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「パソコンヲタクの雑記帳」
 PC/Linux系/物理・化学で遊んでいます。
思いついたことを綴っています。

部活:MOPAC の勉強

2009年03月21日 | 理科部 部活
昨日までの累計アクセス数=101,230。 ご訪問ありがとうございます。


化学部活:エタノール」で導入した MOPAC を使うと
化学反応のシミュレーションができる?


いろいろ探して、s2k さんのサイト「Sn2 Reaction」を見つけました。


そこには、「反応機構解析」として、
  Sn2反応・・・有機化学専攻の人なら知らない人はいない、
  最もベーシックな反応機構です。
  ここでは、簡単な組み合わせとしてヨードメタンとフッ素アニオンで、
  Sn2をシミュレーションしてみたいと思います。
とありました。

さしずめ、PCの世界では、MBR(Master Boot Record)とか、
物理的なHDDの区画(パーティション)や
論理的なFATファイルシステムのようなこと かな?


化学反応としては、
 CH3I + F -> I + CH3F
と云うことでしょうか。

勉強しなくっちゃ!

そこでの書き出しは
  まずはヨードメタンの最適化。
  Winmostarでメタンを作成し、一つの水素をヨウ素で置換します。
  キーワード「PM3 EF PRECISE」で最適化します。
  最適化されたヨードメタンのヨウ素の反対側に、
  [Add]ボタンを使って少し離し気味にフッ素を置きます。
  フッ素は図(省略)に示すように、炭素・水素・ヨウ素の順で結合関係を定義し直します。
  実はこれが重要だったりします(こうしないと変な形に収束し易い)。
  フッ素の結合距離を3.0ang にし、最適化フラグを0にして固定します。
です。

以下、自分流に要点をメモします。 s2k さん ごめんなさい。


キーワードに「CHARGE=-1」を忘れずに付ける。
最適化が終了すると、水素とフッ素が相互作用したような構造が得られる。
この構造を初期構造として、MEP計算を実行する。

フッ素の結合長の最適化フラグを -1 に設定し、
追加データ欄に「2.9 2.8 2.7 2.6 2.5 2.4 2.3 2.2 2.1 2.0」と入力。
データを保存し、MEP計算を実行。


出力 arcファイルのC-F結合長とエネルギーの値を見る。
2.9ang から2.7ang まではエネルギーが低下し、
そこから2.2ang まで緩やかに上昇し、その先で急激に低下している。
つまり、 2.2ang 付近にエネルギーの峠が存在する。


C-F=2.2ang の構造データを抽出し、これを遷移状態へ最適化する。
arcファイルの中のC-F=2.2ang の部分のz-matrixを切取、別名で保存。

候補構造を遷移状態へ最適化するには、キーワード「TS」を用いる。
抽出した候補構造の、フッ素の最適化フラグを1に戻し、
キーワード欄を「PM3 TS PRECISE CHARGE=-1」にする。
データを保存し、TS計算を実行。

計算が終わると、最適化された遷移状態が表示される。
C-F結合は凡そ2.16ang。


次に、振動計算を行う。
振動計算のキーワードは「FORCE」。
最適化構造の表示状態で、キーワード欄を「PM3 FORCE LET CHARGE=-1」とする。
「LET」は予備最適化しない指定。
(FORCE は振動計算の前に構造最適化を行おうとするのでこれを止める)
データを保存し、振動計算を実行。

虚振動 (MOPACでは負の値として出力される)が唯一つある。
その振動の成分は、C-H 変角とC-F 伸縮。
Sn2反応の遷移状態と見てとれる。


最後に、
最も正確に遷移状態を確認する方法:極限的反応座標(IRC)計算を実行する。
IRC計算は、遷移状態の振動に基づいてエネルギーの山を下り、
原系・生成系とをつなぐ計算。
この出力から正確なエネルギー・プロファイルを作成することができる。

入力ファイルは、遷移状態から原系へ向かう計算と、
生成系に向かう計算と両方必要。
キーワードは「PM3 IRC=1 LARGE=100 CHARGE=-1」と
「PM3 IRC=-1 LARGE=100 CHARGE=-1」。
LARGEキーワードは、IRC計算の何サイクル毎に構造を出力するかである。
この計算は最も時間のかかる計算。

MEP計算のときと同じように(arcファイルは出力されない outファイルから)、
ファイルの一番最後に近い構造(=グラフの端に当たる構造)を抽出し、確認。
IRC計算では、IRC=1が生成系、-1が原系に向かう。

IRC計算の出力をグラフに変換して見る。


以上で、
 CH3I + F -> I + CH3F
がシミュレーションできる!

と云うことで、化学部 部活9日目終了です。
s2k さん 有り難う御座いました。
非常に解りやすく勉強になります。
 

みなさん、何かの参考になりましたでしょうか??? 



見ていただきありがとうございました。
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