付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す9上」 Schuld

2023-12-02 | 異世界転生
「礼節は鎖帷子と同じ物。身につけているだけで、最低限身を守れる」
 エーリヒはまだ未熟な冒険者たちに剣のみならず、さまざまな知恵を与える。とりあえず風呂に入れと。

 辺境の街マルスハイムにマルギットと共に腰を落ち着け冒険者となった金の髪のエーリヒだったが、いろいろ吟遊詩人に歌われるような冒険を生き延びて中堅になろうとしている冒険者は、使い勝手の良い手駒を手に入れたい貴族には格好の獲物だ。冒険者ギルドを通じてマルスハイム辺境伯が囲い込もうとしているのに気づいたエーリヒは、その手をかいくぐるのにかつての雇用主アグリッピナの手を借りてしまったのだが、この先のことを考えたら貴族が簡単に手を出すのを躊躇うくらいにはならないと覚悟した……。

 街に出来は悪いけど強力な麻薬が蔓延ってバルドゥル氏族のナンナが怒り狂うあたりから始まり、意図がつかめない凄腕情報屋シュネーの暗躍、初体験、冒険者ギルドの不審な動き、ウビオルム伯爵による拾遺奇譚局の誕生と盛りだくさん。
 作者曰く9割5分を書き足したという、ウェブ版ではいろいろあって剣友会という組織(氏族)を立ち上げましたで済ませていた部分をしっかり書き込んだ回で、ただでさえ500ページ近い分厚さなのにこれが上巻という恐ろしさ。剣友会設立話としては半ばだけれど、別に単なる「9巻」ではいけなかったのですか?
 表紙イラストのシュネーは、この巻の裏テーマ「情報の正しさ」の象徴。GMの寄こす情報が全て真実とは限らないよ、間違った情報を元に間違った行動をしたときの恐ろしさを語ります。

【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す9上 ~ヘンダーソン氏の福音を~】【Schuld】【ランサネ】【オーバーラップ文庫】【WEB発データマンチ冒険譚】【小説家になろう】【猫は見ている】【拾遺奇譚局】【我らは正しき剣の友となろう】
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