みなさんこんにちは、平野です。
今回は、前回ご紹介した私の友人サルーンがボランティアで活動するYCC(Youth Council of Cambodia=カンボジア青年評議会)の実施する民主主義講座について、ご紹介したいと思います。
【支持政党の違いを認めよう】
まずはliving democracyと呼ばれる13歳から17歳の子どもたちを対象にした初級編のワークショップに参加したときの印象をお話します。私の印象に残っているのは、カンボジアらしく支持政党の違いに対する寛容を強調していた点です。
説明にはゲーム的要素が取り入れられています。黒板に「寛容」と書かれた紙と「不寛容」と書かれた紙が貼られ、何人かの生徒が机の前にずらっと並び、前回もご紹介したYCCスタッフの高校の先生が読み上げる問題に対し、答えだと思うほうの紙に走っていくのです。例えば、“夫婦で支持政党が違うからといって、喧嘩をしたり対立したりする、これは寛容か不寛容か?”といった問題です。
これはしかし、なかなかに興味深い話です。考えてみれば人々が別々の支持政党を持って激しく議論することは実に民主的とも言えます。ともあれ、現実にカンボジアでは与党の力が圧倒的に強く、野党の支持者が差別されることが多いので、この「寛容」の精神を広めることが重要であることは間違いないでしょう。
【民主主義者よ、よき市民たれ】
さて、今度は18歳以上の若者向けのAdvanced Democracy Seminar(=上級民主主義講座)についてご紹介します。こちらはさすが上級編といいますか、democracyという言葉の起源から始まり、三権分立へと話は進みます。そんな中私が興味深く感じたことは「民主主義」と「良き市民である」ことが非常に密接に関連付けられて提示されていたことです。このワークショップでは「民主主義の実現のために若者が守らねばならない道徳」にようなグループディスカッションがあり、以下が挙げられました。
1麻薬を使用しない 2賭け事をしない 3非暴力 4勉強する
5盗みをしない 6伝統を守る 7人権を尊重する
8ギャングに加わらない 9親や先生、年長者を大切にする 10環境に配慮する
いいことを言っているのですが、民主主義の世の中だと賭け事をしちゃいけないわけじゃないし、勉強怠けたら民主的でないわけでもないし…ですよね?しかしお隣ベトナムの共産主義も、本家コミンテルンの意向からドンドン外れ、農民の愛国運動という側面を強く持って発展したように、民主主義にもその国ごとの発展の仕方もあるということだと思います。
【民主的で人権の守られたカンボジアの担い手になるのは君たちだ】
なんにせよ、こういったワークショップで上記のような「若者の道徳」みたいなことを高校生がマジメな顔で語っているのは印象的でした。私の若い頃(今も若いですが、もっと若い頃!)を考えても、日本の若い人の間では、照れなのかなんなのか、マジメな話をマジメな顔で話すことがかっこ悪いとされてからもう随分経つような気がします。※同時に、この仕事を始めてから、NGOのボランティアなどに参加する意識の高い若者とめぐり合い、感激することが多いことも付け加えておきます。
現政権に、現状に疑問を呈し、異議申し立てをしていくことは非常に大切ですが、無力感にさいなまれることも少なくないかとも思います。一方で、将来のよりよりカンボジア社会の実現のため真剣に議論する若者たちを見ていると、とても勇気づけられるとともに、こうした地道な活動がいつか実を結ぶことを信じて草の根の活動を展開していくことの重要さを思わずにいられません。これはもちろん、国際子ども権利センターが支援する子どもの権利の普及にも全く同じことが言えます。
※写真は先生の読み上げる問題を聞きながら、少しでも早く走り出そうと構える子どもたちです。
みなさんもこの地道な活動の一部になってください ↓
http://jicrc.org/pc/member/index.html
今回は、前回ご紹介した私の友人サルーンがボランティアで活動するYCC(Youth Council of Cambodia=カンボジア青年評議会)の実施する民主主義講座について、ご紹介したいと思います。
【支持政党の違いを認めよう】
まずはliving democracyと呼ばれる13歳から17歳の子どもたちを対象にした初級編のワークショップに参加したときの印象をお話します。私の印象に残っているのは、カンボジアらしく支持政党の違いに対する寛容を強調していた点です。
説明にはゲーム的要素が取り入れられています。黒板に「寛容」と書かれた紙と「不寛容」と書かれた紙が貼られ、何人かの生徒が机の前にずらっと並び、前回もご紹介したYCCスタッフの高校の先生が読み上げる問題に対し、答えだと思うほうの紙に走っていくのです。例えば、“夫婦で支持政党が違うからといって、喧嘩をしたり対立したりする、これは寛容か不寛容か?”といった問題です。
これはしかし、なかなかに興味深い話です。考えてみれば人々が別々の支持政党を持って激しく議論することは実に民主的とも言えます。ともあれ、現実にカンボジアでは与党の力が圧倒的に強く、野党の支持者が差別されることが多いので、この「寛容」の精神を広めることが重要であることは間違いないでしょう。
【民主主義者よ、よき市民たれ】
さて、今度は18歳以上の若者向けのAdvanced Democracy Seminar(=上級民主主義講座)についてご紹介します。こちらはさすが上級編といいますか、democracyという言葉の起源から始まり、三権分立へと話は進みます。そんな中私が興味深く感じたことは「民主主義」と「良き市民である」ことが非常に密接に関連付けられて提示されていたことです。このワークショップでは「民主主義の実現のために若者が守らねばならない道徳」にようなグループディスカッションがあり、以下が挙げられました。
1麻薬を使用しない 2賭け事をしない 3非暴力 4勉強する
5盗みをしない 6伝統を守る 7人権を尊重する
8ギャングに加わらない 9親や先生、年長者を大切にする 10環境に配慮する
いいことを言っているのですが、民主主義の世の中だと賭け事をしちゃいけないわけじゃないし、勉強怠けたら民主的でないわけでもないし…ですよね?しかしお隣ベトナムの共産主義も、本家コミンテルンの意向からドンドン外れ、農民の愛国運動という側面を強く持って発展したように、民主主義にもその国ごとの発展の仕方もあるということだと思います。
【民主的で人権の守られたカンボジアの担い手になるのは君たちだ】
なんにせよ、こういったワークショップで上記のような「若者の道徳」みたいなことを高校生がマジメな顔で語っているのは印象的でした。私の若い頃(今も若いですが、もっと若い頃!)を考えても、日本の若い人の間では、照れなのかなんなのか、マジメな話をマジメな顔で話すことがかっこ悪いとされてからもう随分経つような気がします。※同時に、この仕事を始めてから、NGOのボランティアなどに参加する意識の高い若者とめぐり合い、感激することが多いことも付け加えておきます。
現政権に、現状に疑問を呈し、異議申し立てをしていくことは非常に大切ですが、無力感にさいなまれることも少なくないかとも思います。一方で、将来のよりよりカンボジア社会の実現のため真剣に議論する若者たちを見ていると、とても勇気づけられるとともに、こうした地道な活動がいつか実を結ぶことを信じて草の根の活動を展開していくことの重要さを思わずにいられません。これはもちろん、国際子ども権利センターが支援する子どもの権利の普及にも全く同じことが言えます。
※写真は先生の読み上げる問題を聞きながら、少しでも早く走り出そうと構える子どもたちです。
みなさんもこの地道な活動の一部になってください ↓
http://jicrc.org/pc/member/index.html