沖縄・台湾友の会

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ウイグルの強制収容所で「再教育」を「卒業」したウイグル人を    中国27ケ所の工場へ送り出し始めた。なかには日系企業も。

2020-05-05 10:19:55 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)5月3日(日曜日)弐
      通巻第6450号
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 ウイグルの強制収容所で「再教育」を「卒業」したウイグル人を
   中国27ケ所の工場へ送り出し始めた。なかには日系企業も。
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 ウイグル問題の直接的な発端は2009年6月25日に溯る。広東省紹関にある玩具工場で、漢族男性がウイグル族の女性従業員を乱暴したという事件を切っ掛けにウイグル人従業員が抗議、それが騒動となって大乱闘。2名が殺害された。

 情報はすぐに新彊ウイグル自治区に伝わり、省都のウルムチで学生達が抗議行動を開始、警官が出動して発砲。公式発表では192名が殺され、1721名が重軽傷を負った。ウイグル亡命組織は「数千名が殺害された」とした。西側メディアは一斉に中国の血の弾圧を批判した。さらなる弾圧を怖れた学生、労組指導者らは隠れ家を求め、一部は隣のカザフスタンへ逃げ込んだ(その一部、およそ千名がトルコ経由でISに加わった)。

 チベット弾圧で悪名を馳せた陳全国(元河北省省長)が、2016年8月に新彊ウイグル自治区の書記に任命され、ここからウイグル族への無慈悲な弾圧が強化された。
百万人以上の強制収容所を砂漠に急遽、造成し、事実上の「監獄」を「再教育センター」とか、「職業訓練所」と称して、ウィグル族を片っ端から収容した。
所内では漢語の強制、豚肉を食べさせ、ウイグル族の文化的背景、イスラム教の影響を抜き取り、漢族風に洗脳する目的だった。

実際に収容所では中国語を教え、中国の法律を叩き込み、そのうえ中国共産党の獅子吼する「愛国」教育を徹底させた。その一方で、縫製、メカニカルエンジニアリングから、ホテルの清掃のやり方までを教育、訓練した。
反抗したウイグル族が相当数、拷問され、収容所内で死亡した。これらはその後、亡命に成功したウイグル族女性によって米国議会の公聴会の証言でも明らかにされ、米国の人権団体の抗議をこえて、議会人は超党派で中国への批判を強めた。

トランプ政権はウイグル弾圧に用いられたとして監視カメラ、顔面識別、AI技術を製造するハイクビジョンなど中国企業の28社を[EL]リストに加えて取引停止とした。ペンス副大統領の二度に亘る対中批判演説にはこれらの裏付けがあった。


 ▼「洗脳教育」の「卒業生」が国内の人手不足の工場へ送られる

 ウイグル族の他省、工業地帯への移動は、安く酷使できる労働者の増強という目的に加えて、ウイグル女性と漢族男性との結婚奨励、かたちをかえた民族浄化(エスニック・クレンジング)にあった。結婚は半ば強制だったと多くの証言がある。

 サウスチャイナモーニングポスト(5月2日)に拠れば、強制収容所から、中国全土への移送が開始され、工場へ労働者として送られている。狭い寮で生活し、外出は出来ず、賃金は月給1200元から4000元程度(ウルムチの平均可処分所得は1791元)。詰まり「監獄から、別の監獄へ」移動されるのだ。
 移送に際しては大きなマスク、胸部に赤い花のピンを大きな目印として、長距離バスなどがチャーターされた。偵察衛星でこれらの移動が確認されたという。

 安徽省には既に1560人が到着したと安徽日報が報じた。
深センのハイテク工場には5万人が割り当てられたが、各社が不況陥落のため、15000名しか受け入れないという返答があった。2009年に殺人まで起きた騒動の発祥地である広東省の玩具工場なども数万人の労働者の受け入れを発表、福建省のアパレル工場にも派遣が決まったという。移動を強いられる地区は、武漢ウィルスの感染が大きい地区でもある。

 豪のシンクタンク「豪戦略政策研究所」のレポートでは、八万名が移動したとし、また ウイグル収容所の「卒業生」を労働者として受け入れたか、これから受け入れる企業名にはグーグル、マイクロソフト、アップル、シーメンス、ナイキ、ロコステ、サムソン、アディダスのほか、ユニクロ、SONY、三菱の名前をあげている。

 また欧米の偵察衛星は、ウイグル自治区でイスラム教の墓地が整地され、ブルドーザで急遽速成された小さな墓地に移されているという。地元住民は「ご先祖の墓がなくなり、新しい墓場は画一的な、同じサイズの墓で、誰が誰の墓なのかわからない」と不満の声をあげている。

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