沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

ドイツ海軍、南シナ海へフリゲート艦を派遣    中国は意図的にか沈黙。ドイツの鵺的行動をどう見るか

2021-08-29 20:30:40 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)8月4日(水曜日)
通巻第7006号
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 ドイツ海軍、南シナ海へフリゲート艦を派遣
   中国は意図的にか沈黙。ドイツの鵺的行動をどう見るか
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8月2日、ドイツ海軍はインド太平洋地域にフリゲートを派遣したと発表した。
 フリゲート「バイエルン」は北海に面するウィルヘルム・スハーフェン港を出港し、インド太平洋地域において存在感を示威する。南シナ海を通過するに前後して、シンガポール、韓国、オーストラリアを経由するという。

 このフリゲート艦は1996年に就航、4900トン、乗員は380名、ディーゼル駆動で、全長が139メートル。29ノット。日頃はアドリア海に配置されてきた。

 これをどう見るべきか。短絡的にドイツもとうとう西側の一員として、米英主導の中国包囲網に加わり、日米豪印のクアッドの動きに触発されてのことなのか、どうか。

 ドイツは中国との経済的関係を維持するため、英仏の南シナ海派遣を横目に、決定を大幅に遅延させてきたが、メルケル政権の黄昏が視野に入り、反メルケル政治勢力の反撃のチャンスが、このフリゲート派遣に繋がった。

 ドイツ国防大臣は女性のウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン(EC委員長をつとめた)。しかも反メルケル派で、はやばやとドイツ海軍の艦船派遣を唱えてきたが、ドイツの政界はなかなかまとまらなかった。

 またNATOの重要なメンバーとしては、大勢がアンチ北京の雰囲気となってきたので、アリバイ証明的にNATOの一員の義務を演じる必要があったのだろう。
 こうしたドイツの鵺的行為に対して、中国はいまのところ沈黙している。
 


河南省豪雨被害、死者302,行方不明50名以上と発表   無策の救援活動に省長、市長らの責任を問う声が満ちている

2021-08-29 20:29:39 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)8月3日(火曜日)弐
通巻第7005号
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 河南省豪雨被害、死者302,行方不明50名以上と発表
  無策の救援活動に省長、市長らの責任を問う声が満ちている
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 映像は凄まじいものだった。地下鉄車内の浸水、幹線道路の河川化。そして道路のトンネル内に閉じこめられた数十台のクルマ。しかもほとんどがSNSで投稿された映像や画像で、世界中に実像が流れた。
 7月17日から20日にかけて河南省を襲った豪雨は家屋倒壊三万戸、避難民1300万、経済的損失が82億ドルという。

 8月2日になって当局は「正式」の数字を発表した。
死者302,行方不明50(このうち、鄭州市内だけの死者292名、行方不明47名)。

中国は伝統的に災害や事故を隠蔽する。唐山地震のときは、いかなる対外発表もなかった。唐山地震は1976年7月28日、中国は毛沢東の文革終息期だった。犠牲者は中国のその後の発表で24万人、米国は衛星写真などから死者は65・5万人とした。鎖国中だったが、発電所建設のため日本から派遣されていた日立製作所の社員3名が含まれていた。

災害につきものの強盗、追いはぎ、死者がしている貴金属や時計が盗まれた。日本は神戸、東日本津波などの未曽有の災害時、助け合うという習慣があるが、中国では救援より先に追いはぎ行為がある。四川省地震でも、犠牲者の数字や「消えた都市」については一切の報道がない。

今回の鄭州大水害報道でも、隠蔽体質が強化され、現場で取材していたAFP記者は撮影したフイルムを没収された。BBCの報じた内容を、当局は「フェイク」と言い切った。
 


外国との会見場所をなぜ天津に移動させているのか   北戴河は、北京より天津からのほうが確かに近いが。。。

2021-08-29 20:24:22 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)8月3日(火曜日)
通巻第7004号
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 外国との会見場所をなぜ天津に移動させているのか
  北戴河は、北京より天津からのほうが確かに近いが。。。
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 北戴河会議が始まっているようだ。
 8月1日の建軍記念日とかに、習近平は軍に発破をかける演説を行った。その足で、北戴河の長老会議に臨んだのではないかと観測があがっている。

 タリバンの幹部を招待して会合をもったのは天津だった。そして先日、シャーマン国務副長官を迎えての米中会談も天津だった。シャーマンを激怒させるほど中国は高慢ちきな、まるでアメリカに挑戦するかのような態度だった。

 北戴河会議で長老達に、その成果を報告する必要があるからだろうが、江沢民が欠席する会議では、習近平の路線に刃向かえるような直言武士は不在である。

西村眞悟の時事通信 (日本におけるオリンピックは人類文明の回帰の象徴だ 令和3年8月2日号)

2021-08-29 20:17:56 | 日記
西村眞悟の時事通信 (日本におけるオリンピックは人類文明の回帰の象徴だ 令和3年8月2日号)


西村眞悟の時事通信
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                          令和3年8月2日(月)

現在、東京オリンピック・パラリンピックは無観客で開催されている。
そして、
オリンピック開催反対を主張していた新聞社は、
連日、テレビでオリンピックの各競技を実況中継している。
また、同社は、八月の甲子園球場における全国高校野球大会を、
無観客ではなく選手等との縁者を観戦者として実施するらしい。
オリンピックの開催に反対していた理由が武漢ウイルスの感染拡大防止なら、
自ら主催する全国高校野球大会を中止したらどうか。
また、彼らの武漢ウイルスを理由とするオリンピック開催中止要求が、
オリンピックの無観客開催に帰結したのだが、
満席で開催せよとは言わないが、
一定の観戦者と選手が、一堂に相会するのがオリンピックではないか。
驚嘆すべき努力の結果としてのメダルを手にして、
「オリンピックを開催して頂いてありがとうございます」
と涙を流す選手達を見て、
しみじみとオリンピックが我が国で開催されて良かったと思う。
同時に、
開催反対を主張した反日新聞社や野党の面々の、
無責任さと反日性を忘れてはならないと思う。

次に、この東京オリンピック開催に関して起こった注意すべき事象と、
我が日本におけるオリンピック開催が象徴的に明らかにしている
人類の文明史における太古への回帰、
即ち、
普遍的で根源的な精神への回帰、について記しておきたい。

先ず、本年二月三日、
オリンピック・パラリンピック競技会組織委員長であった森喜朗氏が、
内部の会議で、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と言った。
すると、ある邪悪な意図をもって、
この「発言部分」だけを外部に出した者たちにより、
これが、世紀の女性蔑視発言と非難され喧伝され、
海外でも話題にされる騒動に仕立て上げられた。
そこで、我が国に起こった
この騒動の本質を明確に指摘しておく必要がある。
即ちこれは「反日運動」である。
同時に、
騒動を利用した猟官運動だった。
この二つの本質を「語るに落ちる」(自白する)が如く明らかに示したのは、
欧米での女性運動の象徴であるという「白い上着」を着て
女性蔑視非難を叫ぶ女性議員の群れと、
自民党幹事長に女性に多くの要職をよこせと申し入れに行った女性議員の面々だ。
これが「反日運動」であったことは
「白い上着」を着た女性達は、森氏と日本の現状を非難しても、
ウイグル民族を絶滅させるために
ウイグルの若い女性に強制的不妊手術を実施している
女性にとって最もおぞましい敵である中共に対して、
全く非難の声を挙げないことから明らかだ。
同時に、
この騒動の中で地位獲得を要求した面々は、
まさに卑しく恥を知らない者達で語る必要はない。
また、
オリンピック開催をサポートするボランティアのなかから
辞退する人達が現れたが、
この人達は、反日プロパガンダの犠牲者か、反日への付和雷同者であろう。

結局、この騒動の、
最大の被害者である森喜朗氏は組織委員長を辞任して、
後任に橋本聖子さんが就任した。
そして、オリンピック開会式において、
橋本聖子さんが組織委員長として、まことに感動的な挨拶をした。
この挨拶は、東京オリンピックを利用した
捏造された反日騒動の禍根は、一切払拭されていることを示すもので、
辞任した森喜朗氏も、深く安堵したであろう。

次に、日本でオリンピックが行われる人類の文明史的意義について記したい。
まず、
「過去を、より遠くまで振り返ることが出来れば、
未来をより遠くまで見渡せるであろう。」
The further backwards you look,
the further forward you can see.
というチャーチルの言葉を思い出そう。
その上で、
人類の精神史を遙か彼方まで眺めれば、
十数万年にわたる人類の普遍的で根源的な精神世界は
多神教世界であったことが分かる。
ところが、
わずか千六百年ほど前の西暦三九二年に
ローマ帝国がキリスト教を国教にしてから、
ローマ帝国の版図にあったヨーロッパがキリスト教化し、
近世になって、
そのヨーロッパが大航海時代を迎えて
今日までのたった五百年の間に、
南北アメリカ、ユーラシア大陸、アフリカを支配するに至ったので、
現在の世界は一神教世界一色のようにみえる。
しかし、だからこそ我ら日本人は、
極東の我が日本は、
キリスト教に征服されなかった唯一の近代国家として、
太古からの神々の世界を維持しながら現在に至っていることを
自覚しなければならない。

キリスト教は、二千年ほど前に、今のイスラエルの地で生まれた。
まず、イエス・キリストという人が、その短い生涯のなかで、
ユダヤ教の「怒り罰する神」と選民思想と律法を否定して、
「愛の神」をユダヤ人に布教して、ユダヤ人に処刑された。
このイエスの死後、
イエスを弾圧していたユダヤ人のパウロという男が、
イエス・キリストの教えにユダヤ教の選民思想を復活させて、
ユダヤ人以外への布教を開始して
ローマ帝国内に「パウロのキリスト教」を浸透させた。
そして遂に、西暦三九二年、
ローマ帝国はキリスト教を国教としたのだ。
そして、その翌年の西暦三九三年、
ローマの元老院はギリシャのオリンピア競技会を全廃した。
この象徴的な古代オリンピックの廃止を以て、
歴史家は、「神々の世界」であるギリシャ・ローマ文明の終焉とする。

もともとギリシャのオリンピックは、
疫病の蔓延をどうすればよいか
アポロンの神殿にお伺いをしたところ、
争いを止めて競技会をせよ
との神託を受けて始まったと言われている。
オリンピック開催の記録に残る最初は紀元前七七六年である。
そして、ギリシャのオリンピアやデルフォイなど四つの地方で、
ゼウスやポセイドンやアポロンの神々を讃えるために
四年に一回のオリンピック競技会が行われた。
つまり、オリンピックは古代ギリシャの神々を讃える神事として行われていた。
そして、紀元前二世紀、アテネがローマに征服されて
全ギリシャが古代ローマ帝国の領域に入った後も、
ギリシャにおける神々への賛歌としてのオリンピックは続いていた。
古代ローマもユピテルを最高神とする多神教の世界であり、
ギリシャの神々の祭典を当然な自然のこととしたからだ。
しかし、前記の通り、ローマ帝国がキリスト教を国教とした途端に、
多神教の神々の祭典であるギリシャのオリンピックは、
一神教のキリスト教により否定された。
このようにして古代オリンピックは、その歴史を閉じた。
即ち、神話との関係を切断されたのだ。
それから一千五百年後の西暦一八九六年、クーベルタンが、
古代ギリシャのオリンピックから
「神々の祭典」という本質を抜き去った
単なる競技会として始めたのが近代オリンピックである。
その近代オリンピックが開始されてから六十八年後の一九六四年、
近代オリンピックが初めてアジアの多神教の国である日本で開催され、
それから五十七年を経て、
現在、二度目の開催となった。

以上の通り、
「過去を、より遠くまで振り返れば」、
昭和三十九年秋と令和三年夏の
日本における二度のオリンピック開催は、
人類の精神史から大観すれば、
キリスト教という一神教に切断された
古代ギリシャの神々の祭典が、
キリスト教に征服されずに、
神々の国として現在に至っている日本、
即ち古代ギリシャと同じ神々の国に回帰したということだ。

古代ギリシャの王たちを率いてトロイアと戦った、
ミュケーナイの王であるアガメムノンがゼウスの子孫であるように、
日本の天皇は、
天照大御神の子孫であり
天照大御神の「天壌無窮の神勅」によって天皇である。
ゼウスの子孫は、
ギリシャを征服したローマ帝国がキリスト教を国教としたことによって
ギリシャ・ローマ文明の終焉と共に消息を絶たれたが、
日本の天皇は天照大御神の子孫であり
天照大御神の「生き通し」として百二十六代の現在の今上陛下に至っている。
そして、その百二十四代の昭和天皇と百二十六代の今上陛下が、
昭和三十九年十月十日と令和三年七月二十三日に、
「オリンピアード、東京大会の開催を宣言する」
という勅を発せられて
日本におけるオリンピックが開催されたのだ。
何故、日本において、このような人類史の壮大な回帰が起こりえたのか。
それは、天皇が、
十九世紀半ばの
欧米諸国が開国を迫る黒船来航以来の幕末の十五年間を
「未曾有の国難」と捉え、
それを断固克服する為に、徳川幕藩体制から脱却して
「神武創業之始めに原(もとづ)き」
新政府の樹立を宣言する
「王政復古の大号令」(慶応三年十二月六日)を発し、
明治維新を成し遂げたからだ。
その時、
我が国が直面した欧米諸国は、
パウロのキリスト教の選民思想の邪悪な権化であり、
異教徒と有色人種を人間とみなさず、
家畜や奴隷として植民地支配をすることを当然としていた。
まさに、日本は、開国以来大東亜戦争に至るまで、
こういう人種差別と植民地主義を当然とする
欧米の選民思想を持つ一神教文明と、
その強大な軍事力に対抗して、
人種差別撤廃と植民地解放を掲げて戦い、
二十世紀半ばに戦闘には敗れたが、
その戦争目的を達したのだ。
そして、その結果が、
まさに日本の天皇の世界が見守るなかにおける
「オリンピアードを開催する」
という勅語に帰結したのである。
昭和三十九年のオリンピック開催の時、
十六歳の私は、この勅語を確かに聴いた。
その天皇のお声には
周囲とは全く違う次元から発せられているような不思議な響きがあった。
さらに、五十七年後の
令和三年七月二十三日に、再び勅語を拝聴した。
そして、この度は明確に、実感した。
このオリンピックは、
人類が、
西暦三九二年にローマ帝国の国教となった一神教世界から、
神々の多神教世界へ回帰する転換点を告げるものだ、と。
同時に、これは、
ともに一神教から生まれて人類に惨害をもたらした
共産主義インターナショナリズムと
経済至上主義グローバリゼーションの終焉を告げるものではないか。
つまり、具体的には共産中国とパクスアメリカーナの崩壊である。
そして、そこから開ける世界は、
多様で寛容な万民を家族とする神々の世界だ。
即ち、これは
神武天皇創業の志である「八紘為宇」であり
明治維新の志である「万民保全の道」(五箇条の御誓文)である。

(以上、月刊日本誌への投稿原稿に加筆したもの)
 


AC 論説No.853 パンダが狼になった

2021-08-29 20:16:59 | 日記
AC通信 No.853(2021/08/01)
AC 論説No.853 パンダが狼になった

トランプ政権の時は大人しくしていた中国は、バイデン政権になった途端に本性を現して「戦狼外交」
と言い出してアラスカの駐米会談でブリンケン国務長官に噛み付くまで強硬になった。その後も米国
を恐れない挑戦的な行動を繰り返している。

バイデンは大統領になった途端に反トランプをむき出しにして「ロシアこそ本当のアメリカの敵で中国は
競争相手である」と宣言したが、中国が本性を現したことに驚いて、こっそりとロシア宥和に切り替え
て中国に対抗する政策を取り出した。バイデンの政策とはスーザン・ライス、ロン・クレインなどのオバ
マの代言人だが、対中政策の変更は米国軍部の影響が強かったと言われている。軍部は対中強硬派が多
く、バイデンは中国に買収された実証があるし、DSなどグローバリストは中国に強い態度が取れない。
しかもバイデンは国内の危機、BLM黒人問題、違法移民、犯罪増加、インフレ、コロナ対策などに対処
できない。アメリカの衰退は明らかである。

トランプは中国の急速な覇権拡張を抑えるため中国に対し強い態度をとったが、トランプの「アメリカ
ファースト、諸国ファースト」政策は欧州連合であまり歓迎されなかった。バイデン政権はひたすらトラ
ンプの政策を抹殺する態度を取っていたが軍部の圧力で対中路線の変更を余儀なくされ、Rush Doshi氏
の「Blunting and Building(鈍化させ、発展する)」政策を採用したと言われている。

Doshi氏はBrookings Institutionの研究員だったが今は国家安全委員会(NSC)のカート・キャンベル委
員長の下で働いている。つまり中国の覇権拡張を抑え、自国の発展を急ぐということだ。聞こえは良い
けれど中長期政策としてはこれ以外になく、強硬路線は取らないと言うより取れないのだ。

具体的に何ができるかというと、Blunting(鈍化)政策では真っ先に中国の新疆(東トルキスタン)に
おけるウイグル人種抹殺(Genocide)を取り上げて諸国の合作に期待する。バイデン政権は諸国の合作で
アメリカのリーダーシップを維持できると思っている。ウイグル問題はEU諸国で一応の同情を得たし、
英国とオーストラリアは南シナ海における米軍の軍事演習に参加した。最近はドイツも南シナ海に軍艦
を派遣した。だがアメリカは中国の香港における強引な民主運動制圧について沈黙している。

EU諸国はトランプが嫌いだったがトランプの業績、北朝鮮やイランの核開発をストップさせたこと、中
国の輸入品に25%の関税をかけたこと、台湾問題で強硬な態度を取ったことなどは高く評価している。
バイデンのリーダーシップとなると問題は別である。G7とプーチン会談に於けるバイデンの失言や最近
のボケぶりがハッキリして彼が世界のリーダーでないことはわかっている。

Blunt and Buildと言っても、中国の強権を鈍化させるには諸国の合作が大前提となる。バイデン政権は
諸国の合作を呼びかける「より良き世界を取り戻す」、B3W(Build Back Better World)と呼ぶスロー
ガンを掲げた。中国の一帯一路に対抗してQUADと呼ぶ日本、米国、オーストラリアとインドの連盟を
作り、更に世界各国にワクチンを配布する政策などを実施した。

だが貿易戦争で諸国がアメリカと合作するとは限らない。EU諸国は中国との商業関係を重視している
し、日本と韓国、東南アジア諸国も中国との商業関係を維持したい。ドイツのメルケルは中国との貿易
を重視しているしフランスのマクロンも中国封じ込めに曖昧な態度を取っている。日本は対中貿易を重
視しているし韓国も同様だ。ドイツやフランスがアメリカを裏切って対中貿易を続ける可能性が高い。

おまけに米国の対中貿易は五分五分で決して米国に有利とは言えない。アメリカだって中国貿易に依存
するものが多い。米国の対中輸出は主に農産品と精密機械だが、中国の対米輸出は衣類、学用品、電化
製品、日常用品や薬品などの他にリチウム、コバルト、シリコンなどレアアースなど重要戦略物資を含
み、これがストップさせられたら大変だ。トランプは中国からの輸入品に25%の関税をかけたが中国も
同様の処置を取ることが出来るから関税制裁は効果が薄い。アメリカは対中輸入を他国に切り替える必
要があると同時に自国の生産を急ぐ必要がある。アメリカは今になってからグローバリゼーションに
よって自国の生産を労賃の安い他国に移したつけを負わされているのだ。

バイデンは国内に大きな問題をいくつも抱えている上に危機に対応する意欲が見られない。国境を解放
したため違法入国者、麻薬や犯罪者、スパイの入国を止められなくなった。その上に最近大きな問題に
なっている違法入国者のコロナ感染にも沈黙を守っている。国内各都市では殺人や掠奪など重大犯罪事
件が急増しているが、バイデンはBLM、アンチファなどを取り締まらず逆に警察予算をカットした。
Building(発展)をスローガンに据えたのに、国内に於けるチップ生産やAI研究でなく、ソーラーパネ
ル、気候温暖化とかワクチン注射、学費ローンを帳消しにするなどに無駄金を注ぎ込んでいる。

中国の「野狼外交」の喫緊問題は中国の台湾併呑の恫喝である。野狼が本性を現して香港の民主運動を
制圧したのにアメリカや英国は手出しができなかった。次は台湾である。中国は武力でアメリカに対抗
できないが、台湾は中国の領土であると言う勝手な主張に誰も反対しなかった。中国が台湾を攻撃した
ら米国は台湾を守れるか。QUADの国々は参戦するだろうか。

中国はパンダではなく本性は狼だったが諸国が覚醒したとは思えない。諸国が中国の本性を見極めなけ
れば中国の覇権拡張は無制限となる。台湾の次は尖閣諸島、次は南シナ海、そして太平洋制覇である。
バイデンの米国が頼りない「紙老虎」とわかったら北朝鮮、イランは中国の支援を得て核開発を進める
に違いない。アメリカの衰退と中国の覇権拡張は世界の動乱と地球の破滅を招く恐れが現実となる。