恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/22(木)末廣亭夜席(主任:古今亭菊之丞)

2020年10月23日 | 噺とか
「末廣亭友の会」のチケットが10月までということで、末廣亭に行ってきました。
芸協のお披露目が先日まで行われており、
そちらに行ってみようとも思ったのですが、
情報を調べるとかなりの盛況ぶりで、夜席なのに昼から整理券が出ている様子を見てパス。
改めて10月下席、菊之丞師匠の芝居をチョイスしました。

17時過ぎに到着すると、ギリギリつ離れするレベルの客数にコロナ禍の影響を実感。
客席は人数制限は撤廃されているものの、
常時窓を開けて換気しているのと、食事は禁止。
まだまだ窮屈ではありますが、徐々に良い方には行っているのかな。

前座後の古今亭始さんのところから入場しました。

「のめる」     始
「漫才」      とんぼ・まさみ
「芋俵」      三朝
「弥次郎」     小せん
「ものまね」    小猫
「鮫講釈」     さん助
-仲入り-
「支度部屋外伝」  歌武蔵
「奇術」      アサダ二世
「道灌」      扇辰
「やかん」     圓歌
-仲入り-
「糖質制限初天神」 馬るこ
「漫才」      笑組
「あくび指南」   文菊
「ぼやき酒屋」   はん治
「ジャグリング」  ストレート松浦
「素人鰻」     菊之丞

喬之助師匠の代演でさん助師匠、「鮫講釈」でした。
これ、講談を伯山先生で聞いて以来なので、落語では初めて。
もっとも落語のネタなので、こっちのほうが元祖なんですかね、
飄々としたさん助師匠、講談の語り口も絶妙でございました。
楽しい噺ですね。

扇辰師匠の「道灌」は初めて聞いたような。
やはり味わいのある高座ですね。
ゆっくりと楽しめます。

馬るこ師匠の「糖質制限初天神」は2度目。
とはいえ、今日唯一の新作だったこともあってか、
少ない人数ながらも会場は大いに沸きました。
馬るこ師匠の新作、どれも味わいがあっていいんですよね。

文菊師匠を末廣亭で見るのは初めてのように思います。
だいたい鈴本か、時として池袋のイメージ。
聞きなれた「あくび指南」ではありますが、やはり面白い。
所作が美しく、表情でも楽しませてくれる楽しい高座です。

はん治師匠も「妻の旅行」以外を聞いたのは久しぶり。
この「ぼやき酒屋」もはん治師匠か歌武蔵師匠ぐらいしかやられないのかな?
もともとは上方の文枝師匠の作ですが、もっとやる人がいてもよさそう。

トリの菊之丞師匠、マクラでは柳家と古今亭の違いについてあれこれ。
いわゆる「士族の商法」について一通りの説明があったのち、
鰻屋を始める士族と、「神田川の金」のやりとりへ。
初めて聞く噺だったのですが、下げの部分で「鰻屋」と同じところに落ち着くんですね。
調べてみると、元は別々の小噺から生まれたといいますが・・・。
なお、マクラのところで、鰻屋を始めた元手のお金を「奉還金」といい、
これは大政奉還によって武士に支払われたというような説明があったように思いますが、
正しくは秩禄処分の際の「秩禄奉還の法」によって士族に支払われたものでは、
と思ってしまいました。
字は同じですから、単純にその説明だっただけかもしれませんが。

少ない人数ながら活気はある末廣亭の夜席。
たっぷりと楽しむことができました。
悩むべくは、換気のために窓を開けているので、
近隣の飲食店からのいい匂いが空腹を刺激することぐらい。
食事禁止の弊害はここにありますねぇ。

恐懼謹言。

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