恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/2(日)黒門亭 一部 (節分豆まき 主任:台所おさん)

2020年02月02日 | 噺とか
毎年この時期がやってくると、寄席の豆まきの話題が気にかかります。
寄席や落語会に行くのはのんびりと寄席演芸を楽しむことですが、
多少の物欲もある私は節分のこの時期、寄席の豆まきへのアンテナが高くなります。
今まで鈴本や池袋など、寄席の豆まきに行ってきたわけですが、
先年、節分 : 時蔵のこんな話あんな話を見て、
なるほど、こういう時に黒門亭というのもありだと考えて、足を運んで見ました。

いっ休「道灌」
正太郎「鼻ねじ」
我太楼「時そば」
-仲入り、豆まき-
アサダ二世「奇術」
おさん「井戸の茶碗」

前座のいっ休さんは一之輔師匠の3番弟子とのこと。
特徴的なヘアスタイルで、高座返しをしているところは何度か見ているような。
落語を聞くのはこれが初めてですが、妙にこなれているというか。
いい意味でも悪い意味でも前座さんらしくない「道灌」で、
やはりくすぐりなどは一之輔師匠譲りなのでしょう。
兄弟子の喜いちさんや与いちさんとも共通するところがあるかもなー。

正太郎さんも久しぶりに高座で拝見します。
以前、埼玉での独演会でお見掛けして以来でしょうか。
結婚したばかりの馬久さんや一花さんの話などに触れ、本題へ。
まもなく節分で、春の噺を、と「鼻ねじ」。
この噺、聞いたのは初めてなので、調べてみると「隣の桜」とも言うようで。
なんとなく「たけのこ」とも似たような噺かなぁ、などと思いましたが、
学問を鼻にかける学者先生をぎゃふんと言わせる、
なんとなく楽しいお話なのでありました。
まだまだ知らない噺があるものです。

我太楼師匠もおそらく初めてお見掛けする師匠かも。
大きな体が印象的で、力強さを感じます。
旅の仕事で鹿児島に行ったり、はたまた夫婦で北海道に出かけたり、と、
旅の話をマクラであれこれとされていたので、そんな噺かなと思いきや、
スタンダードに「時そば」なのでありました。
うーむ、マクラが面白かっただけにちょっと期待度が上がっていたのですが、
本編はいたってシンプルでした。いや、よかったんですけどね。
黒門亭ならではの落語通の多い客席にはちょっと不向きだったかもしれません。

仲入りに豆まきが行われました。予定ではトリの後のはずですが・・・。
まかれるのは大入り袋に入った福豆のみ。
時蔵師匠のブログでは2年前まで手ぬぐいもあったようですが、なくなったのかな?
それでも我太楼師匠初め、トリのおさん師匠なども出て40人の客席は大盛り上がり。
福豆入りの大入り袋をいくつかいただきましたとさ。

仲入りをはさんで、アサダ先生は20分少々の長い持ち時間のほとんどを、
自らの芸歴を語るトークで客席を楽しませます。
東京かわら版に連載される話あれこれを中心にあれこれと。
こればっかりやってちゃいかんと、最後には「ちゃんとやる」アサダ先生。
寄席ではあまりやらないカードマジックで客席を沸かせていました。

トリのおさん師匠は「井戸の茶碗」をネタ出しされておりました。
先週、大田区で柳朝師匠からこのネタをうかがっていますので、
ちょっとネタの飽きてしまっているような気もしますが…
物の真贋を見抜く難しさから、ブルガリの偽物の腕時計をつかまされた話をマクラで語り、
本編へと入っていきます。
おさん師匠が演じると、より正直者のくず屋さんが際立って見えるというか。
もちろん他の人物描写も特徴的ではあるのですが、
あれこれと振り回されるくず屋さんの感じが何ともよくあっていたように思います。
たっぷりの熱演で、10分程度伸びての終演でした。

豆まきがなかったらおそらく来なかったであろう今日の黒門亭ですが、
それでも期待以上の噺が聞けるのは何ともいいものです。

恐懼謹言。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1/25(土)季節寄席@大田文... | トップ | 2/3(月)鈴本演芸場夜席 節... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿