付け焼き刃の覚え書き

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「私の心はおじさんである」 嶋野夕陽

2023-07-19 | 異世界転生
 友人も恋人もいない孤独な毎日を過ごしていた43歳のサラリーマン、山岸遥は気がつけば異世界にいた。死んだ覚えも何もないのだが、その身体は見事なプロポーションのダークエルフの美女になっていたのだ。
 その能力はまさにチートな、肉弾戦も強い、魔力無尽蔵の魔法使い。けれども、臆病でお人好しで対人関係が苦手なおじさんの心が足枷になって、異世界の片隅で冒険者になって日雇い暮らしで生きていこう……くらいのつもりになっていたのだが……。

 力の加減が出来なくて練習試合でも相手を殺しかねない最強美少女ダークエルフ(心はおじさん)の冒険譚。鋼の肉体に圧倒的な魔法力を持ちながらもウジウジしていたハルカが、同期で冒険者登録した少年少女たちに誘われるままパーティを組み、自分の世界を広げていく物語です。
 ウェブでも読んでいたけれど、書籍を読んでいたら思わず続きが読みたくなり、駆け足で最新話まで。まとめ読みしたら、また面白かったよ。赤ん坊を拾ったあたりから一気に面白くなりましたが、話がパターンにはまらずに愉しく読めます。
 レギュラーメンバーの顔ぶれが多彩なのも特色。肉体言語に走りがちな少年と金勘定が最優先の少女の幼馴染みコンビに、ドワーフの息子で物静かで小柄な獣人の少年を軸に、なんでもできるけどなんにもしないハルカが巧く絡み合います。ここからさらに一癖も二癖もある仲間が増えてきますので、続きがますます楽しみになります。
 あ、この話は『ロードス島戦記』以来の由緒正しき「エルフは肌が白くて美人でスリム、ダークエルフは肌が褐色でグラマラス」な作品です。

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