こないだ、IC-706MKⅡG(以下706)で、FT8を運用するという記事を書いたが、今度はFT-847(以下847)でFT8ができるかやってみた。しかし、古い無線機ばっかりだな。
Digiadeは706用に買っていたものを利用した。Digiaid⇔847の接続ケーブルは、別途発注した。847側は、PKT端子に接続します。これで、PTT/DATAIN/DATAOUTがコントロールできるはず。
WSJT-Xの設定は、706と同様。無線機はNONEにするので、左半分のCAT設定はグレーアウトされます。PTTは、RTSを選択します。
これで、WSJT-XのRDIO設定で、PTTのテストをするとOKのようです。受信はできており、パソコンでのデコードは良好です。
なんなく設定完了か?と思いきや、送信できません。
①WSJT-Xでコントロールしようとすると、一瞬PTTがONにはなるがすぐに受信に戻ってしまう。
Digiade本体のPTTボタンで強制送信すると、PTTはONになるが変調がかからない。
②Digiade⇔847のパケット端子は1200bps接続なので、847は1200bpsに設定してある。(工場出荷時の設定) DATA_INが9600bpsの場合は、接続端子が異なります。
③847の設定を9600に変更したら、PTTが安定してON/OFFできるようになった。しかし、あくまでDATA_INは1200bpsなので、パソコンからの音声データは847に入力できない。847の設定で9600に変更すると、パネルに9600と表示されます。
うーむ、これは困ったな。いろいろネットで調べてみても、847でFT8をしている記事がほとんどない。
④受信はOKで、送信は9600にするとPTTがたたける。ならば、DATA_INだけ他の方法で入力できないか? 847にはパケット端子以外に、DATA端子がある。これを使えないか?
パソコンのSP端子から、10μFの電解コンデンサを通して、DATA_INに接続してみました。コンデンサを通さないと、強制的にPTTがONになってしまいます。
➄やってみたら、DATA_INがうまくいかず、変調がかからない。やはり、DATA端子でPTTのコントロールもしないと、ダメなのか?
⑥最後の手段として、MIC端子から入力することにする。手持ちのマイクコネクタがあったので、パソコンからのSP出力を接続しました。
シールド線の心線が8番で、GNDが5番ピンです。
こんな感じです。当然、MICは外します。
⑦ダミーロードを接続し、送信テストを行って、FT8の信号が送出されることを確認しました。ボーレートは、1200に戻しましたが、良好に動作します。良くわからないが、1200でも動作するようになった。しかし、再度パソコンからのSP出力をDigiadeに接続すると、やはりPTTをたたけません。なぜだろう?
⑧847には、ALCメーターがないので、パワーメータの振れやモニター音を聞きながらMICゲインで変調レベルを調整し、過変調にならないようにします。
⑨Digiadeには、CAT機能がないのでWSJT-XのDXペディションモードには対応しません。
(10)847には、モニター機能があるので、送信の変調波をスピーカーで聞くことができます。工場出荷時は、そこそこ大きい音に設定しているので、聞きやすい音に設定し直すといいでしょう。
無理くり感はありますが、これで847でFT8が運用できることが分かりました。なんか、もっと効率的な設定方法があればいいのですが。いろいろやってみて、何か発見したら追記します。
それと、FT4の電波形式追加届出を、〇〇総合通信局に出しています。うまく受理されたら、詳細を報告します。
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FT-847は、1.9MHz~430MHz帯をカバーする、オールモード機です。特に、サテライト機能が売りで、正面パネルにも「SATTERAITE」と誇らしげに記載があります。また、CW用にAFフィルターを使えば、高価なCWフィルターを別途購入しなくてもOKというのもありました。
サテライトについては、20数年前の低軌道衛星全盛時代に、JAS-2やFO-21などの衛星を使い、日本国内およびアジア周辺の局とQSOできました。その当時は、残念ながら超楕円軌道衛星はすでに寿命が尽きており、新規に打ち上げた衛星は、楕円軌道投入時のアポジモーターの点火時にV/UHFのトランスポンダが吹っ飛び、1200/2400MHzのみ辛うじて生き残るという大惨事になってしまったので、衛星経由のDX QSOは諦めました。
CWについては、AFフィルターを使えばOKという触れ込みですが、IFは広いままなのでSメーターは混信でバンバン振れます。フィルターで通過する帯域の音のみ聞こえてはきますが、本格的にCWをやろうとしたら我慢できるものではないので、結局0.5KHzのCWフィルターを実装しました。これは効果抜群で、コンテストでもある程度使用に耐えうるようになりました。
SSBの音は、はっきり言って良くありません。SSBについても、送信/受信用に各々オプションのフィルタがあるのですが、高価なため当時は買うことができず、実装していません。HFのメイン機でもなかったですしね。
このオプションのSSBフィルタが、音質の向上に役に立つかどうかは分かりませんが、今となっては入手もできず、やはり少し無理しても買っておけばよかったかなとも思います。
故障はしませんので、良くできた無線機と思います。一度も、ドック入りしていません。受信感度の低下もなく、送信パワーも規定値出ています。これからFT8で少し活躍してもらおうと思っているので、しばらく元気でいて下さい。(笑)
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7MHzのFT8を運用しました。
FT-847のパワーは、2W程度に絞ってます。アンテナは、1/2波長のフルサイズダイポールです。WSJT-Xのウォーターフォールを見ながら、空いている周波数で、国内局向けにCQを出しました。QRPなので、呼ばれないだろうと思いながらパソコンの画面を見ていたら、呼ばれるではありませんか。
QRPのため、相手局との信号強度差は、7~15dBほどあるのですが、意外なほど飛んでいるようです。もらうレポートは、-20dBとか-22dBとかもあるのですが、弱くても相手局がデコードさえできればQSOできるので、FT8はQRPにとって非常にFBです。
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144MHzのFT8を運用しました。
FT-847のパワーは、10~50Wで相手局との距離等から考慮して、調整しました。アンテナは、16mH程度の144/430MHz共用のモノポールです。(タワートップに設置しています)周波数は144.460MHzで、ModeはUSBです。
福岡市内は、数局QSOできました。さすがに近いので、信号はめっちゃ強くすぐに応答がありました。北九州と熊本の局は、-7dB程度で入感していたので、いけるかなと思って呼びましたが、応答がありませんでした。出力は、MAX50W出してもNGです。4エリアは、山口市の局を呼んだら応答がありましたが、下松市の局は50Wで呼んでもNGでした。
こちらが無指向性のアンテナなので、それほど飛んでいる感じはしません。相手局の耳が良く、アンテナがこちらに向いていれば、交信できないことはないというところでしょうか。
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430MHzのFT8を運用しました。
周波数は430.510MHzで、ModeはUSBです。土日を含む数日ワッチしましたが、FT8の信号は聞こえません。FT-847のパワーを最大50WにセットしてCQを出しますが、応答がありません。福岡近郊では、430MHzのFT8運用局は非常に少ない感じです。
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Digiadeの配布ページ
http://nksg.net/usbif4cw/product/feature_digiaid/