:異性のパートナーの人間力は性行為で外から中に入ってきて、その人が前もって持っていた人間力と混じりあう、そういう事になります。)
・・・・・・
それは高いものです、兄弟姉妹のみなさん、ロホ ジャスマニroh jasmani、人間の生命力、それは人間にとって最高のものであり、確かにこれは彼らにふさわしいものです。
それよりも高いレベルでは、この世界を離れることができます。
つまり、ロホ ロハ二roh rohani:それは彼らの心の影響とナフスnafsuの影響から既に解放されている人間のレベルです。
6月9日1985 バパ
それはもうすでに十分難しいのですが、まだ来るものがあります。
なぜなら、ここにはこれらの4つのナフスnafsuがあるのですから。
アマラamarah、アルアマaluamah、スピアsupiah、そうしてムトマイナmutmainahです。
今我々はナフス ムトマイナnafsu mutmainahに来ました。
それはあなたが仲間の人間と常に形成している関係の中に現れます。
あなたが仲間の人間との関係を持たなかったならば、どのようにあなたは国を経営することができ、どのようにあなたの人生をやってゆくことができますか?
それが普通の人間の生命力であるロホ ジャスマニアroh jasmaniahの働きです。
6月17日1985 バパ
そしてそれに加えて、人間の生命力であるロホ・ジャスマニroh jasmaniがあります。
これは男性にとってさらに大きな誘惑です。
この生命力の誘惑は、2つの性の相互作用によって生じます。
これは大きな誘惑です。
そして男性がこれを正しく扱う事ができなければ、彼にとってその結果は非常に深刻です。
たとえば、男性が自分の妻の自由を制限したり、何らかの形で彼女に危害を加えたりすると、それは彼にとって非常に深刻な結果をもたらします。
同様に、妻が自分の夫の自由を制限したり、夫に危害を加えた場合、彼女には非常に深刻な影響があります。
なぜバパはこれの結果が深刻だと言うのでしょうか?
それは男性と女性の関係から人間の種子が作られるので、そして言い争いに満ちた人と人との関係から作られた人間の種子は、不和に満ち、愛情が欠如した、良い性質を持っていない人間の種子になります。<--リンク
その種子は両親を尊重せず、両親の希望に従わないことを望む子供になるでしょう。
6月24日1985 バパ
男性と女性。
それから私たちは人間の生命力、ロホ ジャスマニroh jasmaniに来て、それはナフス・ムトマイナnafsu mutmainahを生み出します。
そして、これは、夫と妻の関係、または男と女 - 男性と女性の交流から来るものであり、あるいはそれによって現れるものである。
もう一度、あなた方はそれを取り除こうとすることができます。
しかし、男女間の関係を無視したり横にどかしたりした結果は、あなた方は人類と言うものを作り出す事はないでしょう。
あなたが人間を創造するのはその関係を通っているからです。
しかし、もう一度、あなた方は慎重でなくてはならず、あなた方は良い男性と良い女性を会わせる必要があります。
言い換えると、善良な男性は、適切な、それに相応して良い女性を見つけようと努めるべきです。
それはカップルの中にあるものはすべて共有されるからです。
だから純粋なジワjiwaを持つ男が純粋ではない女性と結婚すれば、彼は彼女の不純物が何であれ半分を得るでしょう。
そして同様に、純粋な女性が純粋でない人と結婚した場合、彼女は彼の中にある何らかの問題やミスの半分を何であっても得る事になります。
それが「一緒になった(結婚した)」と言われたときのことです。
彼らはすべてを共有します。
ここで言われているように、彼の妻は彼について天国に行き、しかし、もし彼が地獄に行くならば、彼女は彼と一緒に引きずり下ろされます。(注4)
彼らはお互いにそのようにする以外に選択肢はありません。
従ってパートナーの選択は非常に重要であることは明らかです。
今、あなたが間違った選択をしたと仮定します。
あなたはあなたが仲良くやっていくパートナーを持っていないと仮定すると、あるいはあなたはパートナーが間違っていると感じた時に、だったらあなたはどうしますか?
あなたは神に向かう、変えることができるのは神なので、神は壊れているか適合していないものを改善し、変更し修復することができます。
しかし、人々はこれを理解せず、Subudの人々はオープンされた後、非常に頻繁に彼らはすぐに言うのです。
「オー神よ、私は間違った妻を持っていることが今分かりました。私は行って、正しいものを探す方が良いでしょう。」
彼らは彼らがスタートラインにいる事を理解していない。
そこから彼らは働かなければならない。
彼らは彼らがいる状況を改善しなければなりません。
したがって、男性だけでは不完全であることは明らかです。
完全であるためには、男性には女性が必要であり、または女性には男性が必要です。
しかし、本当に完全であるためには、彼らはまた、子供が必要です。
実際、子供がいないカップルは不完全です。
実際には、自分自身がどのように創造されたかを理解し経験することができるのは子供を持つことによってのみであり、それによって彼らは生命の創造を目の当たりにして経験することができます。(注2)
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上記バパのトークの部分についての英文からの引用は以下を参照願います。
Susila Budhi Dharma・Chapter 5 Nature and function of Human force<--Link
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(注2)
結婚そして性的合一、その結果生まれてくる子供、それらについては通常は意識されない霊的な意味があります。
それらについての詳細な記事にはこちらから入れます。<--リンク
(注3)
シャリアットshariatとタレカットtarekat、ハケカットhakekatについてはこのような記事もあります。<--リンク
ご参考までに。
(注4)天国と地獄
ここではバパはあたかも7つの世界以外に天国と地獄が存在するかのような話し方をしています。
しかしながらそれは単に「良く使われているコトバであって、分かりやすい」という意味以上のものはない様に思われます。
バパが想定している生命世界は7つであって、それ以外に天国界やら地獄界やらが存在する、というようにはバパは言っておられません。
バパの「7つの天」(7層の世界)には天国と言う名前も地獄という名前もでてきません。
そうでありますから、これはこの7つの世界の内のどこかの世界を指しているものと思われます。
そうして、我々が生まれ変わり、死に変わりして生きてゆくこの地球は少なくとも天国ではないでしょう。<--リンク
そうすると天国というのはロハ二Rohani以上の世界である事がわかります。
さて、それでは地獄というのはどこでしょうか?
まあそれは「言わぬが花」というものであります。
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PS
こうして4つの諸力、4つの生命力についてのトークを見てきて分かる事は、二代目は全く4つの生命力については説明もコメントもしていない、という事であります。
この事は二代目のスタンスについてある事を語っている事になります。
つまり、4つの諸力、4つの生命力の働き、その性質、人間に与える影響についてのバパの説明を無視している、と言う事になります。
さて我々の協会がほかの団体に比べてユニークである、という、その特徴はラティハンとそれから9つの生命力からなる世界観でありましょう。
特に9つの生命力に関しては協会のシンボルマークにするほどに、「重要なもの」という位置づけであります。
しかしながら二代目はその重要な生命力で、しかも我々のこの世界での生活に直結している4つの生命力については何も語らないのであります。
さて、その様である二代目は「バパの主張を正確に伝える者」といえるのでありましょうか?
そこには非常に大きな疑問が存在している様であります。
PS
性的合一によるお互いの内部感覚の接触、あるいはジワJiwaの接触、これは人間力の作用というよりは人の身体構造が持っている基本的な力の様に思われます。
そうでありますから、その人のジワのレベルが何処にあろうとも、性的な合一によって、相手との物理的な接触に付随する形で内部の接触も起こるものと思われます。
他方で、その事とは別にその人のJiwaのレベルと言うものが想定されています。
今まで述べてきた4つのナフス、これはどのような人であっても所有しているものなのですが、どのナフスをおもにつかっているのか、どの生命力に主に支配されているのかということによって、その人のJiwaのレベルが何処にあるのかが分かります。
そのようなJiwaのレベルとは別の話として性的な合一によるお互いの内部感覚の混合と、それから妊娠、出産、子供の誕生という一連の出来事が起きてくるのですが、それは人間の人体がもっている作用、働きによるものであると理解されます。
その働きを称して「人間力」というのならばそれでもいいのですが、そこで言われている「人間力」というものは決してムトマイナを生み出すような事はない様です。
そういう意味ではその人のJiwaのレベルがジャスマニであるが故に、ムトマイナがそこにあるのであって、パートナーを得て子供を持てたが故にムトマイナがそこにある、というのではないのであります。
そこのところは、誤解がない様に特に申し添えさせていただきます。
(注:ここでいっているムトマイナとは異性を認識するためのもの、というよりは、より広い感覚であり、内部に平安を生み出し、エゴ的でない様な、本来の人間的なふるまいを人に起こさせるものの事になります。<--リンク)
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